丸かじりドン・キホーテ [17世紀文学]
「丸かじりドン・キホーテ」 中丸明 (新潮文庫)
「ドン・キホーテ」初心者が、長大な物語を手軽に味わうためのガイドマップです。
物語のあらすじ、読み解くための13の鍵、セルバンテスの生涯の三章から成ります。
傑作スペイン文学「ドン・キホーテ」を、通して読んだ人は少ないのだそうです。
風車に戦いを挑む場面が強烈すぎて、ばかばかしくて読む気をそがれるのだとか。
なるほど、話は面白いのだが、岩波文庫で6冊あるとなると、ごちそうさまです。
私は1冊目しか読んでいません。全巻を通して読むには、エネルギーが必要です。
「ドン・キホーテ」→ https://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-01-13
さて、本書「丸かじりドン・キホーテ」は、流れがよく見える抄訳になっています。
細部を大胆に省略して、約280ページにまとめているので、とても気軽に読めます。
この本のおかげで、「ドン・キホーテ」の全貌をだいたい知ることができました。
意外だったことは、前半よりも後半の方が面白かった、ということです。
「前半」の旅から帰ったドン・キホーテは、しばらく故郷で静養していました。
しかしある学士から、自分の伝記が世に広まっていることを聞かされて・・・
後半には、「ドン・キホーテ前編」を愛読しているという人物が続出しました。
その代表格が公爵夫人でしょう。彼女は、評判の騎士を自分の城に招待して・・・
この公爵夫人によって、サンチョ・パンサが島の太守を務めた場面は傑作です。
仕立て屋と百姓の訴訟、豚飼いと女の訴訟と、たて続けに名判決を下しました。
太守となったサンチョは冴えまくっていて、名言がポンポンと飛び出します。
「考えても見なせ。人間、眠ってるあいだは、金持ちも貧乏人も同じだべ。」
「悪徳領主になって地獄さおっこちるより、ただのサンチョ・パンサで天国さ
行ったほーが、なんぼかマシだとおもうだ」
サンチョが島を去る場面、特に騾馬に謝る場面は、ほろりとしてしまいます。
サンチョは良い味を出してます。サンチョあっての「ドン・キホーテ」ですよ。
「あのふたりはどうも、同じ鋳型から打ち出されたとしかおもえませんわい。
主人の気ちがい沙汰も、家来の愚かさなしでは、まったくのところ、一文の
値打ちもないんですからの。」
解説によると、「丸かじりドン・キホーテ」の圧巻は、第Ⅱ章だと言います。
「ドン・キホーテを読み解く13の鍵と題して、物語の背景を説明しています。
レコンキスタ、異教徒、大航海時代、ペスト、郷士、ハプスブルク家・・・
当時のスペイン事情が分かり、「ドン・キホーテ」の理解が深まります。
かつて現代教養文庫から、「ドレ画ドン・キホーテ物語」が出ていました。
その名の通り、「ドレ画」がメインで、ストーリーは絵の説明程度です。
このドレの絵がまたすばらしい。文庫本で小さくて細かいのが難点ですが。
ドン・キホーテとサンチョ・パンサのイメージが、この本で作られました。
さいごに。(女子力高めグループが苦手)
娘のクラスには、女子力の高い女子数人のグループがあるそうです。
うちの娘は、そのグループの女子たちが苦手なのだそうです。
彼女たちは、人に何か言われると、即座にかわいい反応をするのだとか。
うちの娘はぼんやりしているので、そういう反応ができないと言います。
「ドン・キホーテ」初心者が、長大な物語を手軽に味わうためのガイドマップです。
物語のあらすじ、読み解くための13の鍵、セルバンテスの生涯の三章から成ります。
傑作スペイン文学「ドン・キホーテ」を、通して読んだ人は少ないのだそうです。
風車に戦いを挑む場面が強烈すぎて、ばかばかしくて読む気をそがれるのだとか。
なるほど、話は面白いのだが、岩波文庫で6冊あるとなると、ごちそうさまです。
私は1冊目しか読んでいません。全巻を通して読むには、エネルギーが必要です。
「ドン・キホーテ」→ https://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-01-13
さて、本書「丸かじりドン・キホーテ」は、流れがよく見える抄訳になっています。
細部を大胆に省略して、約280ページにまとめているので、とても気軽に読めます。
この本のおかげで、「ドン・キホーテ」の全貌をだいたい知ることができました。
意外だったことは、前半よりも後半の方が面白かった、ということです。
「前半」の旅から帰ったドン・キホーテは、しばらく故郷で静養していました。
しかしある学士から、自分の伝記が世に広まっていることを聞かされて・・・
後半には、「ドン・キホーテ前編」を愛読しているという人物が続出しました。
その代表格が公爵夫人でしょう。彼女は、評判の騎士を自分の城に招待して・・・
この公爵夫人によって、サンチョ・パンサが島の太守を務めた場面は傑作です。
仕立て屋と百姓の訴訟、豚飼いと女の訴訟と、たて続けに名判決を下しました。
太守となったサンチョは冴えまくっていて、名言がポンポンと飛び出します。
「考えても見なせ。人間、眠ってるあいだは、金持ちも貧乏人も同じだべ。」
「悪徳領主になって地獄さおっこちるより、ただのサンチョ・パンサで天国さ
行ったほーが、なんぼかマシだとおもうだ」
サンチョが島を去る場面、特に騾馬に謝る場面は、ほろりとしてしまいます。
サンチョは良い味を出してます。サンチョあっての「ドン・キホーテ」ですよ。
「あのふたりはどうも、同じ鋳型から打ち出されたとしかおもえませんわい。
主人の気ちがい沙汰も、家来の愚かさなしでは、まったくのところ、一文の
値打ちもないんですからの。」
解説によると、「丸かじりドン・キホーテ」の圧巻は、第Ⅱ章だと言います。
「ドン・キホーテを読み解く13の鍵と題して、物語の背景を説明しています。
レコンキスタ、異教徒、大航海時代、ペスト、郷士、ハプスブルク家・・・
当時のスペイン事情が分かり、「ドン・キホーテ」の理解が深まります。
かつて現代教養文庫から、「ドレ画ドン・キホーテ物語」が出ていました。
その名の通り、「ドレ画」がメインで、ストーリーは絵の説明程度です。
このドレの絵がまたすばらしい。文庫本で小さくて細かいのが難点ですが。
ドン・キホーテとサンチョ・パンサのイメージが、この本で作られました。
さいごに。(女子力高めグループが苦手)
娘のクラスには、女子力の高い女子数人のグループがあるそうです。
うちの娘は、そのグループの女子たちが苦手なのだそうです。
彼女たちは、人に何か言われると、即座にかわいい反応をするのだとか。
うちの娘はぼんやりしているので、そういう反応ができないと言います。
「娘はぼんやりしているので、そういう反応ができない.....」
困りましたねぇ.....米国では、女にとって必要不可欠ですが....
by サンフランシスコ人 (2018-12-14 08:42)
米国では、うまくやっていけないかもしれません・・・
by ike-pyon (2018-12-20 06:43)