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万能鑑定士Qの事件簿Ⅸ [日本の現代文学]

 「万能鑑定士Qの事件簿 Ⅸ」 松岡圭祐 (角川文庫)


 「モナ・リザ」展の学芸員に採用された凜田莉子が、事件に巻き込まれる物語です。
 2011年刊行のシリーズ第9弾です。綾瀬はるか主演で映画化された人気作です。


万能鑑定士Qの事件簿 IX 「万能鑑定士Q」シリーズ (角川文庫)

万能鑑定士Qの事件簿 IX 「万能鑑定士Q」シリーズ (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2012/09/01
  • メディア: Kindle版



 その年の6月、40年ぶりに「モナ・リザ」が日本で展示されることになりました。
 テストをパスしてスタッフになれたのは、莉子と流泉寺里桜(りさ)だけでした。

 2人には「モナ・リザ」の鑑定のために、ブレ先生による特別講義が行われました。
 莉子と里桜はめきめきと腕を上げ、直感的に真贋が見分けられるようになりました。

 そんな折2人は、「モナ・リザの瞳の文字で脳機能低下」という記事を目にします。
 瞳の中にある文字を研究している者に限って、識別の能力が低下したというのです。

 とうとう莉子と里桜は、その鑑定の力が認められ、念願の臨時学芸員となりました。
 莉子は改めて「モナ・リザ」の瞳を観察して、そこにLとVの文字を見出しました。

 ところがその日を境に、なぜか莉子の鑑定の力が著しく低下してしまい・・・
 莉子に何があったのか? それは、「モナ・リザ」の瞳の文字のせいなのか?

 同じころ、「週刊角川」の記者の小笠原は、公爵家をかたる一家に騙されて・・・
 これは誰が仕組んだ陰謀か? いったい目的な何なのか?

 莉子を心配した小笠原は、やがてあるトリックに気づいて・・・
 小笠原の巻き込まれた事件と、莉子の身におこったことが、しだいにつながり・・・

 この巻もめちゃくちゃ面白かったです。ただし、読んでいるときは少し不安でした。
 というのも、半分以上(P156まで)読んでも、何の事件も起こらなかったからです。

 この時点で、莉子と里桜は最終試験をパスし、晴れて臨時学芸員になったのでした。
 ああ、これではただのサクセスストーリーではありませんか。

 と思っていたら、このときすでに莉子は(そして私も)、罠にかかっていたのです。
 あとから、ここまでの莉子の体験の、本当の意味が分かって背筋がぞっとしました。

 さて余談ですが、私には次の問いの答えが、なかなか分かりませんでした。
 論理的な思考力がずいぶん低下してきています。年が年だからでしょうか。

 「ゴッホの『ひまわり』が偽物だったとき、ムンクの『叫び』は本物。では『叫び』
 が偽物だったとき、『ひまわり』は?」(P230)

 「万能鑑定士Q」シリーズは、とても評判が良いので、コミックにもなっています。
 先日1~2巻を読みましたが、小説の方が断然面白いです。漫画にする意味あった?


万能鑑定士Qの事件簿 I (角川コミックス・エース)

万能鑑定士Qの事件簿 I (角川コミックス・エース)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2013/09/05
  • メディア: Kindle版



 さいごに。(ああ、恥ずかしや)

 WAONポイントがたまったので、スマホにアプリを入れてWAONを使えるようにした。
 支払いのとき「ワオーン」とバカバカしい音が! こんなアプリ、もう使えませんよ。

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