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ティラン・ロ・ブラン 3 [中世文学]

 「ティラン・ロ・ブラン 3」 J・マルトゥレイ作 田澤耕訳 (岩波文庫)


 騎士ティラン・ロ・ブランの愛と冒険を、写実的かつ現実的に描いた長編小説です。
 2016年に岩波文庫から全四巻で出ました。そのうちの第3巻です。


ティラン・ロ・ブラン 3 (岩波文庫)

ティラン・ロ・ブラン 3 (岩波文庫)

  • 作者: J.マルトゥレイM.J.ダ・ガルバ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/12/17
  • メディア: 文庫



 前半は、ギリシア帝国の皇女とティランの、少しもやもやするラブ・ロマンスです。
 侍女のプラエールの手引きで、ティランは皇女の寝室に入り込みましたが・・・

 後半は一転して、出陣したティランの船が大嵐に遭って、難破してしまう展開です。
 北アフリカに着いたティランはモーロ人に仕え・・・プラエールも流されて・・・

 第4巻ではプラエールの存在が光ります。ティランの皇女への恋を煽る言葉がいい。
 「まず罪を犯し、それから悔い改めればいいのだということをご存知ないのですか?」

 皇女のもとにはピウダ・ラプザダという悪女がいて、ティランの陰口をたたきます。
 皇女は、彼女のえげつない嘘を平気で信じてしまいますが、14歳だから仕方ないか。

 ところがティランもまた、ピウダ・ラプザダの小賢しい計略にはまってしまいます。
 そりゃないでしょう。この巻のティランはカッコ悪すぎです。出陣前に足を折るし。

 一方、「想いを遂げるためなら悪魔に魂を奪われてもかまいはしない。」とピウダ。
 ピウダは、気持ちが良いくらい悪を貫徹させていて、闇の魅力を放っています。

 第三巻の大半は、宮廷内のどうでもいいおしゃべりがえんえんと続き、退屈します。
 当時の読者は、皇帝・皇后・皇女・騎士らを身近に感じて、楽しめたのでしょうか。

 しかし後半、というより終盤、ティランが出陣してから、劇的に展開が変わります。
 舞台が北アフリカに移ってから、ティランも物語も本来の輝きを取り戻しました。

 第四巻は、いよいよ最終巻です。
 このあと、怒涛の展開だと聞いています。楽しみです。

 さいごに。(またムキになってしまった)

 娘に、「嵐のメンバーは誰か」と言われたのですが、4人しか言えませんでした。
 そこで「嵐のメンバーぐらい、全員言えないと恥ずかしいよ。」と言われました。

 「それならドリフを全員言ってみろ。これは教養問題だぞ。」と言ってやると、
 うちの娘は、志村とカトちゃんしか知らないので、その一言で黙りました。(笑)

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