SSブログ

トーニオ・クレーガー [20世紀ドイツ文学]

 「トーニオ・クレーガー」 トーマス・マン作 平野卿子訳 (河出文庫)


 作家となった文学青年トーニオの、半生を描いた青春小説です。
 自伝的な要素が大きく、短編ながら重要な作品です。

 さまざまな訳がありますが、私が選んだのは河出文庫の平野訳です。
 自然で分かりやすい文章でした。挿絵が豊富で、見ていて楽しいです。


トーニオ・クレーガー 他一篇 (河出文庫)

トーニオ・クレーガー 他一篇 (河出文庫)

  • 作者: トーマス・マン
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2011/01/06
  • メディア: 文庫



 新潮版や岩波版も捨てがたいです。言葉使いは古いですが、美しい訳です。
 新潮版は「ヴェニスに死す」とナイスなカップリング。表紙もナイスです。


トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す (新潮文庫)

トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す (新潮文庫)

  • 作者: トーマス マン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1967/09/27
  • メディア: 文庫



トニオ・クレエゲル (岩波文庫)

トニオ・クレエゲル (岩波文庫)

  • 作者: トオマス・マン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2003/09/18
  • メディア: 文庫



 少年トーニオは、美少年ハンスに憧れたり、金髪のインゲに恋したりします。
 しかし、どちらにも自分の気持ちをうまく告げられず、孤独を味わいました。 

 成人して作家となったトーニオは、13年ぶりに故郷に戻ります。
 そして、旅先でトーニオの見たのは・・・

 人気のある小説です。主人公トーニオは、作家トーマスと重なります。
 それゆえ、短編ながら作者を知る上で重要な作品です。

 併録の「マーリオと魔術師」は、ナチス批判と考えられている短編です。
 人心を操る魔術師チポッラが、ヒトラーのイメージと重なります。

 休暇で訪れたトッレの街、家族4人で入った魔術師チポッラの公演。
 繰り広げられる数々の奇術。そして、観客が最後に見たのは・・・

 読んでいて、ぐいぐい引き込まれます。
 正直に言って、「トーニオ」よりはるかに面白かったです。

 さて、次はいよいよ「ブッデンブローク家の人々」に挑戦です。
 マンの傑作長編で、ノーベル文学賞受賞の理由となった作品です。

 さいごに。(うんこしりとり)

 「うんこしりとり」は、娘が書店で見て大喜びした絵本です。
 ユーチューブには、うんこしりとりの歌がありました。



nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。