マリー・アントワネット2 [20世紀ドイツ文学]
「マリー・アントワネット」 ツヴァイク作 中野京子訳 (角川文庫)
フランス革命で、断頭台の露と消えた王妃アントワネットの生涯を描いています。
ツヴァイクの代表作であり、伝記文学の傑作として知られている作品です。
角川文庫、岩波文庫、河出文庫などから出ています。
私が読んだ角川文庫の中野京子訳は新訳で、三つの中で最も分かりやすい訳です。
下巻の冒頭は「彼はそうだったか、そうではなかったか?」という魅力的な章です。
フェルゼンが、王妃の恋人だったのか、そうではなかったのか、を考察しています。
もちろん、「彼はそうだった」。今では周知の事実です。
しかし、1世紀もの間、フェルゼンが歴史から忘れられていたとは、意外でした。
王妃とフェルゼンは、一時期、二人で政治上の困難な問題を決裁していたようです。
このたいへんな時期こそ、二人にとって、最も幸福なときだったでしょう。
そして、二人で企てたヴァレンヌ逃亡事件が、二人の人生のクライマックスでした。
フェルゼンはもちろん、何から何まで、献身的に働きました。
しかしパリを脱出した所で、どういうわけか王が、フェルゼンを帰してしまいます。
これまで何でも丸投げしていた王が! 今こそフェルゼンに丸投げするべきなのに!
その後、ちょっとした行き違いが重なり、取り返しがつかない事態になります。
1791年6月20日、ヴァレンヌ逃亡失敗のこの日が、王家にとって運命の日でした。
この事件後、王と王妃は、坂道を転がるように、没落に向かって落ちていき・・・
チュイルリー宮からタンプル塔へ、さらに監獄へ、そして断頭台へ・・・
それにしても、後半のアントワネットの変貌ぶりはすごいです。
王妃でなくなってから、彼女は真の王妃らしくなりました。しかし、遅すぎました。
6月20日は、フェルゼンにとっても、決して忘れられない、運命の日でした。
「なぜわたしは彼女のために死ななかったのだろう、あの六月二十日に?」
遠い祖国で、アントワネットの死を知り、死んだように生き続けるフェルゼン。
その最期もまた6月20日、実に痛ましい死に方で・・・
さて、マリー・アントワネットはファンが多く、たくさんの関連本があります。
訳者中野京子の「ヴァレンヌ逃亡」も、なかなか興味深い本です。
中野京子は、「怖い絵」で評判になりました。
この本には、ダヴィッドの描いた、王妃の最期の肖像が取り上げられています。
さいごに。(持久走大会35位)
今年は昨年と変わり、男女混合で、速い組と遅い組に分けて行われました。
うちの娘は速い組の35位。女子では7位ぐらいなので、上出来でしょう。
順位はもちろん、一生懸命に真剣に走っていたことが、嬉しかったです。
夕食は、しゃぶしゃぶで娘のお疲れさん会をしました。食べすぎました。
フランス革命で、断頭台の露と消えた王妃アントワネットの生涯を描いています。
ツヴァイクの代表作であり、伝記文学の傑作として知られている作品です。
角川文庫、岩波文庫、河出文庫などから出ています。
私が読んだ角川文庫の中野京子訳は新訳で、三つの中で最も分かりやすい訳です。
下巻の冒頭は「彼はそうだったか、そうではなかったか?」という魅力的な章です。
フェルゼンが、王妃の恋人だったのか、そうではなかったのか、を考察しています。
もちろん、「彼はそうだった」。今では周知の事実です。
しかし、1世紀もの間、フェルゼンが歴史から忘れられていたとは、意外でした。
王妃とフェルゼンは、一時期、二人で政治上の困難な問題を決裁していたようです。
このたいへんな時期こそ、二人にとって、最も幸福なときだったでしょう。
そして、二人で企てたヴァレンヌ逃亡事件が、二人の人生のクライマックスでした。
フェルゼンはもちろん、何から何まで、献身的に働きました。
しかしパリを脱出した所で、どういうわけか王が、フェルゼンを帰してしまいます。
これまで何でも丸投げしていた王が! 今こそフェルゼンに丸投げするべきなのに!
その後、ちょっとした行き違いが重なり、取り返しがつかない事態になります。
1791年6月20日、ヴァレンヌ逃亡失敗のこの日が、王家にとって運命の日でした。
この事件後、王と王妃は、坂道を転がるように、没落に向かって落ちていき・・・
チュイルリー宮からタンプル塔へ、さらに監獄へ、そして断頭台へ・・・
それにしても、後半のアントワネットの変貌ぶりはすごいです。
王妃でなくなってから、彼女は真の王妃らしくなりました。しかし、遅すぎました。
6月20日は、フェルゼンにとっても、決して忘れられない、運命の日でした。
「なぜわたしは彼女のために死ななかったのだろう、あの六月二十日に?」
遠い祖国で、アントワネットの死を知り、死んだように生き続けるフェルゼン。
その最期もまた6月20日、実に痛ましい死に方で・・・
さて、マリー・アントワネットはファンが多く、たくさんの関連本があります。
訳者中野京子の「ヴァレンヌ逃亡」も、なかなか興味深い本です。
ヴァレンヌ逃亡 マリー・アントワネット 運命の24時間 (文春文庫)
- 作者: 中野 京子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/08/06
- メディア: 文庫
中野京子は、「怖い絵」で評判になりました。
この本には、ダヴィッドの描いた、王妃の最期の肖像が取り上げられています。
さいごに。(持久走大会35位)
今年は昨年と変わり、男女混合で、速い組と遅い組に分けて行われました。
うちの娘は速い組の35位。女子では7位ぐらいなので、上出来でしょう。
順位はもちろん、一生懸命に真剣に走っていたことが、嬉しかったです。
夕食は、しゃぶしゃぶで娘のお疲れさん会をしました。食べすぎました。
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