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絶望 [20世紀ロシア文学]

 「絶望」 ナボコフ作 貝澤哉(かいざわはじめ)訳 (古典新訳文庫)


 自分そっくりの男に出会った主人公が、完全犯罪を目論む物語です。
 ナボコフがアメリカ移住前に、ロシア語で書いた初期の作品です。

 2013年に古典新訳文庫から出ました。
 この作品のロシア語原典訳は、日本初だそうです。


絶望 (光文社古典新訳文庫)

絶望 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: ウラジーミル ナボコフ
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/10/08
  • メディア: 文庫



 チョコレート工場を営むゲルマンは、プラハで自分に瓜二つの男と出会いました。
 その男の名はフェリックス。浮浪者です。

 フェリックスに会った直後、ゲルマンは完全犯罪を思いつきました。
 一方、工場の経営はうまくいかず、妻との生活も面白くありません。

 ゲルマンは、計画を実行するため、再びフェリックスに接触して・・・
 これで、うまくいったと思いきや・・・

 本文はゲルマンの一人称で、話は思いつくままにあちこち に飛びます。
 しかも、どうもゲルマンの言ってる内容が、信用できない感じがする。

 更に、ナボコフ一流の言葉遊びが入り込むので、理解しにくかったです。
 ナボコフは「言葉の魔術師」と言われますが、翻訳には苦労したでしょう。

 ところで、作品のタイトルは「絶望」です。
 最初から、悲劇的な結末が充分予想されます。

 が、それにしても、結末は意外でした。まさか、そう来るとは!
 というか、そんなのありか?!

 解説に書いてあるとおり、確かに映画では、こういう騙し方はできません。
 小説というものの特性を、考えさせられるような作品でした。

 さて、古典新訳文庫からは、「カメラ・オブスクーラ」も出ています。
 名作「ロリータ」の原型とも言われている作品です。読んでおきたいです。


カメラ・オブスクーラ (光文社古典新訳文庫 Aナ 1-1)

カメラ・オブスクーラ (光文社古典新訳文庫 Aナ 1-1)

  • 作者: ナボコフ
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2011/09/13
  • メディア: 文庫



 それから、ナボコフといったら「ロリータ」。いつか読まなくては。
 「絶望」など初期作品に比べて、ずっと難解で読みにくいのだそうです。


ロリータ (新潮文庫)

ロリータ (新潮文庫)

  • 作者: ウラジーミル ナボコフ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/10/30
  • メディア: 文庫



 さいごに。(25m失敗)

 娘の水泳教室でテストがありましたが、25m泳ぐことに失敗しました。
 実は、これで3回目の失敗です。練習ではちゃんと泳げているのですが。

 呼吸が苦しくて、途中で立ってしまったのだそうです。
 一番悔しいのは、娘自身だと思いますが。

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