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山椒魚戦争 [20世紀その他文学]

 「山椒魚(さんしょううお)戦争」 チャペック作 栗栖継訳 (岩波文庫)


 二本足で歩く山椒魚を、奴隷化した人類が、かえって山椒魚に追い詰められる物語です。
 チャペックはチェコのSF作家。「ロボット」という語を生み出したことで有名です。

 現在、岩波文庫やハヤカワ文庫などで読むことができます。
 岩波文庫版が最新のものらしいので、私は岩波文庫版で読みました。
 訳は分かりやすかったです。訳注や解説などが80ページほどあり。(読まないって)


山椒魚戦争 (岩波文庫)

山椒魚戦争 (岩波文庫)

  • 作者: カレル チャペック
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2003/06/13
  • メディア: 文庫



 「魔の入り江」と呼ばれた場所には、魔物がいると言われていました。
 その魔物とは、二本足で歩き、知能を持つ山椒魚でした。

 人類は、山椒魚たちを手なずけて、言葉を教え、彼らを利用するようになりました。
 やがて山椒魚たちは、捕獲され、奴隷化され、売買されるようになります。

 人類の欲望は、とどまるところを知らず…
 そして、山椒魚たちはどんどん繁殖して、やがて反乱を起こし…

 私は、1か月以上をかけて読んできた「戦争と平和」の印象が、あまりにも強烈だったため、
 今は何を読んでも刺激を受けないと思っていましたが、予想以上に刺激的な作品でした。

 作者がはしがきで書いているとおり、構成が普通ではありません。
 物語のほか、新聞記事や議事録やそのコメントや旅行記やらが、ごちゃ混ぜ状態です。

 特に「第二部 文明の階段を登る」は、読んでいて頭がクラクラしてきました。
 (正直に言うと、ちょっと読み飛ばしちゃいました。)

 最後は気になる終わり方をしています。
 読み終わったあと、山椒魚が不気味な生き物に見えてきます。

 さて、作者チャペックは、なんといっても戯曲「ロボット」で有名です。
 この作品と同じく、人類が、利用していたものに、逆に追い詰められるという展開です。


ロボット (岩波文庫)

ロボット (岩波文庫)

  • 作者: カレル・チャペック
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2003/03/14
  • メディア: 文庫



 さいごに。(サンチェスに感動)

 オリンピックは、毎日録画で楽しんでいます。
 400mハードルでは、35歳のサンチェスが、まさかの(失礼)金メダル!
 終盤に、年齢を感じさせない、驚異の粘りを見せて、見事に競り勝ちました。

 彼は、ここ数年は低迷していたため、「過去の人」だと思っていました。
 準決勝でいい走りをしたけど、だからこそ決勝では余力が無いと思っていました。
 ゴールしたあと、彼は思わず吠えていましたが、気持ちが分かります。感動した!

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