SSブログ

男のたしなみ・男のこだわり(板坂元) [読書・ライフスタイル]

 「男のたしなみ」「男のこだわり」板坂元(PHP文庫)


 男の服装術やマナーについて、お洒落の達人がこだわりを持って語ったエッセイです。
 どちらも1990年代の私の愛読書でしたが、著者は2004年に亡くなり現在は絶版です。


男のたしなみ (PHP文庫)

男のたしなみ (PHP文庫)

  • 作者: 板坂 元
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2002/10/01
  • メディア: 文庫



男のこだわり (PHP文庫)

男のこだわり (PHP文庫)

  • 作者: 板坂 元
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 1999/07
  • メディア: 文庫



 30歳でようやくお洒落に目覚め始めた私にとって、板坂元は絶対的なメンターでした。
 90年代後半にPHP文庫から数多く出ていた著書は、片っぱしから読んでいました。

 その中でもバイブルとなっていたのが、以前紹介した「男の作法」です。
 この本は、マナーの心、服装、会話、食事など、作法の神髄が幅広く書かれています。
 「男の作法」→ https://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2018-04-19

 「男の作法」と並んで愛読したのが、「男のたしなみ」と「男のこだわり」です。
 勝手ながら私は、この三作を「板坂元の『男』三部作」と呼んでいます。

 特に「男のたしなみ」は、「男の作法」の続編のような位置付けだと思います。
 「男の作法」で語りきれなかったことを、後年改めて語り尽くしたという感じです。

 「男のたしなみ」の章立ては、「男の服飾」「男の意気」「男の逸品」の三章です。
 当時の帯の言葉は、「お洒落に無関心でいるなんて、そんな生き方は恥ずかしい」。

 「けっきょく、抑制の利いたお洒落の中に、いぶし銀のようにキラリと光るダンディ
 ズムが、お洒落の妙諦ということになるだろう。」(「まえがき」より)

 氏の文もまた、抑制の利いた中で、いぶし銀のようにキラリと光るものがあります。
 クスリと笑えるユーモアや、おやと驚く薀蓄が、さりげなくちりばめられています。

 「昔の帝国陸軍の『被服手入保存法』に『睾丸は左方に容るるを可とす』という文
 があった。つまり、ズボンを着用するとき、いわゆる『左マラ』になるようにと教
 えていたわけだ。」(P56)

 「男のこだわり」は元「男の悦楽」で、気の向くままに含蓄を傾けています。
 アンティーク、カクテル、文豪たち、伝統、読書、人間関係、心理、女・・・

 「ロンドンのソーホー地区にウィンドウ・ミル(風車小屋)というストリップ劇場
 があったが、その看板に『私たちは戦争中に一度も閉館しませんでした』と書いて
 あった。」(P120)

 こういった一見どうでもいいことが、板坂元の筆になると、実に味わい深いのです。
 ちなみに板坂元は、上記の文章で、ロンドンっ子の心意気を讃えていました。

 さいごに。(またコケた)

 娘は、自転車でコケたときの傷が、ようやく治ってきたので、練習に入りました。
 ところが、ミニハードルをやっていたとき、つまづいてまたコケたのだそうです。

 先輩に、保健室に連れて行ってもらい、先生に傷の手当をしてもらいました。
 陸上部で「どんくさい子」というイメージができているのではないかと心配です。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。