トロッコ(芥川龍之介) [日本の近代文学]
「トロッコ・一塊の土」 芥川龍之介 (角川文庫)
タイトル作など、大正11年と12年に書かれた、転換点を示す21作を収録しています。
角川文庫は天野喜孝の妖艶なカバーでしたが、現在はてぬぐい柄のカバーです。
「報恩記」は、盗人が恩に報いるところから始まる、3人の因縁の物語です。
盗人、北条屋の主人、北条屋の息子と、3人それぞれの視点で語られています。
北条屋の主人は、かつて命を助けた甚内という盗人に、急場を救われました。
2年後、甚内が捕縛されさらし首になったと聞いて見に行くと、その首は・・・
「仙人」は、芥川の遊び心が感じられる、ちょっと愉快な作品です。
木末に登った奉公人が、右手を放して左手を放すと、いったいどうなるのか?
「六の宮の姫君」の原典は「今昔物語」で、王朝物語最後の傑作と言われています。
9年目にようやく京に帰った男が、姫君の住居を訪ねてみると・・・哀切な話です。
「雛」もまた哀切な物語です。こういう作品を書かせると、芥川は抜群にうまい。
大切な雛人形を、明日はアメリカ人に渡すという日の夜、娘が見た光景は・・・
「一塊の土」は、芥川の転機を明らかにする農民小説だと言われています。
働き者の嫁と一緒に、働き続けた老婆が、やっと一息つけたのはいつか?
と、五作ほど紹介してきましたが、この本で最も有名なのは「トロッコ」でしょう。
トロッコに憧れていた良平は、土工たちと一緒にトロッコを押し始めましたが・・・
内容は、紹介するまでもありません。小学校の国語の教科書に載っていました。
ただし正直に言って、当時も今もこの作品の良さが、私にはよく分かりません。
トロッコを押して行って、帰って来た、心細くなって泣いた、というだけでしょう。
結末部だってそれほどうまいと思えません。「だから、何?」と言いたくなります。
この本には、ほか15作を収録していますが、あまり見るべきものはありません。
大正11年前後の芥川は、体調を崩しがちだったから、傑作が少ないのでしょうか。
さいごに。(娘は「蝦夷」と書ける)
中学生になって、国語の授業以上に、日本史で漢字を書くようになったようです。
「蝦夷」「平等院鳳凰堂」「遷都」などなど。特に「蝦夷」にはびっくりです。
タイトル作など、大正11年と12年に書かれた、転換点を示す21作を収録しています。
角川文庫は天野喜孝の妖艶なカバーでしたが、現在はてぬぐい柄のカバーです。
「報恩記」は、盗人が恩に報いるところから始まる、3人の因縁の物語です。
盗人、北条屋の主人、北条屋の息子と、3人それぞれの視点で語られています。
北条屋の主人は、かつて命を助けた甚内という盗人に、急場を救われました。
2年後、甚内が捕縛されさらし首になったと聞いて見に行くと、その首は・・・
「仙人」は、芥川の遊び心が感じられる、ちょっと愉快な作品です。
木末に登った奉公人が、右手を放して左手を放すと、いったいどうなるのか?
「六の宮の姫君」の原典は「今昔物語」で、王朝物語最後の傑作と言われています。
9年目にようやく京に帰った男が、姫君の住居を訪ねてみると・・・哀切な話です。
「雛」もまた哀切な物語です。こういう作品を書かせると、芥川は抜群にうまい。
大切な雛人形を、明日はアメリカ人に渡すという日の夜、娘が見た光景は・・・
「一塊の土」は、芥川の転機を明らかにする農民小説だと言われています。
働き者の嫁と一緒に、働き続けた老婆が、やっと一息つけたのはいつか?
と、五作ほど紹介してきましたが、この本で最も有名なのは「トロッコ」でしょう。
トロッコに憧れていた良平は、土工たちと一緒にトロッコを押し始めましたが・・・
内容は、紹介するまでもありません。小学校の国語の教科書に載っていました。
ただし正直に言って、当時も今もこの作品の良さが、私にはよく分かりません。
トロッコを押して行って、帰って来た、心細くなって泣いた、というだけでしょう。
結末部だってそれほどうまいと思えません。「だから、何?」と言いたくなります。
この本には、ほか15作を収録していますが、あまり見るべきものはありません。
大正11年前後の芥川は、体調を崩しがちだったから、傑作が少ないのでしょうか。
さいごに。(娘は「蝦夷」と書ける)
中学生になって、国語の授業以上に、日本史で漢字を書くようになったようです。
「蝦夷」「平等院鳳凰堂」「遷都」などなど。特に「蝦夷」にはびっくりです。
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