エデンの東 第一部 [20世紀アメリカ文学]
「エデンの東 1」 ジョン・スタインベック作 土屋雅雄訳 (ハヤカワepi文庫)
トラスク家とハミルトン家の人びとの、三代にわたる愛憎を描いた長編小説です。
人間がこの世に生きる意味を問う、という構想で書かれた、集大成的な作品です。
「第一部」は、父サイラス・トラスクと、主人公アダム・トラスクの物語です。
父サイラスは、南北戦争で一兵卒として戦い、右足の膝から下を失いました。
帰郷したとき、アダムはまだ0歳。妻を失ったので、第二の妻をめとりました。
すぐにチャールズが生まれて、アダムと異母弟チャールズは一緒に育ちました。
青年となったアダムは優しい性格でしたが、父の命令によって軍隊に入りました。
アダムは昔から父が好きではありません。しかし父はアダムを愛していたのです。
チャールズは父に似て腕力がありましたが、家に残って農場経営に携わりました。
チャールズは父が好きでしたが、父に愛されていないことをよく知っていました。
だからこの異母兄弟は親密でありながらも、どこかぎくしゃくしています。
特にチャールズは、兄アダムを慕いながらも、時に嫉妬を爆発させます。
アダムは結局10年にわたって軍務に就き、その後3年間各地を放浪し続けました。
その間チャールズは、農場経営に邁進して、農場をとても立派なものとしました。
一方父サイラスは、いつのまにか北軍の陸海軍人会の重要人物となっていました。
そして父が死んだとき、アダムとチャールズには、莫大な財産が残されたのです。
アダムが37歳のとき、家の前で重傷の美女が倒れていました。キャシーです。
チャールズの反対を押し切り、アダムはキャシーと結婚して、家を出て・・・
第一部で最も興味深かったのは、父サイラスの後半生です。
アクの強いこの男は、一歩まちがえばただのホラ吹きにすぎません。
ところが、そのオタク的知識とずうずうしさゆえに、重要な地位を確保しました。
しかもちゃんと、息子に財産を残しました。出所の分からない大金で・・・
P54以降、サイラスがアダムと散歩しながら語り合う場面は、味わいがありました。
サイラスはサイラスなりに、アダムに対して愛情を持っていたことが分かります。
それから、なんといってもキャシーですよ。こういう毒婦が物語を面白くします。
チャールズを懐柔するために、彼女はどのような手段をとったか?!・・・
しかし、第一部では、まだまだキャシーは本領を発揮していません。
第二部はいかに? とても楽しみです。
さて、解説によるとこの小説は、聖書の「カインとアベル」をもとにしています。
「カイン」が、神に愛されている「アベル」を殺して、追放される物語です。
タイトルの「エデンの東」とは、「カイン」が追放された土地のことだそうです。
そしてこの小説は、「カイン」の物語の新しい解釈となっていると言います。
そして「カインとアベル」の父は「アダム」です。「アダムとイヴ」の「アダム」。
だから小説のアダムも、「カインとアベル」の父として描かれているはずです。
それならば当然、アダムの妻キャシーは、聖書の「イヴ」にあたることになります。
そしてふたりが向かったカリフォルニアは、楽園を連想させますが・・・
ところがアダムは、異母弟のチャールズから、半殺しの目にあわされます。
ここは、「アベル」が「カイン」に殺される場面を連想させますが・・・
そういえば、チャールズの額には痣ができました。
キャシーの額にも傷痕がありました。これは、罪びとの印なのか・・・
というように、象徴的意味を考えていくと、次から次に解釈が現れてきます。
そういう意味で、研究対象としても面白い作品なのだそうです。
さいごに。(使えないものは契約できない仕組みにしてほしい)
私は、IIJmioのオプションで、ウィルスバスター・モバイル版に入っていました。
私のSurface3は、月額250円でウィルスから守られていると、思い込んでいました。
ところが、タブレットにモバイル版は入らず、今まで利用できていなかったのです。
もったいない! 2年間払い続けていたお金は、まったくの無駄だったのです。
トラスク家とハミルトン家の人びとの、三代にわたる愛憎を描いた長編小説です。
人間がこの世に生きる意味を問う、という構想で書かれた、集大成的な作品です。
「第一部」は、父サイラス・トラスクと、主人公アダム・トラスクの物語です。
父サイラスは、南北戦争で一兵卒として戦い、右足の膝から下を失いました。
帰郷したとき、アダムはまだ0歳。妻を失ったので、第二の妻をめとりました。
すぐにチャールズが生まれて、アダムと異母弟チャールズは一緒に育ちました。
青年となったアダムは優しい性格でしたが、父の命令によって軍隊に入りました。
アダムは昔から父が好きではありません。しかし父はアダムを愛していたのです。
チャールズは父に似て腕力がありましたが、家に残って農場経営に携わりました。
チャールズは父が好きでしたが、父に愛されていないことをよく知っていました。
だからこの異母兄弟は親密でありながらも、どこかぎくしゃくしています。
特にチャールズは、兄アダムを慕いながらも、時に嫉妬を爆発させます。
アダムは結局10年にわたって軍務に就き、その後3年間各地を放浪し続けました。
その間チャールズは、農場経営に邁進して、農場をとても立派なものとしました。
一方父サイラスは、いつのまにか北軍の陸海軍人会の重要人物となっていました。
そして父が死んだとき、アダムとチャールズには、莫大な財産が残されたのです。
アダムが37歳のとき、家の前で重傷の美女が倒れていました。キャシーです。
チャールズの反対を押し切り、アダムはキャシーと結婚して、家を出て・・・
第一部で最も興味深かったのは、父サイラスの後半生です。
アクの強いこの男は、一歩まちがえばただのホラ吹きにすぎません。
ところが、そのオタク的知識とずうずうしさゆえに、重要な地位を確保しました。
しかもちゃんと、息子に財産を残しました。出所の分からない大金で・・・
P54以降、サイラスがアダムと散歩しながら語り合う場面は、味わいがありました。
サイラスはサイラスなりに、アダムに対して愛情を持っていたことが分かります。
それから、なんといってもキャシーですよ。こういう毒婦が物語を面白くします。
チャールズを懐柔するために、彼女はどのような手段をとったか?!・・・
しかし、第一部では、まだまだキャシーは本領を発揮していません。
第二部はいかに? とても楽しみです。
さて、解説によるとこの小説は、聖書の「カインとアベル」をもとにしています。
「カイン」が、神に愛されている「アベル」を殺して、追放される物語です。
タイトルの「エデンの東」とは、「カイン」が追放された土地のことだそうです。
そしてこの小説は、「カイン」の物語の新しい解釈となっていると言います。
そして「カインとアベル」の父は「アダム」です。「アダムとイヴ」の「アダム」。
だから小説のアダムも、「カインとアベル」の父として描かれているはずです。
それならば当然、アダムの妻キャシーは、聖書の「イヴ」にあたることになります。
そしてふたりが向かったカリフォルニアは、楽園を連想させますが・・・
ところがアダムは、異母弟のチャールズから、半殺しの目にあわされます。
ここは、「アベル」が「カイン」に殺される場面を連想させますが・・・
そういえば、チャールズの額には痣ができました。
キャシーの額にも傷痕がありました。これは、罪びとの印なのか・・・
というように、象徴的意味を考えていくと、次から次に解釈が現れてきます。
そういう意味で、研究対象としても面白い作品なのだそうです。
さいごに。(使えないものは契約できない仕組みにしてほしい)
私は、IIJmioのオプションで、ウィルスバスター・モバイル版に入っていました。
私のSurface3は、月額250円でウィルスから守られていると、思い込んでいました。
ところが、タブレットにモバイル版は入らず、今まで利用できていなかったのです。
もったいない! 2年間払い続けていたお金は、まったくの無駄だったのです。
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