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アンドロイドは電気羊の夢を見るか? [20世紀アメリカ文学]

 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 フィリップ・K・ディック作
 浅倉久志訳 (ハヤカワ文庫)


 最終世界大戦後の荒廃した世界で、逃亡したアンドロイドを殺す賞金稼ぎの物語です。
 1968年刊行。1982年にヒットした映画「ブレードランナー」の原作として有名です。


アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

  • 作者: フィリップ・K・ディック
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1977/03/01
  • メディア: 文庫



 近未来の最終世界大戦後の世界では、死の灰が舞い、大半の動物が死滅していました。
 地球に見切りをつけた多くの人々は、アンドロイドを伴って火星へ移住していました。

 リック・デッカードは、火星から逃亡してきたアンドロイドを処理する賞金稼ぎです。
 本物の動物はあまりにも高価で手が届かないため、代用として電気羊を飼っています。

 あるとき上官から、逃亡中のアンドロイドを射殺するようにという指令を受けました。
 しかし、そのアンドロイドたちは新型で、人間と見分けることが非常に困難で・・・

 誰がアンドロイドで、誰が人間なのか? アンドロイドと人間の違いは何なのか?
 さまざまな疑問を生じさせながら、物語はスピード感のある展開をします。

 人間のようなアンドロイドがいたり、アンドロイドのような人間がいたり・・・
 さらには、「きみはアンドロイドかね」と、アンドロイドに言われたり・・・

 人間らしさとは何か? そもそも、人間とは、いったい何なのか?
 このような哲学的な問いを含んでいるところに、この作品の普遍的価値があります。

 情調オルガン、共感ボックス、マーサー教、感情移入度検査法・・・
 独特の世界観があり、さまざまな解釈を生じさせるところも、魅力となっています。 

 さて、映画「ブレードランナー」では、原作とは全く違う展開をするのだそうです。
 この名作映画を私は見ていません。主演はハリソン・フォード。ぜひ見なくては!


ブレードランナー クロニクル [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • メディア: Blu-ray



 さいごに。(レ・ミゼラブル)

 中学校の朝読書用として、娘に岩波少年文庫の「レ・ミゼラブル」を勧めました。
 この本が、まず最初に読んでほしい世界の名作です。

 しかし、朝のわずかな時間では、なかなかページが進まないのだそうです。
 すでに2週間ほどたつのに、まだミリエル司教に出会った場面だと言っています。


レ・ミゼラブル〈上〉 (岩波少年文庫)

レ・ミゼラブル〈上〉 (岩波少年文庫)

  • 作者: ヴィクトル ユーゴー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/01/18
  • メディア: 単行本



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