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訴訟 [20世紀ドイツ文学]

 「訴訟」 カフカ作 丘沢静也訳 (古典新訳文庫)


 突然逮捕され、理由が分からないまま裁かれる、銀行員ヨーゼフ・Kの物語です。
 カフカの死後に公刊された、未完の傑作です。

 岩波文庫や新潮文庫からは、「審判」というタイトルで出ていました。


審判 (岩波文庫)

審判 (岩波文庫)

  • 作者: カフカ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1966/05/16
  • メディア: 文庫



審判 (新潮文庫)

審判 (新潮文庫)

  • 作者: フランツ・カフカ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1971/07
  • メディア: 文庫



 私が読んだ古典新訳文庫は、「訴訟」というタイトルです。
 訳者は「テルレス」と同じ丘沢氏。軽快で、とても分かりやすい訳です。


訴訟 (光文社古典新訳文庫)

訴訟 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: フランツ カフカ
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/10/08
  • メディア: 文庫



 ある朝、銀行員のヨーゼフ・Kの部屋に、男たちがやってきて彼を逮捕しました。
 誰が訴えたのか? どんな罪なのか? Kには全く知らされません。

 この日から、Kの二重生活が始まります。
 普段は優秀な銀行員ですが、やっかいな訴訟に巻き込まれた被告でもあります。

 まるで、日常世界に突然ぽっかりあいた穴。
 わけが分からないうちに、穴の中に引きずりこまれ、からめとられていくK・・・

 不気味で深刻な物語が、まるで冗談のように、軽快なリズムに乗って進行します。
 悲劇的な物語が、喜劇的に展開します。

 訳者解説によると、この結末は、Kの夢だったという解釈があるとか。
 なるほど。全てはKが見た幻覚であってほしい。

 例によって、いろいろと考えさせられました。
 ラスト近くで、「掟の門」が挿入されているところもまた、意味深です。

 それにしても、カフカの41歳の死は早すぎました。あまりにも惜しい。
 そして、この小説が未完に終わったことも、実に実に惜しい。

 カフカには、ほかに「城」という長編もありますが、こちらも未完。


城 (新潮文庫)

城 (新潮文庫)

  • 作者: フランツ・カフカ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1971/05/04
  • メディア: 文庫



 ということで、やはり、カフカといえば、「変身」でしょうか。
 「変身」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-06-29

 さいごに。(バレエの発表会)

 昨日の日曜日は、娘のバレエの発表会でした。
 出番はわずか2~3分ですが、この日のためにずっとがんばってきました。

 娘は、とても緊張していて、まじめで真剣でした。
 何でも一生懸命にやっている姿は、見ていて気持ちがいいものです。

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