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エデンの東 第二部 [20世紀アメリカ文学]

 「エデンの東 2」 ジョン・スタインベック作 土屋雅雄訳 (ハヤカワepi文庫)


 トラスク家とハミルトン家の人びとの、三代にわたる愛憎を描いた長編小説です。
 人間がこの世に生きる意味を問う、という構想で書かれた、集大成的な作品です。


エデンの東 新訳版 (2) (ハヤカワepi文庫)

エデンの東 新訳版 (2) (ハヤカワepi文庫)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/01/24
  • メディア: 文庫



 アダム・トラスクはキャシーを伴い、カリフォルニアのサリーナスにやってきました。
 妻の美貌に目を奪われているアダムは、その真の姿が見えず、見ようともしません。

 キャシーが妊娠していることも知らず、誰の子を妊娠しているかさえ知りません。
 キャシーとともに住む楽園を夢想するばかりで、彼女の本心を考えようとしません。

 豊かな土地を買ったアダムは、井戸掘り名人のサミュエル・ハミルトンを知りました。
 いつも冗談ばかり言っているサミュエルですが、しかし不思議な魅力を持つ男で・・・

 アダムとサミュエルとの出会いの場面は、次のような象徴的な文章で描かれています。
 「アダムの前に大きな男がいた。聖書に出てくる族長のような顎鬚を生やし」(P38)

 本当にサミュエルは、一族を導く古代の族長のようです。いわば預言者的な存在です。
 キャシーに「光」を見るアダムの横で、いち早く「闇」が迫るのを感じていました。

 P104では、突然サミュエルは厳しい口調となって、アダムに激しく語りかけます。
 それはまるで、神の言葉を預かり伝えているようで、一種厳粛な感じがしました。

 実際サミュエルは、神から名を呼ばれた預言者「サムエル」から名前をとっています。
 この物語においても、サミュエルはアダムを支えて、とても大きな役割を果たします。

 サミュエルが放つ印象的な言葉があります。アダムを励ます言葉です。(P204)
 「生きる振りをしつづけるんだ(中略)長くやりつづければ―それが真実になる」

 ふがいない主人公アダムを支えるもう一人の男がいます。それが、召使のリーです。
 アダムがどうしようもなかったとき、双子の世話をし、育てたのがリーでした。

 サミュエルとリーは、お互いに認め合っている存在です。どこか似ています。
 そして、ふたりとも何か過去に苦しい出来事があったような・・・

 さて、第二部の顔はキャシーになると思っていました。実際は、サミュエルでした。
 しかしキャシーも大活躍(?)です。文学史上最悪の毒婦が、いよいよ本領を発揮!

 妊娠したときどうしたか? 子を産んだあとどうしたか? 娼婦の館でどうしたか?
 すごい行動力です。決めたら迷いがありません。むしろ、すがすがしいほどです。

 一方、アダムは本当におばかさん。キャシーは「出ていく」と宣言していたのに!
 妻を見ようとせず、向き合おうとしなかった結果、みっともないうろたえ様で・・・

 ともかく、アダムから双子が誕生しました。どちらがカインで、どちらがアベルか。
 まだ分かりませんが、子供たちに悲劇が訪れることは、伏線として示されています。

 さいごに。(GPS付きウォッチ)

 土曜と日曜の夕方には、30分ジョッグに出かけます。
 しかし、どのぐらいの距離を走っているのか分かりません。3キロぐらいか?

 ガーミンのランニング用のGPS付きウォッチがほしい、と思ったら値段が高かった。
 でも中には中国製(?)で、1万円を切るものもあるという。現在、リサーチ中です。





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