齋藤孝のざっくり!世界史 [哲学・歴史・芸術]
「齋藤孝のざっくり!世界史」 齋藤孝 (祥伝社黄金文庫)
5つのキーワードを核に、細かいことを脇に置いて、流れをたどった歴史本です。
キーワードは、「近代化」「帝国」「欲望」「モンスター」「宗教」の5つです。
キーワードごと5章に分けられていますが、全ての章に驚きがありました。
私的に特に面白かったのは、第1章の「近代化」と第5章の「宗教」です。
「実は、ヨーロッパの柱とは古代ギリシア・ローマなのです。」(P16)
加速せずにはいられない近代化の源を、なんと、古代地中海文明に求めています。
それは、当時そこで民主主義が生まれ、人間中心の社会が営まれていたからです。
民主主義が機能していた時代は、人間の合理性や明晰性が重視されていました。
しかし中世、神が世界を支配していた頃、合理性や明晰性は押しつぶされました。
それを、古代ギリシア・ローマをお手本に復活させたのが、ルネサンス期でした。
神より人間が勝っていくこの時期、人間の合理性と明晰性が再び重視されました。
やがてそれは巨大なパワーとなり、近代化を促し、全世界を吞みこんでいきます。
近代の人間中心社会において、人間は自信を回復し、あらゆることに挑戦し・・・
人間が近代合理主義を推し進めた結果、人間は管理社会に隷属するようになり・・・
と、とても分かりやすく「ざっくり」まとめられています。
しかし、これは本書の最初の、ほんのわずかな部分です。
ほかにも、「軍隊や資本の独占ではなく、知の独占こそが権力そのものだ」とか、
「知の源泉である聖書を独占したからこそ、中世の教会は全てを支配できた」とか。
「教会から民衆に知を取り戻そうとしたのが、ルターの宗教改革の意味だ」とか、
「だから、ルターが聖書をラテン語からドイツ語に訳した意味は大きい」とか・・・
文字を独占する者が、知を独占する。知を独占する者が、文化を独占する。
と、私は漠然とイメージしていましたが、これらの記述はとても参考になりました。
さて、私がこの本で参考になった最大の点は、その書き方です。
一つのテーマに絞って、ざっくりと世界史の流れを鷲づかみにする、その手法です。
私は月1回のペースで、「世界文学の歴史をざっくりとつかむ」を連載しています。
しかし考えるうちに、書きたいことが次々と湧き出てきて、ざっくりと書けません。
8回の連載を振り返ると、ただ世界文学史をたどっているだけになっています。
これではもう一度全てひっくるめて、ざっくり書き直さなければならない(笑)。
齋藤孝だったら、いったいどんなふうに書いたでしょうか・・・
ざっくり!シリーズは他に、「日本史」「西洋哲学」「美術史」などが出ています。
さいごに。(トルコ至宝展より・・・)
年度末、ばたばたしていて、仕事がなかなか片付かず、持ち帰りも多いです。
しかし、妻オススメの「トルコ至宝展」のため、家族で東京に出るつもりです。
ついでに、サンシャイン水族館まで行き、「空飛ぶペンギン」を見たいです。
娘が昨年、修学旅行で行きたかった場所です。我々には、こちらがメインかも。
5つのキーワードを核に、細かいことを脇に置いて、流れをたどった歴史本です。
キーワードは、「近代化」「帝国」「欲望」「モンスター」「宗教」の5つです。
キーワードごと5章に分けられていますが、全ての章に驚きがありました。
私的に特に面白かったのは、第1章の「近代化」と第5章の「宗教」です。
「実は、ヨーロッパの柱とは古代ギリシア・ローマなのです。」(P16)
加速せずにはいられない近代化の源を、なんと、古代地中海文明に求めています。
それは、当時そこで民主主義が生まれ、人間中心の社会が営まれていたからです。
民主主義が機能していた時代は、人間の合理性や明晰性が重視されていました。
しかし中世、神が世界を支配していた頃、合理性や明晰性は押しつぶされました。
それを、古代ギリシア・ローマをお手本に復活させたのが、ルネサンス期でした。
神より人間が勝っていくこの時期、人間の合理性と明晰性が再び重視されました。
やがてそれは巨大なパワーとなり、近代化を促し、全世界を吞みこんでいきます。
近代の人間中心社会において、人間は自信を回復し、あらゆることに挑戦し・・・
人間が近代合理主義を推し進めた結果、人間は管理社会に隷属するようになり・・・
と、とても分かりやすく「ざっくり」まとめられています。
しかし、これは本書の最初の、ほんのわずかな部分です。
ほかにも、「軍隊や資本の独占ではなく、知の独占こそが権力そのものだ」とか、
「知の源泉である聖書を独占したからこそ、中世の教会は全てを支配できた」とか。
「教会から民衆に知を取り戻そうとしたのが、ルターの宗教改革の意味だ」とか、
「だから、ルターが聖書をラテン語からドイツ語に訳した意味は大きい」とか・・・
文字を独占する者が、知を独占する。知を独占する者が、文化を独占する。
と、私は漠然とイメージしていましたが、これらの記述はとても参考になりました。
さて、私がこの本で参考になった最大の点は、その書き方です。
一つのテーマに絞って、ざっくりと世界史の流れを鷲づかみにする、その手法です。
私は月1回のペースで、「世界文学の歴史をざっくりとつかむ」を連載しています。
しかし考えるうちに、書きたいことが次々と湧き出てきて、ざっくりと書けません。
8回の連載を振り返ると、ただ世界文学史をたどっているだけになっています。
これではもう一度全てひっくるめて、ざっくり書き直さなければならない(笑)。
齋藤孝だったら、いったいどんなふうに書いたでしょうか・・・
ざっくり!シリーズは他に、「日本史」「西洋哲学」「美術史」などが出ています。
齋藤孝のざっくり!日本史 「すごいよ!ポイント」で本当の面白さが見えてくる (祥伝社黄金文庫)
- 作者: 齋藤 孝
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2010/08/31
- メディア: 文庫
齋藤孝のざっくり! 西洋哲学 ソクラテスからマルクス、ニーチェまでひとつかみ (祥伝社黄金文庫)
- 作者: 齋藤 孝
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2017/03/15
- メディア: 文庫
さいごに。(トルコ至宝展より・・・)
年度末、ばたばたしていて、仕事がなかなか片付かず、持ち帰りも多いです。
しかし、妻オススメの「トルコ至宝展」のため、家族で東京に出るつもりです。
ついでに、サンシャイン水族館まで行き、「空飛ぶペンギン」を見たいです。
娘が昨年、修学旅行で行きたかった場所です。我々には、こちらがメインかも。
コメント 0