せどり男爵数奇譚 [日本の現代文学]
「せどり男爵数奇譚」 梶山季之 (ちくま文庫)
せどりをなりわいとする主人公が、数々の事件に遭遇する連作古書ミステリーです。
100万部雑誌の編集長だった作者が、1974年に連載した作品6編を収めています。
主人公は、その業界で「せどり男爵」と呼ばれる男、笠井菊哉です。
22歳で男爵を世襲し、南順之助老と出会ってから、古書の世界に入り込みました。
菊哉は、田舎の焼き芋屋の店先で、割れた窓ガラスに貼られた和紙を目撃しました。
それはなんと、芸術品として名高い嵯峨本「光悦謡本」の中の1冊のようなのです。
店の老婆が収入役の土蔵からもらったというその古書は、あと78冊残っていました。
それをもらい受けると、残りの22冊を捜し求めて、菊哉の古書漁りが始まりました。
「幻の一冊を手に入れるまでは〇〇を守り抜く」と、最後の1巻を求めて12年・・・
ある未亡人が、その一巻と引き換えに要求したものとは?(以上第一話)
第二話は、永井荷風「ふらんす物語」にまつわる話で、探偵小説ぽくて面白いです。
千鳥家の家宝であるその本の蔵書票には、ある暗号が記されていて・・・
第三話は、新羅王朝時代のコインにまつわる話で、しみじみした味わいがあります。
第四話は、シェイクスピアの初版にまつわる話で、実に腹立たしい。
第五話は、キリシタン版と盗書狂にまつわる話で、最も凝った展開でした。
第六話は、姦淫聖書と装丁家の話で、あと味が悪い。これだけは読みたくなかった。
話の内容はさまざまですが、いずれも本に対する異常な愛情が感じられます。
本好き、特に古書マニアには、たまらない作品集です。
書かれたのは1970年代。活字がまだ魔力を持ち、本がオーラを放っていた時代です。
新聞を跨いだら親に怒鳴られ、本を踏んだら親に張り倒された、古き良き時代です。
さいごに。(基礎英語2)
夕食後に、家族3人でNHKラジオの「基礎英語2」を聴いています。
昔はラジオで聴くしかなかったけど、今はストリーミング再生でいつでも聴けます。
さて、この「基礎英語2」の話がファンタジー小説で、とても面白いのです。
中学1年生の娘には、少し内容が難しいですが、結構楽しく続けています。
せどりをなりわいとする主人公が、数々の事件に遭遇する連作古書ミステリーです。
100万部雑誌の編集長だった作者が、1974年に連載した作品6編を収めています。
主人公は、その業界で「せどり男爵」と呼ばれる男、笠井菊哉です。
22歳で男爵を世襲し、南順之助老と出会ってから、古書の世界に入り込みました。
菊哉は、田舎の焼き芋屋の店先で、割れた窓ガラスに貼られた和紙を目撃しました。
それはなんと、芸術品として名高い嵯峨本「光悦謡本」の中の1冊のようなのです。
店の老婆が収入役の土蔵からもらったというその古書は、あと78冊残っていました。
それをもらい受けると、残りの22冊を捜し求めて、菊哉の古書漁りが始まりました。
「幻の一冊を手に入れるまでは〇〇を守り抜く」と、最後の1巻を求めて12年・・・
ある未亡人が、その一巻と引き換えに要求したものとは?(以上第一話)
第二話は、永井荷風「ふらんす物語」にまつわる話で、探偵小説ぽくて面白いです。
千鳥家の家宝であるその本の蔵書票には、ある暗号が記されていて・・・
第三話は、新羅王朝時代のコインにまつわる話で、しみじみした味わいがあります。
第四話は、シェイクスピアの初版にまつわる話で、実に腹立たしい。
第五話は、キリシタン版と盗書狂にまつわる話で、最も凝った展開でした。
第六話は、姦淫聖書と装丁家の話で、あと味が悪い。これだけは読みたくなかった。
話の内容はさまざまですが、いずれも本に対する異常な愛情が感じられます。
本好き、特に古書マニアには、たまらない作品集です。
書かれたのは1970年代。活字がまだ魔力を持ち、本がオーラを放っていた時代です。
新聞を跨いだら親に怒鳴られ、本を踏んだら親に張り倒された、古き良き時代です。
さいごに。(基礎英語2)
夕食後に、家族3人でNHKラジオの「基礎英語2」を聴いています。
昔はラジオで聴くしかなかったけど、今はストリーミング再生でいつでも聴けます。
さて、この「基礎英語2」の話がファンタジー小説で、とても面白いのです。
中学1年生の娘には、少し内容が難しいですが、結構楽しく続けています。
「中学1年生の娘には、少し内容が難しいですが....」
サンフランシスコの中学1年生は、非常に難しい本を読んでいます...
by サンフランシスコ人 (2019-05-07 07:14)