ナイン・ストーリーズ [20世紀アメリカ文学]
「ナイン・ストーリーズ」 サリンジャー作 柴田元幸訳 (ヴィレッジブックス)
「バナナフィッシュ日和」など、9つの作品を収録した作者自薦の短編集です。
「キャッチャー・イン・ザ・ライ」と並ぶ、サリンジャーの代表作です。
2009年にヴィレッジブックスから柴田訳が出て、2012年に文庫化されました。
読みやすいのでオススメです。村上春樹の推薦文が帯になっています。
新潮文庫の野崎訳も有名です。私は以前、こちらで読みました。
今でも野崎訳のファンは多いです。醒めている感じが、文体によく出ています。
冒頭の「バナナフィッシュ日和」は、新婚旅行中のある夫婦の物語です。
ビーチでひとり過ごしていた夫のシーモアは、突然・・・
この作品は大変評判になりました。サリンジャーにとって画期的な作品です。
しかし、同時に問題作でもあります。謎の多い物語です。
なぜシーモアは、突然あのような行動に出るのか?
彼は狂気に陥っていたのか?
正直に言って、私にはよく分かりません。ヒントが少なすぎます。
この作品の完成度は、決して高くない。が、そこが魅力的だったりします。
ところで、「ディンギーで」にも、シーモアが間接的に登場します。
いったい、このシーモアというのは、どういう男なのだろうか。と思ったら・・・
そうか! 「フラニーとズーイ」に出てきた、グラス家の長男シーモアか。
とすると、ブーブーというのは、グラス家の長女ブーブーのことか。
ここでようやく気づきました。これは、グラス家の物語の一部だったのですね。
サリンジャーは、グラス家の物語を、ライフワークとしていたといいます。
ところで、柴田訳の「ディンギーで」では、最後のオチがよく分かりません。
カイトとカイク・・・私は、他の人の解説を読んで、初めて納得できました。
さて、マイベストは「可憐なる口もと 緑なる君が瞳」。
夜、リーのもとにアーサーから電話がありました。そのときリーは、実は・・・
結末が良い。ちょっと唐突な感じもしますが・・・この男の気持ち、分かるなあ。
アーサーは、会話の最後のところで、あることに気づいたに違いないのです。
他にも、「エズメに 愛と悲惨をこめて」はオススメです。悲哀を感じます。
最後の「テディ」も、捨てがたい作品です。不思議な感じがする作品です。
これら全9作の選択を、「絶妙だ」と言う人がいますが、私は疑問です。
シーモアを軸にして、一貫性のある作品集にしてほしかったです。
また、正直な感想を言うと、予想外に取っ付ききにくい作品が多かったです。
村上春樹だったら、どんなふうに訳したでしょうか。(訳さないと思うが)
さいごに。(ロールケーキに苦戦)
買いました、50センチのロールケーキ。予想以上に大きいです。
3人で食べてもなかなか減りません。今日が消費期限。全部食べられるか?
反対していた妻は、「それみたことか」と言いたげです。
意地でも食べなければ・・・
「バナナフィッシュ日和」など、9つの作品を収録した作者自薦の短編集です。
「キャッチャー・イン・ザ・ライ」と並ぶ、サリンジャーの代表作です。
2009年にヴィレッジブックスから柴田訳が出て、2012年に文庫化されました。
読みやすいのでオススメです。村上春樹の推薦文が帯になっています。
新潮文庫の野崎訳も有名です。私は以前、こちらで読みました。
今でも野崎訳のファンは多いです。醒めている感じが、文体によく出ています。
冒頭の「バナナフィッシュ日和」は、新婚旅行中のある夫婦の物語です。
ビーチでひとり過ごしていた夫のシーモアは、突然・・・
この作品は大変評判になりました。サリンジャーにとって画期的な作品です。
しかし、同時に問題作でもあります。謎の多い物語です。
なぜシーモアは、突然あのような行動に出るのか?
彼は狂気に陥っていたのか?
正直に言って、私にはよく分かりません。ヒントが少なすぎます。
この作品の完成度は、決して高くない。が、そこが魅力的だったりします。
ところで、「ディンギーで」にも、シーモアが間接的に登場します。
いったい、このシーモアというのは、どういう男なのだろうか。と思ったら・・・
そうか! 「フラニーとズーイ」に出てきた、グラス家の長男シーモアか。
とすると、ブーブーというのは、グラス家の長女ブーブーのことか。
ここでようやく気づきました。これは、グラス家の物語の一部だったのですね。
サリンジャーは、グラス家の物語を、ライフワークとしていたといいます。
ところで、柴田訳の「ディンギーで」では、最後のオチがよく分かりません。
カイトとカイク・・・私は、他の人の解説を読んで、初めて納得できました。
さて、マイベストは「可憐なる口もと 緑なる君が瞳」。
夜、リーのもとにアーサーから電話がありました。そのときリーは、実は・・・
結末が良い。ちょっと唐突な感じもしますが・・・この男の気持ち、分かるなあ。
アーサーは、会話の最後のところで、あることに気づいたに違いないのです。
他にも、「エズメに 愛と悲惨をこめて」はオススメです。悲哀を感じます。
最後の「テディ」も、捨てがたい作品です。不思議な感じがする作品です。
これら全9作の選択を、「絶妙だ」と言う人がいますが、私は疑問です。
シーモアを軸にして、一貫性のある作品集にしてほしかったです。
また、正直な感想を言うと、予想外に取っ付ききにくい作品が多かったです。
村上春樹だったら、どんなふうに訳したでしょうか。(訳さないと思うが)
さいごに。(ロールケーキに苦戦)
買いました、50センチのロールケーキ。予想以上に大きいです。
3人で食べてもなかなか減りません。今日が消費期限。全部食べられるか?
反対していた妻は、「それみたことか」と言いたげです。
意地でも食べなければ・・・
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