SSブログ

ローマの休日 [20世紀アメリカ文学]

 「ローマの休日」 ダルトン・トランボ原案 百瀬しのぶ訳 (ヴィレッジブックス)


 ローマ訪問中の某国王女が、平凡な新聞記者と忘れられない1日を過ごす物語です。
 1953年に公開の映画は、ヘップバーンのデビュー作にして、彼女の最高傑作です。

 完全ノベライズ化したものが、ヴィレッジブックスから出ていましたが、現在絶版。
 ヘップバーンのカバーのように見えますが、これは帯です。私の本にはありません。


ローマの休日 (ヴィレッジブックス)

ローマの休日 (ヴィレッジブックス)

  • 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
  • 発売日: 2001/12/01
  • メディア: 文庫



 最古の王室の一員であるアン王女は、親善旅行の最後に、ローマを訪問しました。
 19歳の美しい王女は、各地で大歓迎されていますが、疲労は限界に達していました。

 「でも、こんな生活にはもう飽き飽き。ほんとうに欲しいのは贅沢な服や宝石ではな
 くて、自由なのに・・・」(P10)

 少女から大人へ移る途上にいる王女は、自分の立場に迷いと怖れを感じていました。
 あやつり人形でしかない職務にうんざりして、外の世界への憧れを抱いていました。

 その夜、王女は厳重に警備された屋敷から抜け出し、一日のみの冒険が始まります。
 そして、外で寝ていたところを、新聞記者のジョー・ブラッドレーと出会いました。

 この出会いを特ダネとして見ていたジョーは、王女と過ごすうちにしだいに・・・
 王女もまた、ジョーとの冒険を通して、生まれて初めての感情を味わって・・・

 という説明など、野暮かもしれません。
 この映画を知らない人は少ないでしょう。その忠実な小説版です。

 よくこの作品は、ローマでのわずか一日の儚い恋を描いた、などと紹介されます。
 もちろんそのとおりであり、結末部の喪失感は、深い余韻となって心に残ります。

 しかし、それ以上にこの作品は、ふたりの成長の物語です。
 特にアン王女については、この経験を通して、少女から大人へと脱皮していきます。

 ふたりが初めてキスをしたとき、王女は突然自分が違う世界の人間だと気づきます。
 そして、自分には王族の一員としての職務があることを、とても強く自覚しました。

 ジョーもまた王女との恋を通して、特ダネより大切なものがあることに気づきます。
 それは信頼です。ラストの記者会見で、お互いの信頼を確認する場面はすばらしい。

 ショートカットになってさらに輝きを増した王女は、これまでとは違う存在です。
 今後アン王女は、ジョーと過ごした一日を、心の支えにして生きていくのでしょう。

 さて、映画「ローマの休日」は、一度は見ておきたい名画です。
 私は大学生のころ見ました。ただただヘップバーンのキュートさに見とれました。


ローマの休日 [DVD]

ローマの休日 [DVD]

  • アーティスト: オードリー・ヘプバーン
  • 出版社/メーカー: ARC
  • 発売日: 2008/03/10
  • メディア: DVD



 さいごに。(最寄りのコメダ、全席禁煙に)

 コメダでは少しずつ、オール禁煙席の店舗を増やしてきていました。
 そしてとうとう最寄りのコメダでも、全席禁煙となってしまいました。

 私は、喫煙席のカウンターを愛用してきたので、正直に言ってとても残念です。
 全席禁煙になって、入るお客さんが増えて、逆に空気が悪くなったような気も・・・

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。