どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか? ほか [哲学・歴史・芸術]
「どうで死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?」中島義道(角川文庫)
「カイン 自分の『弱さ』に悩むきみへ」中島義道(新潮文庫)
自分の死と宇宙の終焉という絶対的不幸を前に、いかに生きるべきかを教えた本です。
2004年刊の「どうせ死んでしまう・・・・私は哲学病」を、改題・文庫化したものです。
「私が死んだ後、まもなく地球は膨張する太陽に吞み込まれ、やがて太陽系も無くな
る。そして、巨大な宇宙はその数十億年後に熱死状態になる。私は10歳に満たないこ
ろから、この残酷無比な未来像に縛りつけられたように囚われており、(中略)『ど
うせ死んでしまう、どうせみんな無くなってしまうのだから、人生は何をしても虚し
い』と思っていた。」(P34)
自分の死と宇宙の終焉。
この絶対的不幸のもと、中島少年はいつも「哲学的問い」を持ち続けていました。
「なぜ、私はこの世に自分の意志ではなく生まれさせられ、苦しみあえいで生きねば
ならず、そしてじきに死んでしまわねばならないのか、しかもほとんど何もわからな
いままに。」(P18)
彼は、この問いこそが、生涯をかけて真剣に問うべき問いであると確信しました。
そして、そのような「真理を求めるもの」が自殺してはいけないのは明らかです。
「真理を求めることを第一の生きる目標に定めた者は、それを実現する可能性をみず
から放棄してはならない。」(P28)
真理を求める哲学者は、決してそれを途中で投げ出してはならないのです。
たとえ「どうせ死んでしまう」と分かっていても「いま死んではいけない」のです。
では、この絶対的不幸のもとで、我々はいかに生きていけばいいのか。
それは2章「幸福を求めない」と3章「半隠遁をめざそう」で語られます。
「幸福を求めない」では、死ぬ前にぐれてみよう、という提案が面白かったです。
「上手にぐれるための10冊」は、すべて読みたくなりました。
「半隠遁をめざそう」では、必殺の中島節が聴かれます。
「人生を〈半分〉降りる」でおなじみの、中島独特の人生論が語られます。
さて、新潮文庫からは「カイン 自分の『弱さ』に悩むきみへ」が出ています。
絶対的不幸のもとでの生きるヒントを、T君との悩み相談形式で書いています。
「カイン」は、中島義道の本では、割と人々に受け入れられているようです。
それは、T君に宛てた中島の手紙に、優しさと誠実さが滲みでているからです。
「親を捨てる」「なるべくひとの期待にそむく」「怒る技術を体得する」
「ひとに『迷惑をかける』訓練をする」「自己中心主義を磨き上げる」・・・
と書いていくと、例によって中島がへそ曲がりなこと言ってるように感じます。
しかし、読んでみると・・・中島義道の新たな魅力を発見します。
さいごに。(教科書3万円)
娘の進学先は進学校で、教科書&参考書が多くて驚きました。代金総額3万円。
特に数学と英語が多いですね。娘はこの学校で、勉強についていけるのか?
さっそく春休みの課題に取り組み始めましたが・・・
中学校と高校のレベルの差に驚いています。
「カイン 自分の『弱さ』に悩むきみへ」中島義道(新潮文庫)
自分の死と宇宙の終焉という絶対的不幸を前に、いかに生きるべきかを教えた本です。
2004年刊の「どうせ死んでしまう・・・・私は哲学病」を、改題・文庫化したものです。
どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか? (角川文庫)
- 作者: 中島 義道
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/11/22
- メディア: 文庫
「私が死んだ後、まもなく地球は膨張する太陽に吞み込まれ、やがて太陽系も無くな
る。そして、巨大な宇宙はその数十億年後に熱死状態になる。私は10歳に満たないこ
ろから、この残酷無比な未来像に縛りつけられたように囚われており、(中略)『ど
うせ死んでしまう、どうせみんな無くなってしまうのだから、人生は何をしても虚し
い』と思っていた。」(P34)
自分の死と宇宙の終焉。
この絶対的不幸のもと、中島少年はいつも「哲学的問い」を持ち続けていました。
「なぜ、私はこの世に自分の意志ではなく生まれさせられ、苦しみあえいで生きねば
ならず、そしてじきに死んでしまわねばならないのか、しかもほとんど何もわからな
いままに。」(P18)
彼は、この問いこそが、生涯をかけて真剣に問うべき問いであると確信しました。
そして、そのような「真理を求めるもの」が自殺してはいけないのは明らかです。
「真理を求めることを第一の生きる目標に定めた者は、それを実現する可能性をみず
から放棄してはならない。」(P28)
真理を求める哲学者は、決してそれを途中で投げ出してはならないのです。
たとえ「どうせ死んでしまう」と分かっていても「いま死んではいけない」のです。
では、この絶対的不幸のもとで、我々はいかに生きていけばいいのか。
それは2章「幸福を求めない」と3章「半隠遁をめざそう」で語られます。
「幸福を求めない」では、死ぬ前にぐれてみよう、という提案が面白かったです。
「上手にぐれるための10冊」は、すべて読みたくなりました。
「半隠遁をめざそう」では、必殺の中島節が聴かれます。
「人生を〈半分〉降りる」でおなじみの、中島独特の人生論が語られます。
さて、新潮文庫からは「カイン 自分の『弱さ』に悩むきみへ」が出ています。
絶対的不幸のもとでの生きるヒントを、T君との悩み相談形式で書いています。
「カイン」は、中島義道の本では、割と人々に受け入れられているようです。
それは、T君に宛てた中島の手紙に、優しさと誠実さが滲みでているからです。
「親を捨てる」「なるべくひとの期待にそむく」「怒る技術を体得する」
「ひとに『迷惑をかける』訓練をする」「自己中心主義を磨き上げる」・・・
と書いていくと、例によって中島がへそ曲がりなこと言ってるように感じます。
しかし、読んでみると・・・中島義道の新たな魅力を発見します。
さいごに。(教科書3万円)
娘の進学先は進学校で、教科書&参考書が多くて驚きました。代金総額3万円。
特に数学と英語が多いですね。娘はこの学校で、勉強についていけるのか?
さっそく春休みの課題に取り組み始めましたが・・・
中学校と高校のレベルの差に驚いています。
2022-03-25 04:00
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