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アブサロム、アブサロム!(上) [20世紀アメリカ文学]

 「アブサロム、アブサロム!(上)」 フォークナー作 藤平育子訳 (岩波文庫)


 南部の田舎町ジェファソンを騒がせたサトペン一族の、謎とその没落の物語です。
 フォークナーの最高傑作と評価されている作品です。

 2011年に岩波文庫から出ました。(さすが岩波さん)
 読みやすくないフォークナーが、比較的読みやすく訳されています。


アブサロム、アブサロム!(上) (岩波文庫)

アブサロム、アブサロム!(上) (岩波文庫)

  • 作者: フォークナー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2011/10/15
  • メディア: ペーパーバック



アブサロム、アブサロム!(下) (岩波文庫)

アブサロム、アブサロム!(下) (岩波文庫)

  • 作者: フォークナー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2012/01/18
  • メディア: ペーパーバック



 時は1909年。聞き手はクエンティン青年。「響きと怒り」のクエンティンです。
 主な語り手は、老コールドフィールド夫人と、父ミスター・コンプソンです。

 1833年の6月、25歳のトマス・サトペンが、ジェファソンにやってきました。
 そして、いつのまにか広大な領地を 手にしており、大きな屋敷を構えました。

 サトペンは、どうしてこの街にやってきたのか?
 どうやって広大な領地を入れたのか?

 やがてサトペンは、エレン・コールドフィールドと結婚しました。
 二人の間には、息子のヘンリーと娘のジュディスが生まれましたが・・・

 語りは、思わせぶりと言うか、言葉足らずと言うか・・・
 突然話題が変わったり、急に話が途切れたりして、なかなか全貌が見えません。

 もちろん、これはフォークナーが、緻密な計算のもとにやっていること。
 ちらりちらりと核心を垣間見せながら、肝心な部分はちっとも明かしません。

 ヘンリーは、どうして突然家を飛び出したのか?
 どうして妹の婚約者を射殺したのか?

 一つの謎が明かされないうちに、次の謎が出てきます。
 私はもどかしい気持ちで、ページを繰っていきました。

 余談ですが、岩波文庫では、冒頭に「主な登場人物」が説明されています。
 また、「各章の語りについて」という説明まであります。

 ここを読むと、物語の全体像が分かってしまいます。
 「ネタバレじゃないか!」と怒る人も、いるかもしれません。

 確かに、ネタバレですが、必要なネタバレだと思います。
 もし、この二つの説明文がなかったら、私は途中で投げ出していたでしょう。

 さて、現在まだ上巻が終わったばかりです。
 下巻についてはまた、次の機会に。

 さいごに。(忘年会欠席多すぎ)

 職場の忘年会は、12月24日の夜。クリスマス・イブなので、欠席者続出。
 うちは、クリスマス会を23日に前倒しして出席することにしました。

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