デューン 砂の惑星1 [20世紀アメリカ文学]
「デューン 砂の惑星(上)」フランク・ハーバート作 酒井昭伸訳(ハヤカワ文庫)
砂の惑星アラキスに移ったアトレイデス家と、ハルコンネン家との闘いの物語です。
1965年刊。のちにシリーズ化しました。今回は上巻「第一部 砂の惑星」の紹介です。
ポールは、ベネ・ゲセリット(教団)である母から、特別な教育を授けられました。
15歳の時に教母による試練に耐えて、特別な存在ではないかと期待されています。
父アトレイデス公爵は、皇帝の命令で、砂の惑星アラキスに移ることとなりました。
そこは乾燥して砂漠が広がる荒涼とした地で、貴重な香料メラジンの産地でした。
前の支配者は宿敵ハルコンネン男爵で、メラジンの利権で私腹を肥やしていました。
アラキスを手放す気のない男爵は、公爵を破滅させるため巧妙な罠を仕掛けました。
危険を承知しながらも、アトレイデス公爵家の一族は、砂の惑星に乗り込みました。
メンタート(演算能力者)のハワトは、あらゆる危険を計算に入れ防備に努めます。
屋敷の中でポールの命が狙われ、内部に裏切り者がいることが確実となりました。
怪しいのは医師のユエですが、彼は裏切ることができない条件付けがされています。
敵の策略もあって、ハワトはポールの母であるジェシカを疑うようになり・・・
そしてある夜中、シールドが解除されると、あっという間に館は制圧されて・・・
医師ユエは敵を殺めるため、アトレイデス公爵にどのような仕掛けを施したか?
ポールと母ジェシカは、どのようにして生き延びることができたのか?
とにかく面白いです。これまで読まなかったことが悔やまれます。
この作品は、「20世紀アメリカ文学のベスト40」に入れるべきでした!
それぞれの章の前に、「ムアッディブを知る」など後世の著作の引用があります。
その内容がネタバレなので、読者には次の展開が嫌でも分かるようになっています。
たとえば、ポールはのちにムアッディブと呼ばれる歴史的な人物となっています。
だからポールが生き残ることが分かっているので、安心して読み進められます。
そういう意味で、これはSF小説よりも、歴史小説に似ているかもしれません。
生き残るかどうかよりも、いかにして生き残るのかが、興味深く語られています。
私にとってもっとも興味深かったのは、この小説の世界です。
時代は遠い未来ですが、人類は一度、AIとの全面戦争をしていたのです。
AIに勝るため、ベネ・ゲセリットは精神性を高める訓練を何世紀も積みました。
そして、ポール・アトレイデスが、待ち望んでいた特別な存在ではないかと・・・
「ぼくには先々を見通す力がある。常人には見えない地平が見える。起こりうる未
来への、さまざまな道程が見える」(P464)
この上巻が、映画のパート1とほぼ重なるようです。
そして中巻は、ポールの修行時代。いったいどうなるか? 次も楽しみです。
さいごに。(映画も見てみたい)
2年前に「デューン 砂の惑星」が上映されたときは、スルーしていました。
しかし、今回その予告編を見て、絶対見てみたいと思いました。レンタルで。
なんと、続編もすでに作られているのですね。
ぜひ見たいです。今度はぜひ映画館で。
砂の惑星アラキスに移ったアトレイデス家と、ハルコンネン家との闘いの物語です。
1965年刊。のちにシリーズ化しました。今回は上巻「第一部 砂の惑星」の紹介です。
ポールは、ベネ・ゲセリット(教団)である母から、特別な教育を授けられました。
15歳の時に教母による試練に耐えて、特別な存在ではないかと期待されています。
父アトレイデス公爵は、皇帝の命令で、砂の惑星アラキスに移ることとなりました。
そこは乾燥して砂漠が広がる荒涼とした地で、貴重な香料メラジンの産地でした。
前の支配者は宿敵ハルコンネン男爵で、メラジンの利権で私腹を肥やしていました。
アラキスを手放す気のない男爵は、公爵を破滅させるため巧妙な罠を仕掛けました。
危険を承知しながらも、アトレイデス公爵家の一族は、砂の惑星に乗り込みました。
メンタート(演算能力者)のハワトは、あらゆる危険を計算に入れ防備に努めます。
屋敷の中でポールの命が狙われ、内部に裏切り者がいることが確実となりました。
怪しいのは医師のユエですが、彼は裏切ることができない条件付けがされています。
敵の策略もあって、ハワトはポールの母であるジェシカを疑うようになり・・・
そしてある夜中、シールドが解除されると、あっという間に館は制圧されて・・・
医師ユエは敵を殺めるため、アトレイデス公爵にどのような仕掛けを施したか?
ポールと母ジェシカは、どのようにして生き延びることができたのか?
とにかく面白いです。これまで読まなかったことが悔やまれます。
この作品は、「20世紀アメリカ文学のベスト40」に入れるべきでした!
それぞれの章の前に、「ムアッディブを知る」など後世の著作の引用があります。
その内容がネタバレなので、読者には次の展開が嫌でも分かるようになっています。
たとえば、ポールはのちにムアッディブと呼ばれる歴史的な人物となっています。
だからポールが生き残ることが分かっているので、安心して読み進められます。
そういう意味で、これはSF小説よりも、歴史小説に似ているかもしれません。
生き残るかどうかよりも、いかにして生き残るのかが、興味深く語られています。
私にとってもっとも興味深かったのは、この小説の世界です。
時代は遠い未来ですが、人類は一度、AIとの全面戦争をしていたのです。
AIに勝るため、ベネ・ゲセリットは精神性を高める訓練を何世紀も積みました。
そして、ポール・アトレイデスが、待ち望んでいた特別な存在ではないかと・・・
「ぼくには先々を見通す力がある。常人には見えない地平が見える。起こりうる未
来への、さまざまな道程が見える」(P464)
この上巻が、映画のパート1とほぼ重なるようです。
そして中巻は、ポールの修行時代。いったいどうなるか? 次も楽しみです。
さいごに。(映画も見てみたい)
2年前に「デューン 砂の惑星」が上映されたときは、スルーしていました。
しかし、今回その予告編を見て、絶対見てみたいと思いました。レンタルで。
なんと、続編もすでに作られているのですね。
ぜひ見たいです。今度はぜひ映画館で。
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