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蝶々と戦車 [20世紀アメリカ文学]

 「蝶々と戦車」 ヘミングウェイ作 高見浩訳 (新潮文庫)


 人気作家としての地位を確立した後の、スペイン時代とキューバ時代の短編です。
 中でも「蝶々と戦車」は、スペイン内戦に材をとった名短編です。

 新潮文庫から、「ヘミングウェイ全短編」が三分冊で出ています。
 訳は高見浩。すばらしい訳です。もちろん私の本棚には、3冊並べてあります。


われらの時代・男だけの世界 (新潮文庫―ヘミングウェイ全短編)

われらの時代・男だけの世界 (新潮文庫―ヘミングウェイ全短編)

  • 作者: アーネスト ヘミングウェイ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1995/10/01
  • メディア: 文庫



勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪―ヘミングウェイ全短編〈2〉 (新潮文庫)

勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪―ヘミングウェイ全短編〈2〉 (新潮文庫)

  • 作者: アーネスト ヘミングウェイ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1996/06/28
  • メディア: 文庫



蝶々と戦車・何を見ても何かを思いだす―ヘミングウェイ全短編〈3〉 (新潮文庫)

蝶々と戦車・何を見ても何かを思いだす―ヘミングウェイ全短編〈3〉 (新潮文庫)

  • 作者: アーネスト ヘミングウェイ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1997/03/27
  • メディア: 文庫



 「蝶々と戦車」は、わずか20ページ足らずですが、ヘミングウェイらしい名作です。 
 スペイン内戦下のマドリードの、ある店で起こった事件です。

 ある男が、水鉄砲を手にして、陽気にはしゃぎながら入ってきました。
 そして、ほんの冗談のつもりが・・・なんとも、やりきれない話です。

 ほかに、面白かったのは、ラストの「異郷」です。
 中年作家のロジャーと、若く美しいヘレーナとの、切ないラブストーリーです。

 無邪気に愛を求めるヘレーナ。その愛に、微妙に嘘を混ぜるロジャー。
 ヘレーナが求めれば求めるほど、二人の愛は終焉に向かい・・・

 この作品で特に興味深いのは、結末で語られる「スーツケース盗難事件」です。
 これは、1922年のパリで、ヘミングウェインが実際に体験したことです。

 当時、青年ヘミングウェイは、書き溜めた原稿を失い、ショックを受けました。
 その有名な事件をもとに、次のような本も出ています。(惜しくも品切れ!)


ヘミングウェイのスーツケース (新潮文庫)

ヘミングウェイのスーツケース (新潮文庫)

  • 作者: マクドナルド ハリス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 文庫



 上記の本は品切れでしたが、最近こんな本が出ていました。
 ちょっと気になります。


お洒落名人 ヘミングウェイの流儀 (新潮文庫)

お洒落名人 ヘミングウェイの流儀 (新潮文庫)

  • 作者: 今村 楯夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/09/28
  • メディア: 文庫



 さいごに。(川原でBBQ)

 GW恒例、妻の親戚一同のBBQ大会。
 娘は、食べるのそっちのけで、いとこの女の子と、川遊びばかりしていました。

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