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ドクトル・ジバゴ1 [20世紀ロシア文学]

 「ドクトル・ジバゴ(上)」 パステルナーク作 江川卓訳 (新潮文庫)


 革命期の混乱したロシアを舞台に、医師ジバゴとラーラの運命を描いた物語です。
 ソ連で発禁処分となりましたが、国際的に評価されてノーベル賞を受賞しました。

 新潮文庫から上下二分冊で出ていました。現在は品切れで、古本は高値です。
 訳者は江川卓。とても分かりやすく訳されています。また、カバーがカッコいい。


ドクトル・ジバゴ〈上巻〉 (新潮文庫)

ドクトル・ジバゴ〈上巻〉 (新潮文庫)

  • 作者: ボリス・パステルナーク
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1989/04
  • メディア: 文庫



ドクトル・ジバゴ〈下巻〉 (新潮文庫)

ドクトル・ジバゴ〈下巻〉 (新潮文庫)

  • 作者: ボリス・パステルナーク
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1989/04
  • メディア: 文庫



 ユーラ・ジバゴは、母と父を亡くし、モスクワのグロメコ家に引き取られました。
 ジバゴは医学を学び、青春を共に過ごしたグロメコ家のトーニャと結婚しました。

 しかし、息子が生まれてすぐに、ジバゴは野戦病院で働くように命じられました。
 そして退却中、ある病院で出会った看護婦は、かつて見知っていたラーラでした。

 ラーラ・ギシャールは、母親の恋人コマロフスキーと、関係を持っていました。
 人生を清算し、泥沼から抜け出し、自分を愛してくれるパーシャと結婚しました。

 しかし、娘が生まれてすぐに、パーシャは志願して前線に行ってしまいました。
 消息を絶った夫を探しに、前線へ赴いたときに出会った医師が、ジバゴでした。

 こうして、ジバゴとラーラの人生が、ようやく交差しました。
 そして、その間に、ロシア革命が起こったのです・・・

 現在、上巻を読み終えて、「あれ?」と思っています。
 ジバゴとラーラは出会いましたが、その関係はなかなか発展しません。

 そういえば、ジバゴ一家が向かった土地は、ラーラにゆかりのある土地でした。
 下巻での展開が気になりますが、最近なかなか読む時間が取れなくて・・・

 ところで、「ドクトル・ジバゴ」を勧めてくれたのは、我が妻でした。
 といっても彼女が勧めてくれたのは、オマー・シャリフ主演の映画の方です。

 この映画は、名作中の名作として、知られています。長すぎるのが難点ですが。
 妻と一緒に見る約束をしましたが、その前に原作を読み終えたいです。

 ここまで読んで、トルストイの「戦争と平和」のようだと思いました。
 これはロシアを舞台にした一大叙事詩で、戦争の代わりに革命があります。

 この作品は、ジバゴとラーラの愛の物語、と紹介されることが多いです。
 しかし、パステルナークはむしろ、革命の様子を書き残したかったようです。

 「旧国家の圧制を抜け出してみたら、そこに待っていたのは、新しい革命政府の
 以前に倍する、超国家的ともいえる圧迫じゃありませんか。」(P388)

 「ぼくに言わせれば、マルクス主義ぐらい自己閉鎖的で、あれくらい事実から
 遊離している思想はほかにありませんね。」(P449)

 この作品はロシア革命に批判的だという理由で、ソ連では発禁処分になりました。
 さらに、ノーベル賞を受賞したものの、ソ連共産党によって辞退させられました。

 そういうソ連時代のエピソードも含めて、歴史的な意味を持っている作品です。
 現在品切れでとても手に入りにくい本です。常時手に入るようにしてほしいです。

 さいごに。(目指せ漢字100点)

 娘が、学校の漢字テストで100点を目指して勉強していました。
 「100点取ったら、ママがハーゲンダッツを買ってくれるって」とのこと。

 私も娘を応援しています。
 うちでそのような高級アイスを買うことなど、めったに無いことなので。

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