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ドン・キホーテ3 [17世紀文学]

 「ドン・キホーテ(前篇三)」 セルバンテス作 牛島信明訳 (岩波文庫)


 自分を偉大な騎士だと妄想するドン・キホーテと、従者サンチョの冒険の物語です。
 四百年も昔に書かれ、今なお読み継がれている、スペイン文学の傑作中の傑作です。

 岩波文庫から全六冊で出ています。分かりやすくて、とても味わいのある名訳です。
 前篇最後となる「前篇(三)」には、第35章から第52章までが収められています。


ドン・キホーテ〈前篇3〉 (岩波文庫)

ドン・キホーテ〈前篇3〉 (岩波文庫)

  • 作者: セルバンテス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/02/16
  • メディア: 文庫



 ミコミコーナ姫を救うため、巨人を倒しに行くのだと思い込んだドン・キホーテ。
 夢の中で巨人と戦い、寝ぼけて酒の革袋を、巨人の頭だと思って切りつけました。

 ドン・キホーテには、部屋中にこぼれた赤ワインが、巨人の血に見えていました。
 サンチョに間違いを指摘されると、ドン・キホーテは平然とこう言ってのけます。

 「いったい何をほざいておるのじゃ、愚か者。お前、気はたしかなのか? ここ
 で起こることはすべて魔法のなせる業であると、わしはお前に言ったであろう。」 

 ドン・キホーテの妄想はますますひどくなり、馬鹿げたことを自信満々行います。
 読者もしだいに、ドン・キホーテの方が正しいのではないかと錯覚していきます。

 さて、第3巻に入ってすぐに、ガルデニオとドロテーアの物語は一段落しました。
 ところが、捕虜とソライダの物語、ドン・ルイスとクラーラの物語が始まります。

 作品では、騎士物語が四方八方にやたらと手足を伸ばしていると批判しています。
 「ドン・キホーテ」が同じ特徴を持つのは、騎士物語のパロディだからでしょう。

 第51章の山羊飼いとレアンドラの作中作は、明らかに蛇足ですよ。
 この手のお話には、もうお腹いっぱいです。

 やはり、ドン・キホーテの活躍を、もっともっと読みたいです。
 御婦人を救おうと、ドン・キホーテが向かったのは、マリア像を抱えた一行で・・・

 ところで、前篇のラストでは、その後の物語の予告的な話が挿入されています。
 後編も気になります。続けて読みたいです。

 さいごに。(中一はたいへん)

 小学校から中学校へ、生活は大きく変わるため、中一はたいへんだと言われます。
 朝練があり、放課後の部活があり、塾があり、宿題があり、娘も苦労しています。

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