吶喊 [20世紀その他文学]
「阿Q正伝・狂人日記」 魯迅 竹内好訳 (岩波文庫)
「吶喊(とっかん)」は、魯迅の最初の作品集で、14の短編と自序から成っています。
「故郷」等が教科書に載っているため、魯迅は本国よりも日本で多く読まれています。
訳者の竹内は魯迅の有名な研究者なので、訳注がとても詳しくて参考になります。
初版が1955年と古いため読みにくいのですが、竹内訳には根強いファンがいます。
冒頭の「自序」は、自己の精神形成史を語ろうとした、半自伝的作品だそうです。
日本の医科大学を突然退学し、小説家になった経緯が書かれていて興味深いです。
「狂人日記」は、最初期の作品です。中国の近代文学の出発点となった名作です。
伝統的な家族制度や儒教倫理の虚偽を、暴露することを意図していたと言います。
しかし私は、中国を植民地化する西洋諸国への批判だと、ずっと思っていました。
「人間を食う」というのは、中国を食いものにしていた西洋諸国のことなのでは?
「孔乙己」は、わずか7ページですが、本好きにとっては愛すべき小品です。
「窃書は盗みとは申せん・・・窃書はな・・・読書人のわざ」・・・(笑)
「故郷」は魯迅の作品中最も広く読まれています。私は中学校の国語で習いました。
30年前「ルントー」は自分にとって英雄でした。しかし、今は・・・泣けます。
「阿Q正伝」は魯迅の最高傑作でしょう。50ページ以上あるのはこの作品だけです。
「正伝」といっても、作者は阿Qの姓も知らなければ、出身や経歴も知りません。
要するに阿Qは最下層の人間で、家はなく日雇いで働き、お金は酒に消えてしまう。
そのくせプライドばかり高く、すぐに喧嘩をして常に負け続け、負け惜しみばかり。
みんなにバカにされ、ある事件を契機に、街の人々から相手にされなくなります。
しばらく姿を消していましたが、たいそう物持ちになって街に帰ってきて・・・
笑える所が多いのですが、それは悲しい笑いです。笑ったあとで泣きたくなります。
特に革命に自ら巻き込まれる結末は、うぬぼれが強いだけの無知な男の悲喜劇です。
ほか、「吶喊」の作品はどれも重苦しく、悲しくなるような作品ばかりです。
中国では日本ほど読まれていないらしいですが、その理由はこの暗さでしょうか。
さて、10年ほど前に古典新訳文庫から、魯迅の読みやすい作品集が出ました。
上記作品のほか「藤野先生」も収録されているベスト集です。魯迅の入門本です。
さいごに。(英検5級にチャレンジ)
娘は、英検5級にチャレンジしています。時々私はリスニング問題を読みあげます。
読むのが下手なので分かりにくいかと思いきや、「逆に分かりやすい」とのこと。
塾で行なうリスニングテストは、「ネイティブに近いので聞き取りにくい」と言う。
私はつっかえつっかえ読むので、かえって耳に残りやすいのだそうです。
「吶喊(とっかん)」は、魯迅の最初の作品集で、14の短編と自序から成っています。
「故郷」等が教科書に載っているため、魯迅は本国よりも日本で多く読まれています。
訳者の竹内は魯迅の有名な研究者なので、訳注がとても詳しくて参考になります。
初版が1955年と古いため読みにくいのですが、竹内訳には根強いファンがいます。
冒頭の「自序」は、自己の精神形成史を語ろうとした、半自伝的作品だそうです。
日本の医科大学を突然退学し、小説家になった経緯が書かれていて興味深いです。
「狂人日記」は、最初期の作品です。中国の近代文学の出発点となった名作です。
伝統的な家族制度や儒教倫理の虚偽を、暴露することを意図していたと言います。
しかし私は、中国を植民地化する西洋諸国への批判だと、ずっと思っていました。
「人間を食う」というのは、中国を食いものにしていた西洋諸国のことなのでは?
「孔乙己」は、わずか7ページですが、本好きにとっては愛すべき小品です。
「窃書は盗みとは申せん・・・窃書はな・・・読書人のわざ」・・・(笑)
「故郷」は魯迅の作品中最も広く読まれています。私は中学校の国語で習いました。
30年前「ルントー」は自分にとって英雄でした。しかし、今は・・・泣けます。
「阿Q正伝」は魯迅の最高傑作でしょう。50ページ以上あるのはこの作品だけです。
「正伝」といっても、作者は阿Qの姓も知らなければ、出身や経歴も知りません。
要するに阿Qは最下層の人間で、家はなく日雇いで働き、お金は酒に消えてしまう。
そのくせプライドばかり高く、すぐに喧嘩をして常に負け続け、負け惜しみばかり。
みんなにバカにされ、ある事件を契機に、街の人々から相手にされなくなります。
しばらく姿を消していましたが、たいそう物持ちになって街に帰ってきて・・・
笑える所が多いのですが、それは悲しい笑いです。笑ったあとで泣きたくなります。
特に革命に自ら巻き込まれる結末は、うぬぼれが強いだけの無知な男の悲喜劇です。
ほか、「吶喊」の作品はどれも重苦しく、悲しくなるような作品ばかりです。
中国では日本ほど読まれていないらしいですが、その理由はこの暗さでしょうか。
さて、10年ほど前に古典新訳文庫から、魯迅の読みやすい作品集が出ました。
上記作品のほか「藤野先生」も収録されているベスト集です。魯迅の入門本です。
さいごに。(英検5級にチャレンジ)
娘は、英検5級にチャレンジしています。時々私はリスニング問題を読みあげます。
読むのが下手なので分かりにくいかと思いきや、「逆に分かりやすい」とのこと。
塾で行なうリスニングテストは、「ネイティブに近いので聞き取りにくい」と言う。
私はつっかえつっかえ読むので、かえって耳に残りやすいのだそうです。
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