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ドン・キホーテ5 [17世紀文学]

 「ドン・キホーテ(後篇二)」 セルバンテス作 牛島信明訳 (岩波文庫)


 自分を偉大な騎士だと妄想するドン・キホーテと、従者サンチョの物語の後篇です。
 岩波文庫版の「後篇(二)」には、第25章から第49章までが収められています。


ドン・キホーテ〈後篇2〉 (岩波文庫)

ドン・キホーテ〈後篇2〉 (岩波文庫)

  • 作者: セルバンテス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/03/16
  • メディア: 文庫



 人形劇での騎士物語を現実の出来事だと思い込んで、人形たちをめった切りにしたり、
 川につながれた舟を魔法の船だと思い込んで、勝手に乗り込んで沈没させたり・・・

 この巻に入っても、ドン・キホーテとサンチョのコンビは絶好調です。
 特に、森の中で侯爵夫妻と出会ってからの顛末は、後篇のクライマックスでしょう。

 侯爵夫妻は、ドン・キホーテの物語を読んでいて、彼ら主従のことを熟知しています。
 城では二人を大歓迎すると見せかけ、侯爵夫人はこの主従を愚弄して楽しみ・・・

 ドルシネアのかけられた魔法を解くために、サンチョは何をしなければならないか?
 ひげ面の老女たちのかけられた魔法を解くために、主従はどんな冒険に出たか?

 さらに彼らを笑いものにするため、侯爵夫妻はサンチョを島の領主にしますが・・・
 公爵の悪趣味が最も現われた場面であり、サンチョの最大の見せ場でもあります。

 サンチョは、いかにして老人の杖のトリックを見破ったか?
 サンチョは、いかにして告訴人である女の狂言を見破ったか? 

 自分が愚弄されていることに気付かないサンチョは、愚かな人間だでしょうか?
 いや、自分たちの俗悪さに気付かない侯爵夫妻こそ、本当に愚かな人間ですよ。

 さて、ドン・キホーテの言葉には、相変わらず真実と愛情がこもっています。
 彼はサンチョが領主として旅立つ際、次のような言葉で徳義の大切さを伝えました。

 「血は代々受け継がれるものだが、徳は個人がみずから獲得するものであってみれ
 ば、徳はそれ自体において、血統のもちえない価値を秘めているのじゃ。」(P291)

 次はいよいよ最終巻の後篇(三)です。
 いったいどのような形で、彼らの遍歴は終わるのでしょうか。楽しみです。

 さいごに。(録画用の容量不足)

 大型音楽番組があると、うちの女衆は、5~6時間をまるごと録画しています。
 その中で彼女らが見るのは、ジャニーズが出てくる20~30分だけなのですが。

 録画するための容量がどんどん少なくなってきたので、私に協力を求めてきました。
 「パパの『超ムーの世界R』を消して」と。・・・「おまえらの音楽番組を消せ!」

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