デューン 砂の惑星2 [20世紀アメリカ文学]
「デューン 砂の惑星(中)」フランク・ハーバート作 酒井昭伸訳(ハヤカワ文庫)
砂の惑星アラキスに移ったアトレイデス家と、ハルコンネン家との闘いの物語です。
1965年刊。ハヤカワ文庫で全三巻。今回は中巻「第二部 ムアッディブ」の紹介です。
アトレイデス公爵が死んで、再びハルコンネン男爵家が、砂の惑星を支配しました。
ポールと母ジェシカのソプターは砂嵐に入ったので、二人は死んだと思われました。
ところがふたりは、危ういところを逃れて、砂漠の深奥部を彷徨っていたのです。
ふたりは砂漠の民フレメンの部隊に発見され、その庇護を受けることとなりました。
昔からフレメンには、次のような伝承があったのです。
「ベネ・ゲセリットがきたりて、その息子がわれわれを楽園に導く」と。
フレメンはジェシカこそ伝承のベネ・ゲセリットであり、巫女であると考えました。
ただし伝承は、ジェシカが代理闘士を連れていて、決闘で勝つと伝えているのです。
代理闘士は、弱冠16歳のポールでしかありえません。
屈強なフレメンの男が、ポールに決闘を申し込み、ポールは受けるしかなく・・・
中巻に入って、舞台はフレメンの世界である、アラキスの砂漠となりました。
雰囲気ががらりと変わりましたが、ますます面白くなってきました。
特に興味深いのは、なぜか急にポールが未来を予知できなくなったことです。
予知の空白期が訪れ、ふたりは未来に通じる道筋から外れてしまいました。
「今夜のいずれかの時点において、ポールは意思決定のひとつを通りすぎ、深い未
知の領域に踏みこんでしまっていたのだ。自分を包みこむ時空域把握している。し
かし、『ここ』と『いま』の連続体は、神秘的な『場』として存在していた。まる
で、はるか遠くから谷底を覗きこんだとたん、自分自身の姿を見失ってしまったか
のようだった。」(P65)
予知できないということは、今彼らが未来の分岐点に立っているということです。
それは、ポールとジェシカの行動次第で、未来が大きく変わるということです。
「ここにはさまざまな可能性が沸きたち、集中している。ここでは、ほんのちょっ
とした行動でも――片目をまばたきしたり、不用意な発言をしたり、砂を不適切な
位置に動かしたり、といった程度のことでも――巨大な梃子に力を加えて、既知の
宇宙を動かすこととなる。」(P220)
現在、非常に重要な場面に入っています。
ポールは、かつて何度も予知夢で見てきたフレメンの娘チェイニーと出会い・・・
クライマックスの決闘でも、ポールは予知能力なしで、つまり自力で戦いました。
闘いのあと、ポールはあえて予知のヴィジョンとは違うことをして・・・
終盤、砂漠の中に隠された池が出てきて、フレメンの遠大な計画が垣間見えます。
そして、ワームとメランジとの意外な関係も、少しずつ見えてきます。
次は下巻に入ります。さまざまな謎がどのように明かされていくのか楽しみです。
ポールはいかにして砂の惑星を救うのか? 本当に救うことができるのか?
さいごに。(許しがたい愚行)
7/2のストックホルムのダイヤモンドリーグで、信じられない事件がありました。
400mH のゴールに、環境保護団体(本当に?)のメンバーが乱入したのです。
彼らは数人で横断幕を広げて、ゴールする選手らを妨害したのです。
世界最高峰の選手らを愚弄するような行為に、私は腹が立って腹が立って・・・
砂の惑星アラキスに移ったアトレイデス家と、ハルコンネン家との闘いの物語です。
1965年刊。ハヤカワ文庫で全三巻。今回は中巻「第二部 ムアッディブ」の紹介です。
アトレイデス公爵が死んで、再びハルコンネン男爵家が、砂の惑星を支配しました。
ポールと母ジェシカのソプターは砂嵐に入ったので、二人は死んだと思われました。
ところがふたりは、危ういところを逃れて、砂漠の深奥部を彷徨っていたのです。
ふたりは砂漠の民フレメンの部隊に発見され、その庇護を受けることとなりました。
昔からフレメンには、次のような伝承があったのです。
「ベネ・ゲセリットがきたりて、その息子がわれわれを楽園に導く」と。
フレメンはジェシカこそ伝承のベネ・ゲセリットであり、巫女であると考えました。
ただし伝承は、ジェシカが代理闘士を連れていて、決闘で勝つと伝えているのです。
代理闘士は、弱冠16歳のポールでしかありえません。
屈強なフレメンの男が、ポールに決闘を申し込み、ポールは受けるしかなく・・・
中巻に入って、舞台はフレメンの世界である、アラキスの砂漠となりました。
雰囲気ががらりと変わりましたが、ますます面白くなってきました。
特に興味深いのは、なぜか急にポールが未来を予知できなくなったことです。
予知の空白期が訪れ、ふたりは未来に通じる道筋から外れてしまいました。
「今夜のいずれかの時点において、ポールは意思決定のひとつを通りすぎ、深い未
知の領域に踏みこんでしまっていたのだ。自分を包みこむ時空域把握している。し
かし、『ここ』と『いま』の連続体は、神秘的な『場』として存在していた。まる
で、はるか遠くから谷底を覗きこんだとたん、自分自身の姿を見失ってしまったか
のようだった。」(P65)
予知できないということは、今彼らが未来の分岐点に立っているということです。
それは、ポールとジェシカの行動次第で、未来が大きく変わるということです。
「ここにはさまざまな可能性が沸きたち、集中している。ここでは、ほんのちょっ
とした行動でも――片目をまばたきしたり、不用意な発言をしたり、砂を不適切な
位置に動かしたり、といった程度のことでも――巨大な梃子に力を加えて、既知の
宇宙を動かすこととなる。」(P220)
現在、非常に重要な場面に入っています。
ポールは、かつて何度も予知夢で見てきたフレメンの娘チェイニーと出会い・・・
クライマックスの決闘でも、ポールは予知能力なしで、つまり自力で戦いました。
闘いのあと、ポールはあえて予知のヴィジョンとは違うことをして・・・
終盤、砂漠の中に隠された池が出てきて、フレメンの遠大な計画が垣間見えます。
そして、ワームとメランジとの意外な関係も、少しずつ見えてきます。
次は下巻に入ります。さまざまな謎がどのように明かされていくのか楽しみです。
ポールはいかにして砂の惑星を救うのか? 本当に救うことができるのか?
さいごに。(許しがたい愚行)
7/2のストックホルムのダイヤモンドリーグで、信じられない事件がありました。
400mH のゴールに、環境保護団体(本当に?)のメンバーが乱入したのです。
彼らは数人で横断幕を広げて、ゴールする選手らを妨害したのです。
世界最高峰の選手らを愚弄するような行為に、私は腹が立って腹が立って・・・
コメント 0