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銀河帝国の興亡1 [20世紀アメリカ文学]

 「銀河帝国の興亡1」 アイザック・アシモフ作 鍛冶靖子訳 (創元SF文庫)


 銀河帝国崩壊後の暗黒時代を短縮するため作られた、ファウンデーションの物語です。
 1940年代に書き始められたシリーズで、500年にわたる壮大なスペース・オペラです。


銀河帝国の興亡(1)【新訳版】: 風雲編 (創元SF文庫 ア)

銀河帝国の興亡(1)【新訳版】: 風雲編 (創元SF文庫 ア)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2021/08/31
  • メディア: 文庫



ファウンデーション ―銀河帝国興亡史〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

ファウンデーション ―銀河帝国興亡史〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2021/10/10
  • メディア: 文庫



 銀河系の2500万の全人類居住区は、惑星トランターの帝国に忠誠を誓っていました。
 しかしすでに衰退は始まり、心理学者のセルダンによって滅亡が予言されていました。

 数学者のドーニックは、セルダンの招へいを受けて、トランターにやってきました。
 ところが翌日、セルダンとともに逮捕され、公安委員会による裁判が始まったのです。

 セルダンは心理歴史学の立場から、近く帝国が滅亡し、無政府状態になると伝えます。
 人類の知識を保存することで、3万年続く無政府状態を500年に短縮すると言います。

 「帝国は滅亡し、それとともにすべてのよきものも失われる。蓄積された知識は消失
 し、確立された秩序も崩壊する。恒星間戦争がはてしなくつづき、恒星間貿易は衰退
 する。人口は減少し、諸惑星は銀河系中心部との接触を失う ― そうした状態がいつ
 までもつづく。」(P49)

 銀河百科事典編纂者たちは、銀河の端の惑星テルミヌスへ強制移住させられました。
 しかし、セルダンはそこまで読んで、2年半前から準備をしていたのです・・・

 これが「ファウンデーション」で、第二の帝国を築くための「土台」となる機関です。
 数々の危機を乗り越えてゆくことで、しだいに銀河の覇者へと成長していきます。

 最初の危機のとき活躍したのが、テルミヌス市の市長サルヴァー・ハーディンです。
 惑星アナクレオンとの対決を余儀なくされたとき、彼が利用したのは〇〇の力で・・・

 次の危機を乗り越えたのが、宇宙貿易商人のホバー・マロウです。
 帝国の支援を受けて攻め寄せる惑星コレル軍に対し、彼が使ったのは〇〇の力で・・・

 しかし何といっても最も印象的なのは、ファウンデーション創設者のセルダンです。
 彼の樹立した「心理歴史学」は、人類の未来を予測できる実にユニークな学問です。

 たとえば個々の分子の動きは予測できないが、充分な容積の分子の動きは計算できる。
 人類も、個々の動きは予測できないが、大きな集団ならば趨勢を計算で出せると言う。

 この発想がすごいです。多分、天気予報が正確に行われるのも同じ理屈でしょう。
 とはいえ、天気が分かるのはせいぜい10日後ぐらいまで。しかも、必ず誤差が出ます。

 セルダンは、数十年または数百年後の危機を正確に予測しています。(そんなバカな)
 彼は死後も預言者として(銀河霊として?)、ずっと存在し続けるのです。

 さて、アップルTVで「銀河帝国の興亡」シリーズがドラマ化されるそうです。
 アップルTVに入らないと見られないのかな。DVDレンタルで出ないかなあ・・・

 さいごに。(それなのに立民に入れる理由)

 先の2回にわたって、野党(特に立民)は信用できないみたいなことを書きました。
 それにもかかわらず、私は31日の衆院選で、立民の候補者に投票するつもりでいます。

 というのもこの候補者が、20年前に私の結婚式の司会を、快く受けてくださったから。
 確かな人物なので、政党はともかく、「この人なら」と私は期待しています。

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