私家版かげろふ日記 [日本の古典文学]
「私家版かげろふ日記」 杉本苑子 (講談社文庫)
時の権力者藤原兼家との結婚生活における、愛と苦悩を描いた女流日記です。
藤原道綱の母によって書かれたものを、読みやすくアレンジしてあります。
才色兼備で知られた作者は、19歳の時、兼家から熱烈なプロポーズを受けました。
周囲は将来有望な兼家との結婚を喜び、やがてひとり息子の道綱が生まれました。
しかし、蜜月時代は短く、「結ばれてすでに十一、二年・・・。そのあいだの私の
内奥を打ち明けて言えば、一日として物思いのない日はなかった。」という。
その間「うつろひたる菊」「ゆするつきの水」等、有名なエピソードも登場します。
結婚生活への失望、浮気相手への嫉妬、正妻への複雑な心情、我が子への執着・・・
当時の悩める姫君の姿が、とてもリアルに感じられました。
平安貴族の世界に入り込んだようで、興味深く読むことができました。
特に、兼家を身近に感じられて楽しかったです。この男、まったく憎めませんね。
著者が、兼家を憎みながらも、どうしようもなく愛している様子が伝わってきます。
さて、数ある現代語訳の中で本書を選んだのは、断然に分かりやすかったからです。
その読みやすさの理由は、以下のような編集方針にあります。
「冗漫な部分を思い切ってカットし、原作者自身は触れていないけれども政界官界
の動きなどを挿入して、当時の時代背景を知っていただけるよう配慮しました。」
原典では分かりにくい個所が、文章中でとてもさりげなく補足説明されています。
そのため、註を読んで中断したり、不明箇所を読み飛ばしたりすることもないです。
しかも、巻末に「その後のかげろふ日記」が付いています。(これが良かった!)
日記で書かれなかった日々のことが、知ることができて、とても参考になりました。
さいごに。(富士山世界遺産センター)
今年のGWもほとんど仕事で潰れました。働き方改革って、どこの国の話?
唯一休めた4月29日に、富士宮の富士山世界遺産センターに行ってきました。
外観が有名ですが、中では螺旋階段を登りながら富士登山を体験できて面白い。
娘は「富士山に登りたい」と言いました。夏に、一緒に登れるといいのだけど。
時の権力者藤原兼家との結婚生活における、愛と苦悩を描いた女流日記です。
藤原道綱の母によって書かれたものを、読みやすくアレンジしてあります。
才色兼備で知られた作者は、19歳の時、兼家から熱烈なプロポーズを受けました。
周囲は将来有望な兼家との結婚を喜び、やがてひとり息子の道綱が生まれました。
しかし、蜜月時代は短く、「結ばれてすでに十一、二年・・・。そのあいだの私の
内奥を打ち明けて言えば、一日として物思いのない日はなかった。」という。
その間「うつろひたる菊」「ゆするつきの水」等、有名なエピソードも登場します。
結婚生活への失望、浮気相手への嫉妬、正妻への複雑な心情、我が子への執着・・・
当時の悩める姫君の姿が、とてもリアルに感じられました。
平安貴族の世界に入り込んだようで、興味深く読むことができました。
特に、兼家を身近に感じられて楽しかったです。この男、まったく憎めませんね。
著者が、兼家を憎みながらも、どうしようもなく愛している様子が伝わってきます。
さて、数ある現代語訳の中で本書を選んだのは、断然に分かりやすかったからです。
その読みやすさの理由は、以下のような編集方針にあります。
「冗漫な部分を思い切ってカットし、原作者自身は触れていないけれども政界官界
の動きなどを挿入して、当時の時代背景を知っていただけるよう配慮しました。」
原典では分かりにくい個所が、文章中でとてもさりげなく補足説明されています。
そのため、註を読んで中断したり、不明箇所を読み飛ばしたりすることもないです。
しかも、巻末に「その後のかげろふ日記」が付いています。(これが良かった!)
日記で書かれなかった日々のことが、知ることができて、とても参考になりました。
さいごに。(富士山世界遺産センター)
今年のGWもほとんど仕事で潰れました。働き方改革って、どこの国の話?
唯一休めた4月29日に、富士宮の富士山世界遺産センターに行ってきました。
外観が有名ですが、中では螺旋階段を登りながら富士登山を体験できて面白い。
娘は「富士山に登りたい」と言いました。夏に、一緒に登れるといいのだけど。
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