オセロー [17世紀文学]
「新訳 オセロー」 シェイクスピア作 河合祥一郎訳 (角川文庫)
ヴェニスの将軍でムーア人のオセローが、部下の姦計によって破滅する悲劇です。
17世紀初頭に書かれたシェイクスピア四大悲劇のうち、二つ目の作品です。
ヴェニスの軍人オセローは、冷静沈着でとても人望のある、ムーア人の将軍です。
オセローは旗手イアーゴーを信頼していますが、彼はオセローを憎んでいました。
イアーゴーはオセローに、副官キャシオーと妻が密通しているように匂わせ・・・
姦計にひっかかったオセローは、貞節な妻デズデモーナを疑ってかかり・・・
この戯曲の感想を一言でまとめるなら、「やりきれない!」です。
気高いオセローが、どうしてイアーゴーのような悪党に、してやられたのか?
「気をつけるんだな、ムーア人、娘に、ずっと。
父を騙した女だ、騙されるぞ、おまえもきっと。」(P42)
ブラバンショーのこの言葉が、まるで呪いのように、最後まで響き続けています。
オセローの悲劇は、立派な人格を持ちながら、人を見る目を持たなかった点にある。
いやいや、むしろ、イアーゴーの偽装の巧みさをほめる(?)べきかもしれません。
正直者の仮面を被りながら、腹の中は真っ黒。こういうやからが、最もタチ悪い。
「悪魔は最もおぞましい罪を犯すとき、まず神々しく見せかけるもんだ、」(P83)
嫉妬するなと言いながら、オセローを嫉妬に狂わせる手口は、まさに悪魔的でした。
しかしこのワルは、こんな粋なことも言っています。
イアーゴーは、哲学を持ったワルであり、彼には、悪の魅力と存在感があります。
「性格だと? くだらん! 自分がどういう人間か決めるのは、自分次第だ。」
この戯曲は、「オセロー」ではなく、「イアーゴー」でもよかったかもしれません。
一方、オセローを愛したデズデモーナも、オセロー思いのキャシオーも、共に・・・
この作品は、偽りの正直者によって、本当の正直者がバカを見る物語でもあります。
しかしそれにしても、デズデモーナはかわいそう。そういう同情からでしょうか?
天王星の衛星や、小惑星に、デズデモーナ(不運)という名前が付けられています。
さいごに。(卒業式)
先日、娘の小学校の卒業式がありました。平日だったため、私は行けませんでした。
入学式を、ついこのあいだのように思い出します。あのころは本当に幼かった。
あれから6年。過ぎ去ってみると、あっという間でした。
次の6年(中学・高校)も、あっという間に過ぎ去ってしまうのでしょうか。
ヴェニスの将軍でムーア人のオセローが、部下の姦計によって破滅する悲劇です。
17世紀初頭に書かれたシェイクスピア四大悲劇のうち、二つ目の作品です。
ヴェニスの軍人オセローは、冷静沈着でとても人望のある、ムーア人の将軍です。
オセローは旗手イアーゴーを信頼していますが、彼はオセローを憎んでいました。
イアーゴーはオセローに、副官キャシオーと妻が密通しているように匂わせ・・・
姦計にひっかかったオセローは、貞節な妻デズデモーナを疑ってかかり・・・
この戯曲の感想を一言でまとめるなら、「やりきれない!」です。
気高いオセローが、どうしてイアーゴーのような悪党に、してやられたのか?
「気をつけるんだな、ムーア人、娘に、ずっと。
父を騙した女だ、騙されるぞ、おまえもきっと。」(P42)
ブラバンショーのこの言葉が、まるで呪いのように、最後まで響き続けています。
オセローの悲劇は、立派な人格を持ちながら、人を見る目を持たなかった点にある。
いやいや、むしろ、イアーゴーの偽装の巧みさをほめる(?)べきかもしれません。
正直者の仮面を被りながら、腹の中は真っ黒。こういうやからが、最もタチ悪い。
「悪魔は最もおぞましい罪を犯すとき、まず神々しく見せかけるもんだ、」(P83)
嫉妬するなと言いながら、オセローを嫉妬に狂わせる手口は、まさに悪魔的でした。
しかしこのワルは、こんな粋なことも言っています。
イアーゴーは、哲学を持ったワルであり、彼には、悪の魅力と存在感があります。
「性格だと? くだらん! 自分がどういう人間か決めるのは、自分次第だ。」
この戯曲は、「オセロー」ではなく、「イアーゴー」でもよかったかもしれません。
一方、オセローを愛したデズデモーナも、オセロー思いのキャシオーも、共に・・・
この作品は、偽りの正直者によって、本当の正直者がバカを見る物語でもあります。
しかしそれにしても、デズデモーナはかわいそう。そういう同情からでしょうか?
天王星の衛星や、小惑星に、デズデモーナ(不運)という名前が付けられています。
さいごに。(卒業式)
先日、娘の小学校の卒業式がありました。平日だったため、私は行けませんでした。
入学式を、ついこのあいだのように思い出します。あのころは本当に幼かった。
あれから6年。過ぎ去ってみると、あっという間でした。
次の6年(中学・高校)も、あっという間に過ぎ去ってしまうのでしょうか。
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