今昔物語集2 [日本の古典文学]
「今昔物語」 福永武彦訳 (ちくま文庫)
怪異譚、滑稽譚、人情譚等、あらゆる話を収録した、平安末期成立の説話集です。
私は、本朝篇から155話を抄録したちくま文庫版で読みました。訳者は福永武彦。
ちくま文庫「今昔物語」後半は、滑稽・悪行・人情・奇譚・仏法・・・と続きます。
特に悪行は本書のクライマックスで、どこかで聞いたことのある話も多いです。
「谷底に落ちても平茸(ひらたけ)を取る話」 「鼻を持ち上げて朝粥を食う話」
「異端の術で瓜を盗まれる話」 「何者とも知れぬ女盗賊の話」
「羅城門の楼上で死人を見る話」 「大江山の藪の中で起こった話」
「太刀帯(たてわき)の陣で魚を売る女の話」 「近江の国に婢となった女の話」
「信濃の国にあった姥捨山の話」 「死んでも舌が残った僧の話」
「女の執念が凝って蛇となる話」 「京の町で百鬼夜行にあう話」
最も印象に残ったのは、「丹波の守が胎児の生き胆(ぎも)を取る話」です。
平貞盛が丹波の守だったとき、悪い病気に罹ったため、医者に診断させました。
医者が言うには、「これは命にかかわる病で、胎児の生き胆を薬とするしかない」。
貞盛が、子の維衡に言うには、「お前の妻の腹の子を、おれにくれ」。(!)
いくら親子だって、それはないでしょう。で、維衡は災難をどのように防いだのか?
また、そののち医者にふりかかった災難を、維衡はどのように防いだのか?
最も面白かったのは、「平中物語」で有名な「平中が本院の侍従に恋する話」です。
平中は「侍従の君」に恋い焦がれ、彼女の部屋に忍んで行きましたが・・・
痛い目にあった平中が、侍従の君を思いきるために案じた一計とは?
しかし、そのはこの中のう〇こは、何とも言えない良い匂いがして・・・
なお、う〇こネタなら「越前の守為盛が謀をめぐらす話」も面白いです。
6月の暑い日、役人たちが越前の守の屋敷に、量米の取り立てに行きました。
門の中に通されると、そこには塩辛い料理ばかりがたくさん並べられていました。
出された酒は、少し濁って酸っぱかったが、のどの渇きに何杯も飲むうちに・・・
「近江の国に婢(ひ)となった女の話」も、忘れられない話です。
両親が亡くなり、残された女は、夫を養うことができず、別れることにしました。
やがて落ちぶれた女は、ある男に見初められて、近江の国に連れて行かれました。
数年後、そこに赴任した新しい国の守とは・・・本書の中で最も泣ける話でした。
さて、ちくま文庫版「今昔物語」は、全体の2割弱の155話を採録しています。
最初はこのくらいがちょうどいいと思っていましたが、今ではもの足りないです。
その最大の理由は、源博雅と蝉丸の伝説が、ここには収録されていないからです。
いつか時間がたっぷりできたなら、講談社学術文庫版の全2巻に挑戦したいです。
さいごに。(10連休に旅行?どこの国の話?)
毎年ゴールデンウィークの最後の3日間には、大事な出張が入っています。
その準備をするため、ゴールデンウィークは、ほとんど休むことができません。
すでに10日間のうち9日間が仕事で、唯一の4/29の休みを必死で死守しています。
巷では「10連休に旅行」とか言ってますが・・・
怪異譚、滑稽譚、人情譚等、あらゆる話を収録した、平安末期成立の説話集です。
私は、本朝篇から155話を抄録したちくま文庫版で読みました。訳者は福永武彦。
ちくま文庫「今昔物語」後半は、滑稽・悪行・人情・奇譚・仏法・・・と続きます。
特に悪行は本書のクライマックスで、どこかで聞いたことのある話も多いです。
「谷底に落ちても平茸(ひらたけ)を取る話」 「鼻を持ち上げて朝粥を食う話」
「異端の術で瓜を盗まれる話」 「何者とも知れぬ女盗賊の話」
「羅城門の楼上で死人を見る話」 「大江山の藪の中で起こった話」
「太刀帯(たてわき)の陣で魚を売る女の話」 「近江の国に婢となった女の話」
「信濃の国にあった姥捨山の話」 「死んでも舌が残った僧の話」
「女の執念が凝って蛇となる話」 「京の町で百鬼夜行にあう話」
最も印象に残ったのは、「丹波の守が胎児の生き胆(ぎも)を取る話」です。
平貞盛が丹波の守だったとき、悪い病気に罹ったため、医者に診断させました。
医者が言うには、「これは命にかかわる病で、胎児の生き胆を薬とするしかない」。
貞盛が、子の維衡に言うには、「お前の妻の腹の子を、おれにくれ」。(!)
いくら親子だって、それはないでしょう。で、維衡は災難をどのように防いだのか?
また、そののち医者にふりかかった災難を、維衡はどのように防いだのか?
最も面白かったのは、「平中物語」で有名な「平中が本院の侍従に恋する話」です。
平中は「侍従の君」に恋い焦がれ、彼女の部屋に忍んで行きましたが・・・
痛い目にあった平中が、侍従の君を思いきるために案じた一計とは?
しかし、そのはこの中のう〇こは、何とも言えない良い匂いがして・・・
なお、う〇こネタなら「越前の守為盛が謀をめぐらす話」も面白いです。
6月の暑い日、役人たちが越前の守の屋敷に、量米の取り立てに行きました。
門の中に通されると、そこには塩辛い料理ばかりがたくさん並べられていました。
出された酒は、少し濁って酸っぱかったが、のどの渇きに何杯も飲むうちに・・・
「近江の国に婢(ひ)となった女の話」も、忘れられない話です。
両親が亡くなり、残された女は、夫を養うことができず、別れることにしました。
やがて落ちぶれた女は、ある男に見初められて、近江の国に連れて行かれました。
数年後、そこに赴任した新しい国の守とは・・・本書の中で最も泣ける話でした。
さて、ちくま文庫版「今昔物語」は、全体の2割弱の155話を採録しています。
最初はこのくらいがちょうどいいと思っていましたが、今ではもの足りないです。
その最大の理由は、源博雅と蝉丸の伝説が、ここには収録されていないからです。
いつか時間がたっぷりできたなら、講談社学術文庫版の全2巻に挑戦したいです。
さいごに。(10連休に旅行?どこの国の話?)
毎年ゴールデンウィークの最後の3日間には、大事な出張が入っています。
その準備をするため、ゴールデンウィークは、ほとんど休むことができません。
すでに10日間のうち9日間が仕事で、唯一の4/29の休みを必死で死守しています。
巷では「10連休に旅行」とか言ってますが・・・
コメント 0