マリー・アントワネット [20世紀ドイツ文学]
「マリー・アントワネット 上」 ツヴァイク作 中野京子訳 (角川文庫)
フランス革命で、断頭台の露と消えた王妃アントワネットの生涯を描いています。
ツヴァイクの代表作であり、伝記文学の傑作として知られている作品です。
角川文庫、岩波文庫、河出文庫などから出ています。
私は角川文庫の中野京子訳で読みました。新訳で、最も分かりやすい訳です。
岩波文庫は、「ジョゼフ・フーシェ」と同じく高橋・秋山訳です。
格調が高くて、味わい深い訳です。この訳のファンも多いです。
河出文庫の関訳も、捨てがたいです。
格調高くて美しい訳です。ただし、現在品切れらしいです。
マリー・アントワネットは、オーストリアの女帝マリア・テレジアの末娘でした。
1770年、彼女が14歳の時、フランスの王太子ルイとの結婚が成立しました。
ハプスブルク家とブルボン家を結びつけ、ヨーロッパに平和をもたらすため。
そう言えば聞こえはいいが、要するに幼い少女が政略結婚に使われたのです。
母は娘の将来を心配し、信頼するメルシ伯爵を、その近くに仕えさせました。
しかしアントワネットは、世間を知るにはあまりにもあどけなくて・・・
不幸な結婚生活、その反動による派手な気晴らし。宮廷での確執、様々な陰謀。
首飾り事件、その裁判。時代の急変、革命の始まり、そして、真の友人の登場。
現在、上巻を読み終わったところですが、本当に面白いです。
特に、首飾り事件の辺りから、物語は急展開して、なかなか本を放せません。
作者ツヴァイクは、アントワネットに対して、同情と愛情を込めて描いています。
それゆえ、彼女にとっての救いの神フェルゼンに対しても、とても好意的です。
彼は、アントワネットの栄華の時は、その名誉を守るためにひっそりと身を引き、
彼女が排斥された時に、決然とその傍にやってきて、命をかけて寄り添いました。
フェルゼンは男の中の男。訳者の中野京子曰く。「フェルゼンに愛された――
この一点においてアントワネットの価値は決まったような気がする。」(P362)
いいぞ、フェルゼン! がんばれ、アントワネット!
悲劇的な結末は知っているのに、二人の幸せな結末を期待してしまいます。
ところで、最も興味深かったのは、第二章「ベッドの秘密」です。
臆病な王と奔放な王妃の、それぞれの性向は、夫婦のベッドで形成された?
あの奇怪な首飾り事件については、非常に詳細に謎解きされていました。
時々ツヴァイク自身の見解が示されたりして、とても面白かったです
さて、下巻ではいよいよフランス革命がいっきに進行します。
楽しみでもあり、(後の悲劇を思うと)悲しくもあります。
さいごに。(将棋)
娘が、学校の放課後の活動で、将棋を覚えてきました。
さっそく将棋盤を買ってきて、時々対戦しています。
将棋のセットは子供用で、駒に進む矢印が書いてあって便利です。
うちは本屋で3456円で買いました。アマゾンでは2109円。ショック!
フランス革命で、断頭台の露と消えた王妃アントワネットの生涯を描いています。
ツヴァイクの代表作であり、伝記文学の傑作として知られている作品です。
角川文庫、岩波文庫、河出文庫などから出ています。
私は角川文庫の中野京子訳で読みました。新訳で、最も分かりやすい訳です。
岩波文庫は、「ジョゼフ・フーシェ」と同じく高橋・秋山訳です。
格調が高くて、味わい深い訳です。この訳のファンも多いです。
河出文庫の関訳も、捨てがたいです。
格調高くて美しい訳です。ただし、現在品切れらしいです。
マリー・アントワネットは、オーストリアの女帝マリア・テレジアの末娘でした。
1770年、彼女が14歳の時、フランスの王太子ルイとの結婚が成立しました。
ハプスブルク家とブルボン家を結びつけ、ヨーロッパに平和をもたらすため。
そう言えば聞こえはいいが、要するに幼い少女が政略結婚に使われたのです。
母は娘の将来を心配し、信頼するメルシ伯爵を、その近くに仕えさせました。
しかしアントワネットは、世間を知るにはあまりにもあどけなくて・・・
不幸な結婚生活、その反動による派手な気晴らし。宮廷での確執、様々な陰謀。
首飾り事件、その裁判。時代の急変、革命の始まり、そして、真の友人の登場。
現在、上巻を読み終わったところですが、本当に面白いです。
特に、首飾り事件の辺りから、物語は急展開して、なかなか本を放せません。
作者ツヴァイクは、アントワネットに対して、同情と愛情を込めて描いています。
それゆえ、彼女にとっての救いの神フェルゼンに対しても、とても好意的です。
彼は、アントワネットの栄華の時は、その名誉を守るためにひっそりと身を引き、
彼女が排斥された時に、決然とその傍にやってきて、命をかけて寄り添いました。
フェルゼンは男の中の男。訳者の中野京子曰く。「フェルゼンに愛された――
この一点においてアントワネットの価値は決まったような気がする。」(P362)
いいぞ、フェルゼン! がんばれ、アントワネット!
悲劇的な結末は知っているのに、二人の幸せな結末を期待してしまいます。
ところで、最も興味深かったのは、第二章「ベッドの秘密」です。
臆病な王と奔放な王妃の、それぞれの性向は、夫婦のベッドで形成された?
あの奇怪な首飾り事件については、非常に詳細に謎解きされていました。
時々ツヴァイク自身の見解が示されたりして、とても面白かったです
さて、下巻ではいよいよフランス革命がいっきに進行します。
楽しみでもあり、(後の悲劇を思うと)悲しくもあります。
さいごに。(将棋)
娘が、学校の放課後の活動で、将棋を覚えてきました。
さっそく将棋盤を買ってきて、時々対戦しています。
将棋のセットは子供用で、駒に進む矢印が書いてあって便利です。
うちは本屋で3456円で買いました。アマゾンでは2109円。ショック!
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