SSブログ

白い牙 [20世紀アメリカ文学]

 「白い牙」 ジャック・ロンドン作 深町眞理子訳 (古典新訳文庫)

 荒野に生まれた狼が、紆余曲折を経たのち、人間社会に溶け込んでいく物語です。
 名作「荒野の呼び声」と、表裏一体となっている作品です。

 古典新訳文庫から出ています。訳がとても分かりやすいので、オススメです。


白い牙 (光文社古典新訳文庫)

白い牙 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: ジャック ロンドン
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/03/12
  • メディア: 文庫



 新潮文庫からも出ています。訳が古いのですが、それほど違和感はありません。
 値段は古典新訳文庫よりも安いです。


白い牙 (新潮文庫 (ロ-3-1))

白い牙 (新潮文庫 (ロ-3-1))

  • 作者: ジャック・ロンドン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1958/11/12
  • メディア: 文庫



 一面雪に覆われた荒野で、犬の血を4分の1受け継いだ狼が生まれました。
 母犬とともに、食うか食われるかの厳しい野生の世界を、生き抜きました。

 あるとき狼の子は、これまで見た こともない動物に出会い、戸惑いました。
 彼らは、自然を支配する能力を持っていました。人間です。

 人間たちは、狼の子を「ホワイト・ファング(白い牙)」と名付けました。
 ホワイト・ファングと母犬は、この日を境に、人間社会の中で暮らし始めます。

 飼い主が変わるたびに、ホワイト・ファングの境遇は変わり・・・
 様々な体験を積むたびに、ホワイト・ファングは賢くなり・・・

 「荒野の呼び声」は、人間社会で育った飼い犬が、野生に目覚める物語でした。
 「白い牙」は、野生で育った狼が、人間社会に帰化する物語です。

 そういう意味で、この二冊は表裏一体。姉妹作として見なされています。
 実際私も仲間から、両方を読まなくては片手落ちだと、言われました 。

 読んでみて良かったです。とても感動的な物語でした。
 ただし、ひとつの小説というより、短篇集のような印象が残りました。

 部と部に有機的なつながりがなくて、バラバラな感じがしました。
 例えば、第一部「荒野」は他の部と異質で、全体から浮いてしまっています。

 「荒野の呼び声」でも、同じような印象が残っています。
 ジャック・ロンドンの作家としての限界が、感じられてしまいました。

 ところで、「動物記」で有名なシートンも、同時代の作家です。
 解説によると、当時シートンは、危険人物視されていたのだそうです。

 というのもシートンは、「文明化した白人は堕落した人種で、インディアンは
 高貴な存在であり、野生動物は 最も高貴である」と、考えたからだそうです。
 (ロンドンは逆に白人優越主義で、この小説のテーマも犬の文明化だという)

 ちょっと、シートンにも興味が湧きました。
 幸い、「シートン動物記」は、集英社文庫から出ています。

 さいごに。(娘の心理テストの本)

 娘が「心理テストDX」という本を買いました。
 ひとりで静かに読んでくれることを、期待していたのですが・・・

 高学年向けの内容だったため、読めない漢字が多すぎます。
 その本を読む時は、つきっきりで、読み方を教えてあげなくてはなりません。


ミラクルハッピー超アタル! 心理テストDX (ミラクルシリーズ)

ミラクルハッピー超アタル! 心理テストDX (ミラクルシリーズ)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 西東社
  • 発売日: 2014/04/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



nice!(2)  コメント(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。