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日本辺境論 [その他・雑感]

 「日本辺境論」 内田樹 (新潮新書)


 「辺境」をキーワードとして論じた日本人論です。
 2010年のベストセラーで、新書大賞第一位の作品です。


日本辺境論 (新潮新書)

日本辺境論 (新潮新書)

  • 作者: 内田 樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/11
  • メディア: 新書



 3世紀に邪馬台国女王の卑弥呼が、「親魏倭王」の称号を受けました。
 中華皇帝に朝貢する辺境国であることを、進んで認めたのです。
 この時から日本人は、すでに辺境人でした。

 では、辺境人とは何か?
 それは、自分たちの外部のどこかに、絶対的な価値体系を想定して、
 そこからの距離意識によって、思考と行動が決められる人間のことです。

 日本人は、いつも世界の中心を気にして生きている民族なのです。
 ここから、さまざまなことが説明できます。

 例えば、なぜ日本人は、いつもきょろきょろしているのか?
 なぜ日本人は、すぐに世界標準と比較したがるのか?
 なぜ日本人は、自分たちの悪口ばかりを言うのか?…

 読んでいて、驚きの連続です。
 最初は、「え? そんなことないだろ!」と思うのですが、
 いつのまにか、「なるほどね」と納得してしまっています。

 特に印象に残ったのは、師弟関係と学びについて論じたⅡ章です。
 今何を学んでいるのか分からない、そういう状態が効果的だと言います。
 「え?」と思ってしまいますが、読んでいるうちに、「なるほど!」。

 さて、筆者の内田樹氏は、神戸女学院大学を退職して、現在は名誉教授。
 合気道六段の達人で、今後は主に、武道家として活動するとのこと。
 8月に参加した講演会では、「最終講演会のつもりだ」と言ってました。

 講演でも、「え?」→「なるほど!」の連続。
 話の切り口の鋭さは、さすが武道家でした。
 内田樹のブログhttp://blog.tatsuru.com/

 そういえば、「読書は身体的行為だ」とも言ってました。
 少年時代に、サンドの「愛の妖精」を通して、女に同化したとのこと。
 だから、内田氏は現在、少女マンガを抵抗無く読めるのだそうです。

 さいごに。

 世界陸上があって、毎日楽しいです。録画して見ています。
 男子400m決勝はすごかった! ボルトの100mは残念。200mに期待。
 室伏はさすが、貫禄の金。女子短距離の福島もがんばっています。

 驚いたことは、ユニフォームを、アウトにして着ている選手が多いこと。
 これが、現在の世界標準なのでしょうか。

 日本のレースで、アウトにしていると、審判に注意されて直されます。
 すそがひらひらすると、腰ゼッケンが隠れて、写真判定ができなくなるからです。
 だから皆、ユニフォームはインですが、今後少しずつ変わって行くのでしょう。

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