三国志演義4 [中世文学]
「三国志演義(四)」 羅貫中 井波律子訳 (講談社学術文庫)
魏呉蜀の三国時代を舞台にした講談を、明時代にまとめて成立した歴史小説です。
ここでは、最も新しい講談社学術文庫(全4巻)の井波律子訳を紹介します。
講談社学術文庫版(四)には、第九十一回から第百二十回までが収められています。
出師の表、北伐、街亭の敗北、趙雲の死、諸葛孔明の死、司馬仲達の死、蜀滅亡・・・
この巻が最終巻です。すでに第三巻で、劉備・関羽・張飛は亡くなっていました。
だから、この巻はおまけだと思っていたけど、とんでもない! 結構面白かったです。
特に前半、蜀の諸葛孔明と魏の司馬仲達との駆け引きは、大きな読みどころでした。
孔明の反間の計、街亭の戦い、五丈原の戦い、死せる孔明生ける仲達を走らす・・・
5回にわたる北伐の中で、蜀も魏も完全に世代交代し、巻の後半は終焉に向かいます。
後半の読みどころは、姜維(きょうい)と鄧艾(とうがい)の駆け引きでしょう。
魏呉蜀が、戦いでなく、お家騒動で衰退していく過程は、なんとも寂しい限りです。
終盤でキラリと光るエピソードが、陸抗と羊祜(ようこ)の不思議な信頼関係です。
敵に贈られた酒を疑うことなく飲む羊祜。敵から贈られた薬を疑うことなく飲む陸抗。
敵味方を超えて、お互いにリスペクトし合う二人。この「男の世界」にしびれます!
さて、この巻の中で、私が最も興味深く思った人物は、裏切り者の魏延です。
忠義の将が多い蜀では、異色の存在ですが、魏延のことを考えると悲しくなります。
劉備のために働きながら、「反骨の相」ゆえに、孔明に斬られそうになりました。
蜀のために活躍しながらも、孔明からは裏切るのではないかと、疑われ続けました。
それゆえ魏延は、劉備の取り巻きになじめず、孤独を感じていたのではないか?
もしかしたら、孔明は、魏延が裏切るようにしむけてしまったのではないか?
孔明が反骨の相などにこだわらず、心から信頼していたら魏延は変わったのでは?
暖かい触れ合いがあったら、魏延は自分自身を成長させることができたのでは?
思うに、魏延は最初から見限られていたため、成長する機会を与えられなかった。
魏延を生かせなかったことが、孔明の最大の失敗だったように思えてしまいます。
ところで、三国志演義全4巻を読み通すにあたって、参考にした本があります。
三国志ナビ(新潮文庫)です。
主な戦いについて、流れが地図で示されていて、とても分かりやすいです。
できれば全120回のあらすじを入れてもらえると、さらに良かったです。
さいごに。(会話に入れない)
娘と妻でジャニーズの会話になると、時々わけのわからない言葉が飛び交います。
「セクゾ」とか「ディーディー」とか「タンオリ」とか・・・会話に入れません。
魏呉蜀の三国時代を舞台にした講談を、明時代にまとめて成立した歴史小説です。
ここでは、最も新しい講談社学術文庫(全4巻)の井波律子訳を紹介します。
講談社学術文庫版(四)には、第九十一回から第百二十回までが収められています。
出師の表、北伐、街亭の敗北、趙雲の死、諸葛孔明の死、司馬仲達の死、蜀滅亡・・・
この巻が最終巻です。すでに第三巻で、劉備・関羽・張飛は亡くなっていました。
だから、この巻はおまけだと思っていたけど、とんでもない! 結構面白かったです。
特に前半、蜀の諸葛孔明と魏の司馬仲達との駆け引きは、大きな読みどころでした。
孔明の反間の計、街亭の戦い、五丈原の戦い、死せる孔明生ける仲達を走らす・・・
5回にわたる北伐の中で、蜀も魏も完全に世代交代し、巻の後半は終焉に向かいます。
後半の読みどころは、姜維(きょうい)と鄧艾(とうがい)の駆け引きでしょう。
魏呉蜀が、戦いでなく、お家騒動で衰退していく過程は、なんとも寂しい限りです。
終盤でキラリと光るエピソードが、陸抗と羊祜(ようこ)の不思議な信頼関係です。
敵に贈られた酒を疑うことなく飲む羊祜。敵から贈られた薬を疑うことなく飲む陸抗。
敵味方を超えて、お互いにリスペクトし合う二人。この「男の世界」にしびれます!
さて、この巻の中で、私が最も興味深く思った人物は、裏切り者の魏延です。
忠義の将が多い蜀では、異色の存在ですが、魏延のことを考えると悲しくなります。
劉備のために働きながら、「反骨の相」ゆえに、孔明に斬られそうになりました。
蜀のために活躍しながらも、孔明からは裏切るのではないかと、疑われ続けました。
それゆえ魏延は、劉備の取り巻きになじめず、孤独を感じていたのではないか?
もしかしたら、孔明は、魏延が裏切るようにしむけてしまったのではないか?
孔明が反骨の相などにこだわらず、心から信頼していたら魏延は変わったのでは?
暖かい触れ合いがあったら、魏延は自分自身を成長させることができたのでは?
思うに、魏延は最初から見限られていたため、成長する機会を与えられなかった。
魏延を生かせなかったことが、孔明の最大の失敗だったように思えてしまいます。
ところで、三国志演義全4巻を読み通すにあたって、参考にした本があります。
三国志ナビ(新潮文庫)です。
主な戦いについて、流れが地図で示されていて、とても分かりやすいです。
できれば全120回のあらすじを入れてもらえると、さらに良かったです。
さいごに。(会話に入れない)
娘と妻でジャニーズの会話になると、時々わけのわからない言葉が飛び交います。
「セクゾ」とか「ディーディー」とか「タンオリ」とか・・・会話に入れません。
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