生物と無生物のあいだ [理系本]
「生物と無生物のあいだ」 福岡伸一 (講談社現代新書)
分子生物学者が生命とは何かを考察しながら、動的平衡について解説しています。
2007年に出るや大ベストセラーとなり、2008年第1回新書大賞に輝いた本です。
本書を終始貫いているのは、「生命とは何か」という問いです。
生物と無生物を分けているものは、いったい何なのか?
この問いの出発点となるのが、ウィルスです。
「ウィルスは生物と無生物のあいだをたゆたう何者かである。」(P37)
ウィルスは確かに自己複製を行います。しかし、生命特有の律動がありません。
ウィルスを生物ではないと判断した著者は、改めて問います。生命とは何か?
著者はこの問いに、「動的平衡」という概念を使って答えます。
「生命とは、動的平衡にある流れである」(P167)と・・・
さて、本書は「動的平衡」について分かりやすく述べられているのはもちろん、
分子生物学の歴史や、研究者の事情や裏話なども描かれていて、とても面白い。
エイブリー、キャリー・マリス、シュレディーガー、シェーンハイマーらは、
愛情たっぷりに生き生きと描かれていて、彼らに会いたくなってしまいます。
また、ポスドクの仕事や、死んだ鳥症候群など、メインでない話もまた面白い。
ロックフェラー大学の図書館は24時間開いていると知って、感動したり・・・
しかも、文章が良い。特に比喩を使って分かり やすくイメージさせるのがうまい。
たとえば、次のような文章で、読者をどんどん引き込ませてくれます。(P8)
「つまり私たち生命体の身体はプラモデルのような静的なパーツから成り立って
いる分子機械ではなく、パーツ自体のダイナミックな流れの中に成り立っている。」
という具合で、この本全体が、読み物としてとてもよくできています。
著者福岡伸一は、非常に文章のセンスがある方だと思いました。
なお、本書では、シュレディーガーがとても印象的に描かれていました。
シュレディーがーの「生命とは何か」(岩波文庫)も読みたくなりました。
福岡伸一の「もう牛を食べても安心か」(文春新書・絶版)もオススメです。
私は「動的平衡」について、この本で初めて知ったので、本書以上に衝撃的でした。
さいごに。(ディズニーの代わりにキッザニア?)
娘の小学校の修学旅行は、ディズニーランドの代わりにキッザニアになりました。
職業体験施設です。子供たちは失望していると思いきや、みな歓迎している様子。
「ディズニーは家族で行くけど、キッザニアは行かないから」という理由らしい。
うちは、ディズニーに行かせたかったです。家族でディズニーには行かないので。
分子生物学者が生命とは何かを考察しながら、動的平衡について解説しています。
2007年に出るや大ベストセラーとなり、2008年第1回新書大賞に輝いた本です。
本書を終始貫いているのは、「生命とは何か」という問いです。
生物と無生物を分けているものは、いったい何なのか?
この問いの出発点となるのが、ウィルスです。
「ウィルスは生物と無生物のあいだをたゆたう何者かである。」(P37)
ウィルスは確かに自己複製を行います。しかし、生命特有の律動がありません。
ウィルスを生物ではないと判断した著者は、改めて問います。生命とは何か?
著者はこの問いに、「動的平衡」という概念を使って答えます。
「生命とは、動的平衡にある流れである」(P167)と・・・
さて、本書は「動的平衡」について分かりやすく述べられているのはもちろん、
分子生物学の歴史や、研究者の事情や裏話なども描かれていて、とても面白い。
エイブリー、キャリー・マリス、シュレディーガー、シェーンハイマーらは、
愛情たっぷりに生き生きと描かれていて、彼らに会いたくなってしまいます。
また、ポスドクの仕事や、死んだ鳥症候群など、メインでない話もまた面白い。
ロックフェラー大学の図書館は24時間開いていると知って、感動したり・・・
しかも、文章が良い。特に比喩を使って分かり やすくイメージさせるのがうまい。
たとえば、次のような文章で、読者をどんどん引き込ませてくれます。(P8)
「つまり私たち生命体の身体はプラモデルのような静的なパーツから成り立って
いる分子機械ではなく、パーツ自体のダイナミックな流れの中に成り立っている。」
という具合で、この本全体が、読み物としてとてもよくできています。
著者福岡伸一は、非常に文章のセンスがある方だと思いました。
なお、本書では、シュレディーガーがとても印象的に描かれていました。
シュレディーがーの「生命とは何か」(岩波文庫)も読みたくなりました。
福岡伸一の「もう牛を食べても安心か」(文春新書・絶版)もオススメです。
私は「動的平衡」について、この本で初めて知ったので、本書以上に衝撃的でした。
さいごに。(ディズニーの代わりにキッザニア?)
娘の小学校の修学旅行は、ディズニーランドの代わりにキッザニアになりました。
職業体験施設です。子供たちは失望していると思いきや、みな歓迎している様子。
「ディズニーは家族で行くけど、キッザニアは行かないから」という理由らしい。
うちは、ディズニーに行かせたかったです。家族でディズニーには行かないので。
「ロックフェラー大学の図書館は24時間開いていると知って、感動したり・・・」
大学図書館ですか....私の学科の分館へは24時間行けました...
by サンフランシスコ人 (2018-04-27 06:31)
サンフランシスコ人さん、コメントをありがとうございます。
アメリカは進んでいるんですね。さすがです。
by ike-pyon (2018-04-27 06:56)