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絶対泣かない [日本の現代文学]

 「絶対泣かない」 山本文緒 (角川文庫)


 さまざまな職業に就いている、主に若い女性を主人公にした短編集です。
 代表作「恋愛中毒」の3年前に書かれた、脂が乗り切った頃の作品です。

 角川文庫から出ています。
 15の短編が収録されています。どれも分かりやすく読みやすいです。


絶対泣かない (角川文庫)

絶対泣かない (角川文庫)

  • 作者: 山本 文緒
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 1998/11/19
  • メディア: 文庫



 フラワーデザイナー、体育教師、デパート店員、漫画家、営業部員、
 専業主婦、派遣、看護師、女優、タイムキーパー、銀行員・・・

 様々な仕事をしながら、恋や人生に悩む若い女性たちが主人公です。
 どの物語にも希望があり、読んでいて前向きな気持ちになれます。

 「もし、あなたがあなたの仕事が嫌いだとし たら、それがどんなつまら
 ない仕事でも、それをつまらないと思っているのはあなた自身です。」
 (あとがき)

 自分の仕事と働き方について、振り返りたくなる作品ばかりです。
 特に仕事に悩む女性や、これから社会に出る女性にオススメです。

 15編の中で、特に面白かったのが、表題作「絶対、泣かない」です。
 全く再就職が決まらなかった私が、優良会社の秘書に採用されました。

 しかし採用されてから十日間、毎日私は女社長にいじめられています。
 ところがある日、突然その女社長と自分の因縁を思い出して・・・

 「ものすごく見栄っぱり」や「今年はじめての半袖」もすばらしい。
 どちらも恋の話で、意外な展開があって、最後に心がほんわかします 。

 「ものすごく見栄っぱり」は、高校の体育教師の話です。
 ようやく、お見合いで会ってくれることになった人は・・・

 「今年はじめての半袖」は、デパート店員に再就職した女性の話です。
 かつての恋人が店を訪れたとき、私がとっさにとった行動は・・・

 他にも、「愛でしょ、愛」(漫画家)、「話を聞かせて」(営業部員)、
 「気持ちを計る」(タイムキーパー)、「真面目であればあるほど」
 (銀行員)など、いい作品がたくさんあります。

 山本文緒は、クセのある女性ばかりを描く作家だと思っていました。
 しかし、この作品の登場人物は、好感が持てる女性が多かったです。

 さて次は、代表作の「恋愛中毒」を読んでみたいです。
 この作品は、ドラマにもなったらしいです。


恋愛中毒 (角川文庫)

恋愛中毒 (角川文庫)

  • 作者: 山本 文緒
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2002/06
  • メディア: 文庫



 さいごに。(今度はこすられた)

 いつのまにか、車の左側面をこすられていました。
 以前ユニクロで当て逃げされました。どうもこの車はツイてないです。

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