スローなブギにしてくれ [日本の現代文学]
「スローなブギにしてくれ」 片岡義男 (角川文庫)
バイク好きの少年と、猫好きの少女との、奇妙な共同生活を描いた短編小説です。
1981年に角川映画として上映され、南佳孝の歌う主題歌とともにヒットしました。
以前は、角川文庫コーナーに、片岡義男の本が30冊ほど、ずらりと並んでいました。
しかし、現在は絶版。古本屋で真っ黒になった本を、500円で手に入れました。
18歳の高校生ゴローは、学校にも行かずに、ホンダCB500を乗り回しています。
ある日、ムスタングから猫が放り出されたのを見て、バイクで追いかけると・・・
次にムスタングから放り出されたのは何だったか?
猫好きの少女さち乃は、ゴローにどんなことを頼んだのか?
今回この作品を読んで、なかなか復刊されない理由が、分かったような気がします。
時代が変わったせいでしょうか。主人公ゴローがとてもカッコ悪い。ダサいのです。
1m63センチの背丈に50キロを割る体重。はき古したブルージーンズ。
ジャケットの下はミッキーマウスのTシャツ(!)、髪はポマードでオールバック。
素行が悪くて転校したのに、学校には行かないで、オートバイに逃避しているし、
親のカネで一人暮らし、怠惰な生活を送り、行動は自分勝手だし。ダメなガキです。
しかし、このダメな感じが、いかにも昭和っぽくて懐かしくて、良かったです。
当時こういう連中は「ツッパリ」と呼ばれて、肯定的にとらえられていました。
小さい体でめいっぱい虚勢を張って、つっぱっているゴローはある意味涙ぐましい。
「大人は分かってくれない」みたいな泣きごとを言わない点には、好感さえ持った。
ところで、そのころ中学生だった私は、この映画を見る機会がありませんでした。
しかし、南佳孝の歌の影響か、お洒落でカッコいい映画だと勝手に思っていました。
映画の先入観のため、原作を初めて読んでみたら、ギャップが大きかったです。
ネコを好かない私でさえ、あの、ネコを放り出すシーンにはドン引きしました。
さて、他の収録作品では、「ハートブレイクなんて、へっちゃら」が印象的でした。
女の声で「トシ坊にかわって」と、お店に何度もかかって来る電話は・・・
「モンスター・ライド」と「青春の荒野ってやつ」は、暴走族のリーダーものです。
「ひどい雨が降って来た」は、男二人と女一人の奇妙な同棲生活を描いた短編です。
さて、片岡義男には、ハードボイルドもあって、なかなか評判が良いようです。
「ミス・リグビーの幸福」は現在も手に入るので、さっそく注文してみました。
さいごに。(「彼のオートバイ、彼女の島」)
大学生になりたての頃、友人に誘われ、jazz映画「キャバレー」を見に行きました。
そのときついでに見た映画が、同時上映の「彼のオートバイ、彼女の島」でした。
主役は原田知世の姉、貴和子。当時は原田知世ブームだったので、注目されました。
原作は片岡義男。当時のライダーのバイブルだったと、最近初めて知りました。
バイク好きの少年と、猫好きの少女との、奇妙な共同生活を描いた短編小説です。
1981年に角川映画として上映され、南佳孝の歌う主題歌とともにヒットしました。
以前は、角川文庫コーナーに、片岡義男の本が30冊ほど、ずらりと並んでいました。
しかし、現在は絶版。古本屋で真っ黒になった本を、500円で手に入れました。
18歳の高校生ゴローは、学校にも行かずに、ホンダCB500を乗り回しています。
ある日、ムスタングから猫が放り出されたのを見て、バイクで追いかけると・・・
次にムスタングから放り出されたのは何だったか?
猫好きの少女さち乃は、ゴローにどんなことを頼んだのか?
今回この作品を読んで、なかなか復刊されない理由が、分かったような気がします。
時代が変わったせいでしょうか。主人公ゴローがとてもカッコ悪い。ダサいのです。
1m63センチの背丈に50キロを割る体重。はき古したブルージーンズ。
ジャケットの下はミッキーマウスのTシャツ(!)、髪はポマードでオールバック。
素行が悪くて転校したのに、学校には行かないで、オートバイに逃避しているし、
親のカネで一人暮らし、怠惰な生活を送り、行動は自分勝手だし。ダメなガキです。
しかし、このダメな感じが、いかにも昭和っぽくて懐かしくて、良かったです。
当時こういう連中は「ツッパリ」と呼ばれて、肯定的にとらえられていました。
小さい体でめいっぱい虚勢を張って、つっぱっているゴローはある意味涙ぐましい。
「大人は分かってくれない」みたいな泣きごとを言わない点には、好感さえ持った。
ところで、そのころ中学生だった私は、この映画を見る機会がありませんでした。
しかし、南佳孝の歌の影響か、お洒落でカッコいい映画だと勝手に思っていました。
映画の先入観のため、原作を初めて読んでみたら、ギャップが大きかったです。
ネコを好かない私でさえ、あの、ネコを放り出すシーンにはドン引きしました。
さて、他の収録作品では、「ハートブレイクなんて、へっちゃら」が印象的でした。
女の声で「トシ坊にかわって」と、お店に何度もかかって来る電話は・・・
「モンスター・ライド」と「青春の荒野ってやつ」は、暴走族のリーダーものです。
「ひどい雨が降って来た」は、男二人と女一人の奇妙な同棲生活を描いた短編です。
さて、片岡義男には、ハードボイルドもあって、なかなか評判が良いようです。
「ミス・リグビーの幸福」は現在も手に入るので、さっそく注文してみました。
ミス・リグビーの幸福―蒼空と孤独の短篇 (ハヤカワ文庫 JA カ) (ハヤカワ文庫JA―片岡義男コレクション)
- 作者: 片岡 義男
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/06/10
- メディア: 文庫
さいごに。(「彼のオートバイ、彼女の島」)
大学生になりたての頃、友人に誘われ、jazz映画「キャバレー」を見に行きました。
そのときついでに見た映画が、同時上映の「彼のオートバイ、彼女の島」でした。
主役は原田知世の姉、貴和子。当時は原田知世ブームだったので、注目されました。
原作は片岡義男。当時のライダーのバイブルだったと、最近初めて知りました。
2018-09-01 04:00
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