史記・世家 [古代文学]
「史記・世家」 司馬遷著 小竹文夫・小竹武夫訳 (ちくま学芸文庫)
世家は、一定の勢力を世襲して、中国史に影響を与えた諸侯の年代記です。
世家30巻は、ちくま学芸文庫から二分冊で出ています。1971年の訳です。
「世家(上)」には、主に秦による統一以前の諸侯が取り上げられています。
呉、斉、魯、燕、蔡と曹、陳と杞、衛、宋、晋、楚、越・・・と続きます。
その中でも、たびたび登場して強い印象を残す人物が2人ありました。
伍子胥(ごししょ)と重耳(ちょうじ)です。共通点は国を追われたこと。
伍子胥はこれまで度々登場してきましたが、実に賢明で興味深い人物です。
彼は、越王勾践(こうせん)のもとで礼遇され、大きな存在感を示しました。
越王勾践は呉王夫差と戦い、臥薪嘗胆の逸話で有名です。
しかしその戦いの陰の主役は、いや真の主役は伍子胥だったのではないか?
また、晋の重耳の物語はドラマチックで、読んでいてワクワクしました。
これは典型的な貴種流離譚です。当時の人々にも好まれそうな伝説です。
重耳の物語には、様々な逸話が付随していて、それがどれも面白いです。
晋の恵公と家臣の里克の話、恵公と秦の繆公の話なども印象的に残りました。
世家には、そのほか多くの強烈な人物が登場します。斉の崔杼(さいちょ)、
斉の陳軫(ちんしん)、越の范蠡(はんれい)と種(しょう)・・・
忘れていけないのは、趙の程嬰と杵臼(しきゅう)、衛の子路など。
命を賭けて国を守ろうとする忠臣の姿に、とてもしびれました。
「世家(下)」では、項羽と劉邦でおなじみの人物たちが登場します。
陳勝と呉広、蕭何(しょうか)、曹参、張良、陳平、周勃・・・
最も印象的なのは、なんといっても張良。その人生は伝説に彩られています。
人並み優れた彼の智謀は、ある老父から太公望の兵書を授かったからでした。
鴻門之会で沛公を救い、不利だった形勢を逆転させ、項王を追い込み・・・
「はかりごとを帷幄の中にめぐらし、勝利を千里の外で決した」とのこと。
最も興味深かったのは、陳平です。奇計で天下を動かした「奇謀の士」です。
鴻門之会で項王方だった陳平が、沛公に寝返った後、これほど活躍したとは!
反間の計で項王と亜父を離間させて・・・不意を突いて韓信を捕らえて・・・
そして、呂后に取り入ると見せかけ、その死後、呂氏一族を殲滅し・・・
卑賎から身を起こし、激動の末、丞相に昇りつめた人生は、男のロマンです。
生涯秘密にしたと伝えられる数々の奇計は、どんなものだったのでしょうか?
ところで、「史記」の本紀と列伝については2016年に紹介しています。
「本紀」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-18
「列伝1」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「列伝2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-09
さいごに。(ポルテ)
車を替えました。これまで軽自動車2台でしたが、なにかと不便だったので。
私のミラジーノを、トヨタのポルテにしました。もちろん、中古車です。
久しぶりに普通車に乗って、こんなにデカかったっけ、と思いました。
車幅に慣れないので、ゆっくり通勤しています。車庫入れも難しくて・・・
世家は、一定の勢力を世襲して、中国史に影響を与えた諸侯の年代記です。
世家30巻は、ちくま学芸文庫から二分冊で出ています。1971年の訳です。
「世家(上)」には、主に秦による統一以前の諸侯が取り上げられています。
呉、斉、魯、燕、蔡と曹、陳と杞、衛、宋、晋、楚、越・・・と続きます。
その中でも、たびたび登場して強い印象を残す人物が2人ありました。
伍子胥(ごししょ)と重耳(ちょうじ)です。共通点は国を追われたこと。
伍子胥はこれまで度々登場してきましたが、実に賢明で興味深い人物です。
彼は、越王勾践(こうせん)のもとで礼遇され、大きな存在感を示しました。
越王勾践は呉王夫差と戦い、臥薪嘗胆の逸話で有名です。
しかしその戦いの陰の主役は、いや真の主役は伍子胥だったのではないか?
また、晋の重耳の物語はドラマチックで、読んでいてワクワクしました。
これは典型的な貴種流離譚です。当時の人々にも好まれそうな伝説です。
重耳の物語には、様々な逸話が付随していて、それがどれも面白いです。
晋の恵公と家臣の里克の話、恵公と秦の繆公の話なども印象的に残りました。
世家には、そのほか多くの強烈な人物が登場します。斉の崔杼(さいちょ)、
斉の陳軫(ちんしん)、越の范蠡(はんれい)と種(しょう)・・・
忘れていけないのは、趙の程嬰と杵臼(しきゅう)、衛の子路など。
命を賭けて国を守ろうとする忠臣の姿に、とてもしびれました。
「世家(下)」では、項羽と劉邦でおなじみの人物たちが登場します。
陳勝と呉広、蕭何(しょうか)、曹参、張良、陳平、周勃・・・
最も印象的なのは、なんといっても張良。その人生は伝説に彩られています。
人並み優れた彼の智謀は、ある老父から太公望の兵書を授かったからでした。
鴻門之会で沛公を救い、不利だった形勢を逆転させ、項王を追い込み・・・
「はかりごとを帷幄の中にめぐらし、勝利を千里の外で決した」とのこと。
最も興味深かったのは、陳平です。奇計で天下を動かした「奇謀の士」です。
鴻門之会で項王方だった陳平が、沛公に寝返った後、これほど活躍したとは!
反間の計で項王と亜父を離間させて・・・不意を突いて韓信を捕らえて・・・
そして、呂后に取り入ると見せかけ、その死後、呂氏一族を殲滅し・・・
卑賎から身を起こし、激動の末、丞相に昇りつめた人生は、男のロマンです。
生涯秘密にしたと伝えられる数々の奇計は、どんなものだったのでしょうか?
ところで、「史記」の本紀と列伝については2016年に紹介しています。
「本紀」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-18
「列伝1」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「列伝2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-09
さいごに。(ポルテ)
車を替えました。これまで軽自動車2台でしたが、なにかと不便だったので。
私のミラジーノを、トヨタのポルテにしました。もちろん、中古車です。
久しぶりに普通車に乗って、こんなにデカかったっけ、と思いました。
車幅に慣れないので、ゆっくり通勤しています。車庫入れも難しくて・・・
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