グリム童話もの [19世紀ドイツ北欧文学]
「だれが、いばら姫を起こしたのか」 フェッチャー作 丘沢静也訳 (ちくま文庫)
心理的・歴史的・民俗的背景を踏まえて、グリム童話の真相に迫ろうとした著書です。
副題は、「グリム童話をひっかきまわす」です。グリム童話のパロディの古典です。
「いばら姫」は15歳のとき、糸巻き棒で指をつきさし、100年間の眠りにつきます。
では、「糸巻き棒」が象徴するものは? 「つきさす」ことが象徴することは?
100年間の眠りは、姫がずっと処女でいてほしいという、両親の願望を表していた?
姫が王子のキスで目覚めるのは、まさに姫が処女喪失恐怖症を克服したということ?
「カエルの王」では、姫がカエルを壁にたたきつけたところ、王子に変わりました。
「カエル」というのは何を象徴していた? 「カエル」と姫の関係は?
姫は実は、カエルと最初に会ったときから、性的な魅力を感じていた?
嫌悪すべきカエルが、好ましい王子に変わるのは、姫が性体験をしたということ?
ほか「赤頭巾ちゃん」「白雪姫」「シンデレラ」など、全14編が収録されています。
さまざまな観点から、童話の意味を深読みし、好き勝手な想像をしています。
一話が短く、内容は刺激的で、知的好奇心がくすぐられるため、全く飽きません。
ただし、内容は学術的なものではなく、あくまで趣味として楽しむ本だと思います。
桐生操の「本当は恐ろしいグリム童話」(ワニ文庫)は、グリム童話の二次創作です。
1998年に出てまもなくベストセラーとなり、グリム童話ブームを巻き起こしました。
たとえば冒頭の「白雪姫」は、大きくデフォルメされ、ヘンな話になっています。
白雪姫を殺そうとしたのは、継母ではなくて実の母? 王子は死体愛好家?・・・
王妃は、王が娘の白雪姫と愛し合う場面を目撃しました。白雪姫はまだ7歳です。
王妃は娘の殺害を計画し、白雪姫は森の小人に助けられ、彼らの夜の相手をします。
王妃の毒リンゴで倒れた白雪姫の死体を、通りがかりの王子が城に持ち帰りました。
王子はその死体をこっそり愛好して・・・(この辺で本を放り出してしまった)
という具合で、「なんじゃこりゃ」という展開です。これは、やりすぎでしょう。
しかし、グリム童話の魅力を広く知らしめたという点では、読書界に貢献しました。
1998年、グリム童話ブームに乗って、私も色々な「グリム童話もの」を読みました。
最も印象的だったのが、森義信の「メルヘンの深層」(講談社現代新書)でした。
副題は「歴史が説く童話の謎」で、主に歴史的なアプローチがされています。
「白雪姫」に魔女裁判を、「ヘンゼルとグレーテル」に子捨てを見るという具合。
最も興味深かったのは、第10章の「青ひげ物語としたたかな女」です。
残酷な「青ひげ」という一般的な見方とは、全く違った解釈がされていて面白い。
鈴木晶の「グリム童話 メルヘンの深層」(講談社現代新書)も興味深いです。
こちらは、主に哲学的・心理学的なアプローチがなされています。
グリム童話などメルヘンについて、広く知りたいという場合はオススメです。
グリム兄弟について、童話成立の背景、メルヘンの意味などにも触れています。
「誰も書かなかった灰かぶり姫の瞳」梁瀬光世(幻冬舎文庫)という本もあります。
広く浅く手軽に楽しめる本ですが、その分他の本に比べて、物足りない気もします。
ところで、ここで紹介した本のほとんどが、すでに絶版という悲しい状況でした。
いつの日か、グリム童話ブームが再び来て、復刊されることを願っています。
さいごに。(からやまの極ダレ丼がうまい)
ママさんの都合で、時々娘と二人で夕飯を外で食べることがあります。
そのとき、最近よく行くのが、から揚げ専門店の「からやま」です。
特に「極ダレ丼」が、めっぽううまい。ニンニクのきいたタレが良いです。
しかも、約600円ほどと安いので、私と娘はすっかりはまってしまいました。
心理的・歴史的・民俗的背景を踏まえて、グリム童話の真相に迫ろうとした著書です。
副題は、「グリム童話をひっかきまわす」です。グリム童話のパロディの古典です。
だれが、いばら姫を起こしたのか―グリム童話をひっかきまわす (ちくま文庫)
- 作者: イーリング フェッチャー
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1991/09
- メディア: 文庫
「いばら姫」は15歳のとき、糸巻き棒で指をつきさし、100年間の眠りにつきます。
では、「糸巻き棒」が象徴するものは? 「つきさす」ことが象徴することは?
100年間の眠りは、姫がずっと処女でいてほしいという、両親の願望を表していた?
姫が王子のキスで目覚めるのは、まさに姫が処女喪失恐怖症を克服したということ?
「カエルの王」では、姫がカエルを壁にたたきつけたところ、王子に変わりました。
「カエル」というのは何を象徴していた? 「カエル」と姫の関係は?
姫は実は、カエルと最初に会ったときから、性的な魅力を感じていた?
嫌悪すべきカエルが、好ましい王子に変わるのは、姫が性体験をしたということ?
ほか「赤頭巾ちゃん」「白雪姫」「シンデレラ」など、全14編が収録されています。
さまざまな観点から、童話の意味を深読みし、好き勝手な想像をしています。
一話が短く、内容は刺激的で、知的好奇心がくすぐられるため、全く飽きません。
ただし、内容は学術的なものではなく、あくまで趣味として楽しむ本だと思います。
桐生操の「本当は恐ろしいグリム童話」(ワニ文庫)は、グリム童話の二次創作です。
1998年に出てまもなくベストセラーとなり、グリム童話ブームを巻き起こしました。
たとえば冒頭の「白雪姫」は、大きくデフォルメされ、ヘンな話になっています。
白雪姫を殺そうとしたのは、継母ではなくて実の母? 王子は死体愛好家?・・・
王妃は、王が娘の白雪姫と愛し合う場面を目撃しました。白雪姫はまだ7歳です。
王妃は娘の殺害を計画し、白雪姫は森の小人に助けられ、彼らの夜の相手をします。
王妃の毒リンゴで倒れた白雪姫の死体を、通りがかりの王子が城に持ち帰りました。
王子はその死体をこっそり愛好して・・・(この辺で本を放り出してしまった)
という具合で、「なんじゃこりゃ」という展開です。これは、やりすぎでしょう。
しかし、グリム童話の魅力を広く知らしめたという点では、読書界に貢献しました。
1998年、グリム童話ブームに乗って、私も色々な「グリム童話もの」を読みました。
最も印象的だったのが、森義信の「メルヘンの深層」(講談社現代新書)でした。
副題は「歴史が説く童話の謎」で、主に歴史的なアプローチがされています。
「白雪姫」に魔女裁判を、「ヘンゼルとグレーテル」に子捨てを見るという具合。
最も興味深かったのは、第10章の「青ひげ物語としたたかな女」です。
残酷な「青ひげ」という一般的な見方とは、全く違った解釈がされていて面白い。
鈴木晶の「グリム童話 メルヘンの深層」(講談社現代新書)も興味深いです。
こちらは、主に哲学的・心理学的なアプローチがなされています。
グリム童話などメルヘンについて、広く知りたいという場合はオススメです。
グリム兄弟について、童話成立の背景、メルヘンの意味などにも触れています。
「誰も書かなかった灰かぶり姫の瞳」梁瀬光世(幻冬舎文庫)という本もあります。
広く浅く手軽に楽しめる本ですが、その分他の本に比べて、物足りない気もします。
誰も書かなかった灰かぶり姫(シンデレラ)の瞳―25の童話の驚くべき真相 (幻冬舎文庫)
- 作者: 梁瀬 光世
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1998/10
- メディア: 文庫
ところで、ここで紹介した本のほとんどが、すでに絶版という悲しい状況でした。
いつの日か、グリム童話ブームが再び来て、復刊されることを願っています。
さいごに。(からやまの極ダレ丼がうまい)
ママさんの都合で、時々娘と二人で夕飯を外で食べることがあります。
そのとき、最近よく行くのが、から揚げ専門店の「からやま」です。
特に「極ダレ丼」が、めっぽううまい。ニンニクのきいたタレが良いです。
しかも、約600円ほどと安いので、私と娘はすっかりはまってしまいました。
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