幽霊船 [19世紀アメリカ文学]
「幽霊船 他一篇」 メルヴィル作 坂下昇訳 (岩波文庫)
「幽霊船」と「バートルビー」の傑作中編二篇を収録した作品集です。
「幽霊船」は、難破して漂流するスペイン船にまつわる物語です。
岩波文庫から出ていましたが品切れ。楽天オークションで手に入れました。
初版は1979年。訳は古いため、少し 読みにくかったです。
1799年のこと。アメリカの商船のデラーノ船長は、ある難破船に遭遇しました。
それはスペインの奴隷船で、船長のドン・ペニートは、ひどく陰鬱な男でした。
スペイン船の中は、異様な雰囲気に包まれていました。
デラーノは、スペイン人船長から、漂流のいきさつを聴きますが・・・
どうしてこれだけ長い間、漂流していたのか?
どうして壊血病や熱病で、黒人らはそれほど死ななかったのか?
刃物を研ぐようなあの音は何か? この異様な雰囲気は何か?
スペイン人船長に始終付き添っている、バボーなる黒人はいったい何者か?
スペイン人船長のとった衝動的な行動。黒人たちによる意外な行動・・・
最後まで、予想外の展開が続きます。
私はこの作品を、タイトルに惑わされて、ホラー小説として読んでいました。
だから、いつ幽霊が出現するのかと、そればかりに気を取られていました。
しかし、それは間違っていました。ホラー小説よりも、推理小説に近いです。
解説には、「メルヴィルが書いた唯一の推理小説だと評していい」とあります。
そう思って読み返してみると、なかなか良くできた推理小説です。
ただし、訳のせいなのか、とても読みにくい。新訳化を強く望みます。
ところで、この本には「バートルビー」という作品も収録されています。
これがまた、実に興味深いのです。「バートルビー」については次回に。
さいごに。(ラムネ)
町内の夏祭りで、娘は初めてラムネを飲んで、とても気に入ったみたいです。
サンタクロースには、ラムネ10本をお願いする、と今から言っています。
「幽霊船」と「バートルビー」の傑作中編二篇を収録した作品集です。
「幽霊船」は、難破して漂流するスペイン船にまつわる物語です。
岩波文庫から出ていましたが品切れ。楽天オークションで手に入れました。
初版は1979年。訳は古いため、少し 読みにくかったです。
1799年のこと。アメリカの商船のデラーノ船長は、ある難破船に遭遇しました。
それはスペインの奴隷船で、船長のドン・ペニートは、ひどく陰鬱な男でした。
スペイン船の中は、異様な雰囲気に包まれていました。
デラーノは、スペイン人船長から、漂流のいきさつを聴きますが・・・
どうしてこれだけ長い間、漂流していたのか?
どうして壊血病や熱病で、黒人らはそれほど死ななかったのか?
刃物を研ぐようなあの音は何か? この異様な雰囲気は何か?
スペイン人船長に始終付き添っている、バボーなる黒人はいったい何者か?
スペイン人船長のとった衝動的な行動。黒人たちによる意外な行動・・・
最後まで、予想外の展開が続きます。
私はこの作品を、タイトルに惑わされて、ホラー小説として読んでいました。
だから、いつ幽霊が出現するのかと、そればかりに気を取られていました。
しかし、それは間違っていました。ホラー小説よりも、推理小説に近いです。
解説には、「メルヴィルが書いた唯一の推理小説だと評していい」とあります。
そう思って読み返してみると、なかなか良くできた推理小説です。
ただし、訳のせいなのか、とても読みにくい。新訳化を強く望みます。
ところで、この本には「バートルビー」という作品も収録されています。
これがまた、実に興味深いのです。「バートルビー」については次回に。
さいごに。(ラムネ)
町内の夏祭りで、娘は初めてラムネを飲んで、とても気に入ったみたいです。
サンタクロースには、ラムネ10本をお願いする、と今から言っています。
モヒカン族の最後 [19世紀アメリカ文学]
「モヒカン族の最後」 クーパー作 犬飼和雄訳 (ハヤカワ文庫)
白人の猟師とモヒカン族の戦士を中心に、インディアンの争いを描いた名作です。
フレンチ・インディアン戦争時のアメリカを背景にした歴史小説です。
映画「ラスト・オブ・モヒカン」公開の、1993年にハヤカワ文庫から出ました。
しかし、現在は品切れです。私はアマゾンで古本を手に入れました。
18世紀後半の北アメリカでは、イギリス軍とフランス軍が領土を争っていました。
部族間で戦っていたインディアンは、その争いに巻き込まれ、利用されていました。
主人公は白人のホークアイ。鷹の目を持つ男。銃で狙った獲物は必ずしとめます。
その親友は、モヒカン族のアンカスと、その父チンガチグック。有名な戦士です。
彼ら三人は、道に迷って困っている一行に、たまたま出会いました。
イギリス軍の少佐ヘイワードと、司令官の2人の娘コーラとアリスです。
この一行を案内していたのは、ヒューロン族のマグワ。
彼らとの偶然の出会いが、長い冒険の始まりでした。
奇襲、銃撃戦、脱出、救出、追跡、変装、対決、そして大虐殺・・・
憎しみ、恨み、祈り、そして、愛情と友情・・・
最後までワクワクしながら読みました。
歴史小説というより、冒険小説です。ハヤカワ文庫から出ていますし。
歴史的事実を踏まえているため、臨場感があります。
物語の中心になる「ウィリアム・ヘンリー砦の大虐殺」は、実際にあった事件です。
さて、戦いの構図は複雑です。イギリス対フランス。モヒカン族対ヒューロン族。
しかし根本的には、白人対インディアン。
マ グワは狡猾な悪党ですが、見方を変えれば、白人の侵入による犠牲者です。
白人に与えられた酒によって、堕落させられたのですから。
「白人は、うまいことをいってインディアンを騙した。インディアンの戦士を
金で雇って戦わせている。また、うまくごまかして地上の富をかき集めている。」
悪党ながら、マグワの言葉には真実味があります。
作者クーパーの主張も、案外この言葉の中にあるのではないでしょうか。
ところで、クーパーは「アメリカ小説の父」とも言われています。
しかし、日本ではあまり読まれません。代表作の「モヒカン」も品切れです。
ちなみに「モヒカン」は、全5巻の「レザーストッキング物語」の第2部です。
第1部は「開拓者」。岩波文庫では上巻 が品切れ。下巻だけ売ってどうするの?
確かにクーパーの文体は、回りくどくて分かりづらい部分があります。
だからこそ、分かりやすい新訳を出してほしい。内容は面白いのだから。
ちなみに、映画「ラスト・オブ・モヒカン」は、ブルーレイで出ています。
見てみたいです。
さいごに。(朝の楽しみ)
娘が夏休みになったので、ラジオ体操の前に、町内1周のマラソンをしています。
マラソンといっても10分ほどですが、娘と一緒に走るのはとても楽しいです。
白人の猟師とモヒカン族の戦士を中心に、インディアンの争いを描いた名作です。
フレンチ・インディアン戦争時のアメリカを背景にした歴史小説です。
映画「ラスト・オブ・モヒカン」公開の、1993年にハヤカワ文庫から出ました。
しかし、現在は品切れです。私はアマゾンで古本を手に入れました。
18世紀後半の北アメリカでは、イギリス軍とフランス軍が領土を争っていました。
部族間で戦っていたインディアンは、その争いに巻き込まれ、利用されていました。
主人公は白人のホークアイ。鷹の目を持つ男。銃で狙った獲物は必ずしとめます。
その親友は、モヒカン族のアンカスと、その父チンガチグック。有名な戦士です。
彼ら三人は、道に迷って困っている一行に、たまたま出会いました。
イギリス軍の少佐ヘイワードと、司令官の2人の娘コーラとアリスです。
この一行を案内していたのは、ヒューロン族のマグワ。
彼らとの偶然の出会いが、長い冒険の始まりでした。
奇襲、銃撃戦、脱出、救出、追跡、変装、対決、そして大虐殺・・・
憎しみ、恨み、祈り、そして、愛情と友情・・・
最後までワクワクしながら読みました。
歴史小説というより、冒険小説です。ハヤカワ文庫から出ていますし。
歴史的事実を踏まえているため、臨場感があります。
物語の中心になる「ウィリアム・ヘンリー砦の大虐殺」は、実際にあった事件です。
さて、戦いの構図は複雑です。イギリス対フランス。モヒカン族対ヒューロン族。
しかし根本的には、白人対インディアン。
マ グワは狡猾な悪党ですが、見方を変えれば、白人の侵入による犠牲者です。
白人に与えられた酒によって、堕落させられたのですから。
「白人は、うまいことをいってインディアンを騙した。インディアンの戦士を
金で雇って戦わせている。また、うまくごまかして地上の富をかき集めている。」
悪党ながら、マグワの言葉には真実味があります。
作者クーパーの主張も、案外この言葉の中にあるのではないでしょうか。
ところで、クーパーは「アメリカ小説の父」とも言われています。
しかし、日本ではあまり読まれません。代表作の「モヒカン」も品切れです。
ちなみに「モヒカン」は、全5巻の「レザーストッキング物語」の第2部です。
第1部は「開拓者」。岩波文庫では上巻 が品切れ。下巻だけ売ってどうするの?
確かにクーパーの文体は、回りくどくて分かりづらい部分があります。
だからこそ、分かりやすい新訳を出してほしい。内容は面白いのだから。
ちなみに、映画「ラスト・オブ・モヒカン」は、ブルーレイで出ています。
見てみたいです。
ラスト・オブ・モヒカン ディレクターズカット [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- メディア: Blu-ray
さいごに。(朝の楽しみ)
娘が夏休みになったので、ラジオ体操の前に、町内1周のマラソンをしています。
マラソンといっても10分ほどですが、娘と一緒に走るのはとても楽しいです。
ハックルベリ・フィンの冒険 [19世紀アメリカ文学]
「ハックルベリ・フィンの冒険」 マーク・トウェイン作 大久保博訳 (角川文庫)
浮浪児のハックルベリが、逃亡奴隷のジムと一緒に、イカダで旅をする物語です。
「トム・ソーヤーの冒険」の続編で、トムの親友ハックが主人公となっています。
名作なので、多くの文庫から出ています。私が選んだのは、角川文庫版です。
1999年の訳を改定したものです。挿し絵も所々に入っています。
「トム・ソーヤーの冒険」のあと、ハックはダグラスおばさんに引き取られました。
しかし、飲んだくれの父親がやってきて、ハックを連れて行ってしまいました。
森の小屋に閉じ込められたハックは、脱出して、対岸の無人島に逃げ込みました。
すると、そこへ逃亡奴隷のジムがやってきて、二人の冒険が始まります・・・
流れてきた家と男の死体、沈没しかけた蒸気船と悪党たち、宿恨で殺しあう二家、
ニセ王とニセ公爵による様々なペテン、トムとの再会と奴隷解放の冒険・・・
さて、私が最も意外だったことは、ハックが実に賢いということです。
自分の名前さえ書けなかったのが、いつのまにか手紙すら書けるようになっていた!
しかし、それ以上に、ハックの考え方の中に、賢さを感じました。
例えば、奴隷の逃亡を助けることは正義か、という問題について。
当時は、奴隷の逃亡を助けることは禁じられていました。犯罪だったのです。
ところがハックは、よく考えた上で、ジムの逃亡を助ける道を選びます。
人種問題については、この作品の主要なテーマのひとつなのだそうです。
黒人が人間扱いされていないことへの批判が、所々かいま見えます。
「まあ大変! で、だれか怪我をしたかい?」
「いいえ。黒ん坊が一人、死んだだけです」
「そう、それは運がよかったわね。だって、ときには人間が怪我をすること
だって実際にあるんだものね。」(P481)
こういう会話が普通に交わされた時代に、ハックとジムは親友になりました。
そしてハックは、親友の「黒ん坊」を、命がけで守ろうとするのです。
社会批判に満ちた作品で、いろいろと考えさせられました。
トウェインはインテリの読む本だ、という意味がよく分かった気がします。
さいごに。(いいぞ、オラフ)
「アナ雪」に出てくる雪だるまの「オラフ」は、かわいくて面白いと思います。
アナに真実の愛を教えたりして、物語の中で重要な役割も果たしています。
実は「オラフ」の声を担当しているのが、私の高校の同期生です。
昔からひときわ目立っていましたが、これほどビッグになるとは! すごいです。
浮浪児のハックルベリが、逃亡奴隷のジムと一緒に、イカダで旅をする物語です。
「トム・ソーヤーの冒険」の続編で、トムの親友ハックが主人公となっています。
名作なので、多くの文庫から出ています。私が選んだのは、角川文庫版です。
1999年の訳を改定したものです。挿し絵も所々に入っています。
ハックルベリ・フィンの冒険―トウェイン完訳コレクション (角川文庫)
- 作者: マーク トウェイン
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2004/08/01
- メディア: 文庫
「トム・ソーヤーの冒険」のあと、ハックはダグラスおばさんに引き取られました。
しかし、飲んだくれの父親がやってきて、ハックを連れて行ってしまいました。
森の小屋に閉じ込められたハックは、脱出して、対岸の無人島に逃げ込みました。
すると、そこへ逃亡奴隷のジムがやってきて、二人の冒険が始まります・・・
流れてきた家と男の死体、沈没しかけた蒸気船と悪党たち、宿恨で殺しあう二家、
ニセ王とニセ公爵による様々なペテン、トムとの再会と奴隷解放の冒険・・・
さて、私が最も意外だったことは、ハックが実に賢いということです。
自分の名前さえ書けなかったのが、いつのまにか手紙すら書けるようになっていた!
しかし、それ以上に、ハックの考え方の中に、賢さを感じました。
例えば、奴隷の逃亡を助けることは正義か、という問題について。
当時は、奴隷の逃亡を助けることは禁じられていました。犯罪だったのです。
ところがハックは、よく考えた上で、ジムの逃亡を助ける道を選びます。
人種問題については、この作品の主要なテーマのひとつなのだそうです。
黒人が人間扱いされていないことへの批判が、所々かいま見えます。
「まあ大変! で、だれか怪我をしたかい?」
「いいえ。黒ん坊が一人、死んだだけです」
「そう、それは運がよかったわね。だって、ときには人間が怪我をすること
だって実際にあるんだものね。」(P481)
こういう会話が普通に交わされた時代に、ハックとジムは親友になりました。
そしてハックは、親友の「黒ん坊」を、命がけで守ろうとするのです。
社会批判に満ちた作品で、いろいろと考えさせられました。
トウェインはインテリの読む本だ、という意味がよく分かった気がします。
さいごに。(いいぞ、オラフ)
「アナ雪」に出てくる雪だるまの「オラフ」は、かわいくて面白いと思います。
アナに真実の愛を教えたりして、物語の中で重要な役割も果たしています。
実は「オラフ」の声を担当しているのが、私の高校の同期生です。
昔からひときわ目立っていましたが、これほどビッグになるとは! すごいです。
ハックルベリ・フィンの冒険(なぜ古典新訳文庫を買わなかったか) [19世紀アメリカ文学]
「ハックルベリ・フィンの冒険」 マーク・トウェイン作 大久保博訳 (角川文庫)
浮浪児のハックルベリが、逃亡奴隷のジムと一緒に、イカダで旅をする物語です。
「トム・ソーヤーの冒険」の続編です。アメリカ文学の原点とも言われています。
様々な文庫で出ています。中でも古典新訳文庫版は、2014年の夏に出たばかり。
土屋訳は、先行の「トム・ソーヤー」同様、とても分かりやすいです。
古典新訳文庫のカバーは、あいかわらずちょっとオマヌケなイラストです。
しかし、中の挿し絵はとても良いです。数も多くて、配置も工夫されています。
「トム・ソーヤー」同様、本当に本が好きな人が作っているのでしょうね。
もちろん、ストーリーは文句なくすばらしい。訳も原文の良さを生かしています。
ところが、しかし、私は古典新訳文庫版を、選ばなかったのです。なぜか?
それは、コストパフォーマンスです。(要するに値段。セコイ話ですまない)
古典新訳文庫版は1冊1200円。上下合わせて2400円。税を入れると約2600円!
確かにすばらしい本ですが、約400ページで1200円が適正価格でしょうか。
ちなみに、先に発売された「トム・ソーヤー」は、540ページで933円。
安くはありませんが、まあ、充分に納得のできる価格です。
それなら「ハック」は、約800ページで1500円くらいか、と想像していました。
ところが、上下合わせて2400円。許容範囲を大きく超えてしまいました。
私は、文庫本の大きな魅力のひとつに、安さという美徳があると思っています。
古典新訳文庫の「ハック」の価格は、文庫本本来の美徳を損なってしまいました。
こういう理由で、古典新訳文庫の「ハック」を、私は選びません。
中身のすばらしさを認めた上で、泣きながら(アホか)却下いたしました。
さて、「ハックルベリ・フィンの冒険」は、角川、新潮、岩波からも出ています。
さすが、名作です。児童向けのものを入れると、もっと多くなります。
新潮文庫は全1冊で約700円。訳者はNHKドラマで話題の村岡花子。
岩波文庫は二分冊で、合わせて1400円ほど。新潮も岩波も、訳が古すぎます。
結局、私が選んだのは、角川文庫の大久保訳です。全1冊。650ページで743円。
1999年の訳を改定したものです。挿し絵もあります。まあ、無難な作りです。
ところで、勝手な予想ですが、新潮文庫から新訳が出るのではないでしょうか。
少し前に、「トム・ソーヤー」が新訳で出ました。だから、もしかして・・・
今回は、「ハック」の内容に触れられませんでした。
それはまた次回に。
さいごに。(くるかなテスト)
娘の小学校には、「くるかなテスト」というのがあります。
正式名称は、「夏休み来るかな?テスト」。
国語と数学のテストを、100点取るまで何度もやり直すというものです。
今日が夏休み前の最終日ですが、クラス全員が合格しているようで、良かったです。
浮浪児のハックルベリが、逃亡奴隷のジムと一緒に、イカダで旅をする物語です。
「トム・ソーヤーの冒険」の続編です。アメリカ文学の原点とも言われています。
様々な文庫で出ています。中でも古典新訳文庫版は、2014年の夏に出たばかり。
土屋訳は、先行の「トム・ソーヤー」同様、とても分かりやすいです。
古典新訳文庫のカバーは、あいかわらずちょっとオマヌケなイラストです。
しかし、中の挿し絵はとても良いです。数も多くて、配置も工夫されています。
「トム・ソーヤー」同様、本当に本が好きな人が作っているのでしょうね。
もちろん、ストーリーは文句なくすばらしい。訳も原文の良さを生かしています。
ところが、しかし、私は古典新訳文庫版を、選ばなかったのです。なぜか?
それは、コストパフォーマンスです。(要するに値段。セコイ話ですまない)
古典新訳文庫版は1冊1200円。上下合わせて2400円。税を入れると約2600円!
確かにすばらしい本ですが、約400ページで1200円が適正価格でしょうか。
ちなみに、先に発売された「トム・ソーヤー」は、540ページで933円。
安くはありませんが、まあ、充分に納得のできる価格です。
それなら「ハック」は、約800ページで1500円くらいか、と想像していました。
ところが、上下合わせて2400円。許容範囲を大きく超えてしまいました。
私は、文庫本の大きな魅力のひとつに、安さという美徳があると思っています。
古典新訳文庫の「ハック」の価格は、文庫本本来の美徳を損なってしまいました。
こういう理由で、古典新訳文庫の「ハック」を、私は選びません。
中身のすばらしさを認めた上で、泣きながら(アホか)却下いたしました。
さて、「ハックルベリ・フィンの冒険」は、角川、新潮、岩波からも出ています。
さすが、名作です。児童向けのものを入れると、もっと多くなります。
新潮文庫は全1冊で約700円。訳者はNHKドラマで話題の村岡花子。
岩波文庫は二分冊で、合わせて1400円ほど。新潮も岩波も、訳が古すぎます。
結局、私が選んだのは、角川文庫の大久保訳です。全1冊。650ページで743円。
1999年の訳を改定したものです。挿し絵もあります。まあ、無難な作りです。
ハックルベリ・フィンの冒険―トウェイン完訳コレクション (角川文庫)
- 作者: マーク トウェイン
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2004/08/01
- メディア: 文庫
ところで、勝手な予想ですが、新潮文庫から新訳が出るのではないでしょうか。
少し前に、「トム・ソーヤー」が新訳で出ました。だから、もしかして・・・
今回は、「ハック」の内容に触れられませんでした。
それはまた次回に。
さいごに。(くるかなテスト)
娘の小学校には、「くるかなテスト」というのがあります。
正式名称は、「夏休み来るかな?テスト」。
国語と数学のテストを、100点取るまで何度もやり直すというものです。
今日が夏休み前の最終日ですが、クラス全員が合格しているようで、良かったです。
ある婦人の肖像2 [19世紀アメリカ文学]
「ある婦人の肖像」 ヘンリー・ジェイムズ作 行方昭夫訳 (岩波文庫)
(注意。前回の記事の続きです。今回の記事も、ネタバレが多めです。)
若くて美しくて知的なアメリカ人女性が、ヨーロッパで人生を探求する物語です。
作者の代表作です。「ある貴婦人の肖像」というタイトルで、映画化されました。
岩波文庫から、行方訳が出ていますが、現在品切れです。重版を強く願う!
1985年に国書刊行会から出たものの改訳で、とても味わいのある訳です。
ようやく下巻を読み終わりました。
期待通りに、最後まで面白かったです。いや、期待以上に面白かったです。
この本を品切れにしておくなんて、本当にもったいない。
もっともっと読まれていい作品です。
さて、私はいつのまにかこの作品を、ラルフに感情移入して読んでいました。
気づくと、「ラルフのプラトニックラブの物語」として、読んでいたのです。
誠実で繊細なラルフは、どんなことがあっても、イザベルを見捨てません。
イザベルのことを本当に理解していて、一番愛していたのは、ラルフでしょう。
ラルフの死の場面は、強烈な印象が残ります。
彼は、死によって、イザベルへの愛を完成させたのだと思います。
ところで、よく問題になるのが、ラストシーンの解釈です。
イザベルは、ローマに戻って、どうなるのか?
ローマに戻ってオズモンドとの生活を続ける、という解釈には賛成できません。
それでは、ラルフの愛と死の意味が、無くなってしまいます。
ローマに戻ってオズモンドと対決し、二人の関係に決着をつける。(離婚する)
ラルフの死後も、その愛を身近に感じたイザベルは、きっとそうしますよ。
イザベルとオズモンドとの対決は、ローマを出たときに既に始まっています。
その対決に決着をつける勇気を与えたのは、ラルフの死だったのではないか。
(直接のきっかけは、グッドウッドの3度目の求婚であるが)
ほかにも魅力的な登場人物はいます。たとえば、ウォーバトンとグッドウッド。
この二人の求婚者は、タイプが全く異なっていて面白いです。
また、オズモンドとマダム・マールは、実に生き生きと描かれています。
「危険な関係」を思い出しました。こういう悪役(?)が、物語を面白くします。
しかし、何といっても興味深いのが、イザベルの友人で新聞記者のヘンリエッタ。
彼女は何でもズケズケ言い、あつかましくて、時には滑稽でさえあります。
しかし彼女の言い分は、よくよく考えると、それほど的外れではありません。
それどころか、ラルフが言えないことを、はっきり伝える役目を果たしています。
ヘンリエッタは、イザベルの分身のような存在ではないかと思います。
イザベルの無意識を顕在化したような存在。だから、二人は仲良しなのでしょう。
余談ですが、私はこの本に、注釈がないことが、潔くて好ましく感じました。
ただし、フローレンスがフィレンツェだということに、最後まで気付かなかった。
本の中巻のカバーが、なぜフィレンツェなのかと、不思議に思っていたのです。
フローレンスは、辞書にも載っていません。これだけは、注がほしかった。
さいごに。(さよならエラー)
職場対抗のソフトボール大会に参加しました。私はライトの6番。
6対5のリードで迎えた最終回のウラ。相手の攻撃で2アウト満塁。
打球が私に向かって飛んできました。追いついてキャッチ。
と思ったら、グラブからボールがポロリ。敵軍の2者がかえって、サヨナラ負け。
でも、私は全く責められませんでした。というのも、勝っていたらもう一戦。
しかし、我が軍にはもう余力がなくて、みんな家に帰りたがっていたので。
(注意。前回の記事の続きです。今回の記事も、ネタバレが多めです。)
若くて美しくて知的なアメリカ人女性が、ヨーロッパで人生を探求する物語です。
作者の代表作です。「ある貴婦人の肖像」というタイトルで、映画化されました。
岩波文庫から、行方訳が出ていますが、現在品切れです。重版を強く願う!
1985年に国書刊行会から出たものの改訳で、とても味わいのある訳です。
ようやく下巻を読み終わりました。
期待通りに、最後まで面白かったです。いや、期待以上に面白かったです。
この本を品切れにしておくなんて、本当にもったいない。
もっともっと読まれていい作品です。
さて、私はいつのまにかこの作品を、ラルフに感情移入して読んでいました。
気づくと、「ラルフのプラトニックラブの物語」として、読んでいたのです。
誠実で繊細なラルフは、どんなことがあっても、イザベルを見捨てません。
イザベルのことを本当に理解していて、一番愛していたのは、ラルフでしょう。
ラルフの死の場面は、強烈な印象が残ります。
彼は、死によって、イザベルへの愛を完成させたのだと思います。
ところで、よく問題になるのが、ラストシーンの解釈です。
イザベルは、ローマに戻って、どうなるのか?
ローマに戻ってオズモンドとの生活を続ける、という解釈には賛成できません。
それでは、ラルフの愛と死の意味が、無くなってしまいます。
ローマに戻ってオズモンドと対決し、二人の関係に決着をつける。(離婚する)
ラルフの死後も、その愛を身近に感じたイザベルは、きっとそうしますよ。
イザベルとオズモンドとの対決は、ローマを出たときに既に始まっています。
その対決に決着をつける勇気を与えたのは、ラルフの死だったのではないか。
(直接のきっかけは、グッドウッドの3度目の求婚であるが)
ほかにも魅力的な登場人物はいます。たとえば、ウォーバトンとグッドウッド。
この二人の求婚者は、タイプが全く異なっていて面白いです。
また、オズモンドとマダム・マールは、実に生き生きと描かれています。
「危険な関係」を思い出しました。こういう悪役(?)が、物語を面白くします。
しかし、何といっても興味深いのが、イザベルの友人で新聞記者のヘンリエッタ。
彼女は何でもズケズケ言い、あつかましくて、時には滑稽でさえあります。
しかし彼女の言い分は、よくよく考えると、それほど的外れではありません。
それどころか、ラルフが言えないことを、はっきり伝える役目を果たしています。
ヘンリエッタは、イザベルの分身のような存在ではないかと思います。
イザベルの無意識を顕在化したような存在。だから、二人は仲良しなのでしょう。
余談ですが、私はこの本に、注釈がないことが、潔くて好ましく感じました。
ただし、フローレンスがフィレンツェだということに、最後まで気付かなかった。
本の中巻のカバーが、なぜフィレンツェなのかと、不思議に思っていたのです。
フローレンスは、辞書にも載っていません。これだけは、注がほしかった。
さいごに。(さよならエラー)
職場対抗のソフトボール大会に参加しました。私はライトの6番。
6対5のリードで迎えた最終回のウラ。相手の攻撃で2アウト満塁。
打球が私に向かって飛んできました。追いついてキャッチ。
と思ったら、グラブからボールがポロリ。敵軍の2者がかえって、サヨナラ負け。
でも、私は全く責められませんでした。というのも、勝っていたらもう一戦。
しかし、我が軍にはもう余力がなくて、みんな家に帰りたがっていたので。
ある婦人の肖像 [19世紀アメリカ文学]
「ある婦人の肖像」 ヘンリー・ジェイムズ作 行方昭夫訳 (岩波文庫)
(注意。今回の記事は、ネタバレが多めです。)
若くて美しくて知的なアメリカ人女性が、ヨーロッパで人生を探求する物語です。
ジェイムズの代表作です。ニコール・キッドマン主演で、映画化されました。
岩波文庫で全3冊。現在は品切れ。私はヤフー・オークションで手に入れました。
初版は1996年。行方(なめかた)訳は、分かりやすく、味わいもあります。
帯に入っている写真は、ヒロインのイザベルを演じるニコール・キッドマン。
1996年の映画「ある貴婦人の肖像」に合わせて、この本も出ました。
両親を亡くし財産の無いイザベルのもとへ、ある日、金持ちの伯母が訪れます。
イザベルは伯母と一緒に、アメリカからロンドンへ渡り、運が開け始めます。
イザベルは、タチェット家の人々から暖かく迎えられ、皆から愛されます。
個性的な伯母、銀行家として成功した伯父、その息子で肺病のラルフたちに。
そして、財産を持たないイザベルのもとに、次々と求婚者が現れます。
イギリス貴族のウォーバトン卿。アメリカの大経営者グッドウッド氏など。
しかし、イザベルには、自由に世界を飛び周りたいという気持ちがありました。
そして巨額の遺産が手に入り、イザベルは世界に羽ばたく翼を得たのです。
イザベルは、世界に飛び立ったとたんに・・・
彼女が人生の伴侶に選んだ相手は・・・
イザベルのような頭の良い人が、どうしてあんな男を?
それはたぶん、彼女の相反する二つの思いのせいだと思います。
自由に振る舞いたいという思いと、
誰かに全て委ねたいという思いと。
彼女にはもともと、アメリカ娘特有の、自由を求める気質がありました。
だから、財産を持たない頃は、一生懸命に強がって、人の手に落ちなかった。
しかし、思いがけず巨額の遺産が手に入ると、自分の全てを委ねたくなった。
だから、あっさりと、つまらない男の手に落ちてしまった。
周りの人々は、もちろん警告を発します。
しかし、知的で自信家のイザベルには、彼らの言葉が耳に入りません。
結局、故タチェット氏の心配が、現実になりました。
恋を知らない若く美しい女性が、金持ちになるのは、かえって危険ですね。
結婚後、ようやく自分の失敗に気づきますが、もうその時は遅い。
でも、プライドのある彼女は、決して自分の失敗を打ち明けたりしません。
さて、実は現在、私は下巻を読み始めたばかりです
今のイザベルは、ちょっと痛々しいです。
でも、このまま終わるはずはありません。(たぶん)
いったいこのあと、彼女はどういう行動に出るのか。最後まで楽しみです。
さいごに。(みんなが食べるから)
「みんなが食べるから、私も食べてみた」と、娘が言うので、「何を?」と
聞くと、「ハナクソ!」という答え。
小学校では、特に男の子たちが食べているようです。
そういえば、私も小学校のとき、食べていたような・・・
(注意。今回の記事は、ネタバレが多めです。)
若くて美しくて知的なアメリカ人女性が、ヨーロッパで人生を探求する物語です。
ジェイムズの代表作です。ニコール・キッドマン主演で、映画化されました。
岩波文庫で全3冊。現在は品切れ。私はヤフー・オークションで手に入れました。
初版は1996年。行方(なめかた)訳は、分かりやすく、味わいもあります。
帯に入っている写真は、ヒロインのイザベルを演じるニコール・キッドマン。
1996年の映画「ある貴婦人の肖像」に合わせて、この本も出ました。
両親を亡くし財産の無いイザベルのもとへ、ある日、金持ちの伯母が訪れます。
イザベルは伯母と一緒に、アメリカからロンドンへ渡り、運が開け始めます。
イザベルは、タチェット家の人々から暖かく迎えられ、皆から愛されます。
個性的な伯母、銀行家として成功した伯父、その息子で肺病のラルフたちに。
そして、財産を持たないイザベルのもとに、次々と求婚者が現れます。
イギリス貴族のウォーバトン卿。アメリカの大経営者グッドウッド氏など。
しかし、イザベルには、自由に世界を飛び周りたいという気持ちがありました。
そして巨額の遺産が手に入り、イザベルは世界に羽ばたく翼を得たのです。
イザベルは、世界に飛び立ったとたんに・・・
彼女が人生の伴侶に選んだ相手は・・・
イザベルのような頭の良い人が、どうしてあんな男を?
それはたぶん、彼女の相反する二つの思いのせいだと思います。
自由に振る舞いたいという思いと、
誰かに全て委ねたいという思いと。
彼女にはもともと、アメリカ娘特有の、自由を求める気質がありました。
だから、財産を持たない頃は、一生懸命に強がって、人の手に落ちなかった。
しかし、思いがけず巨額の遺産が手に入ると、自分の全てを委ねたくなった。
だから、あっさりと、つまらない男の手に落ちてしまった。
周りの人々は、もちろん警告を発します。
しかし、知的で自信家のイザベルには、彼らの言葉が耳に入りません。
結局、故タチェット氏の心配が、現実になりました。
恋を知らない若く美しい女性が、金持ちになるのは、かえって危険ですね。
結婚後、ようやく自分の失敗に気づきますが、もうその時は遅い。
でも、プライドのある彼女は、決して自分の失敗を打ち明けたりしません。
さて、実は現在、私は下巻を読み始めたばかりです
今のイザベルは、ちょっと痛々しいです。
でも、このまま終わるはずはありません。(たぶん)
いったいこのあと、彼女はどういう行動に出るのか。最後まで楽しみです。
さいごに。(みんなが食べるから)
「みんなが食べるから、私も食べてみた」と、娘が言うので、「何を?」と
聞くと、「ハナクソ!」という答え。
小学校では、特に男の子たちが食べているようです。
そういえば、私も小学校のとき、食べていたような・・・
若草物語 [19世紀アメリカ文学]
「若草物語」 オルコット作 吉田勝江訳 (角川文庫)
メグ、ジョー、ベス、エイミーの、4姉妹の日常生活を描いた自伝的小説です。
1987年に世界名作劇場で、「愛の若草物語」というタイトルで放映されました。
角川文庫、新潮文庫、ヴィレッジブックスなどで、読むことができます。
私は角川文庫で読みました。1968年の古い訳ですが、違和感はありません。
時は19世紀の南北戦争中。父は従軍して不在です。
女だけの家で、優しい母親のもと、四人姉妹が仲良く暮らしています。
一番上は、美しいメグ。16歳。家計を助けるために家庭教師をしています。
二番目は、男の子っぽいジョー。15歳。小説を書くのが趣味で 、作者の分身。
三番目は、はにかみやのベス。13歳。ピアノを弾くのが得意です。
四番目は、ちょっとわがままなエイミー。12歳。絵を描く才能を持っています。
両親を敬愛し、姉妹は助け合い、慎ましいながらも、楽しく暮らしています。
一家の愛読書は「天路歴程」。模範的なピューリタンです。
父親はほとんど登場しませんが、大きな存在感を持っています。
一家は、遠くにいる父親のことを常に気にかけ、その手紙を待ち望んでいます。
そして、悲しい知らせを受けたとき、ジョーの取った行動は胸を打ちます。
(自分も、このような父親に、なりたいものです)
ところで、うちの妻は4人姉妹の末っ子でした。
そのため、「愛の若草物語」放映中、「エイミー」と呼ば れていました。
妻の姉妹も、とても仲良しです。
年に2~3回は、家族全員が集まって、バーベキューなどをします。
さて「天路歴程」は、17世紀のイギリス人バニヤンの宗教的な寓意物語です。
岩波文庫から出ていましたが、現在は品切れ。私は第一部の途中で挫折。
さいごに。(娘とカラオケにいく)
娘が「アナ雪」の歌を歌いたいというので、2人でカラオケに行きました。
娘は初めてのカラオケ。1時間だけでしたが、とても喜んでくれました。
私は数年ぶり。機械が昔とずいぶん変わっていて、戸惑いました。
娘がほとんど歌いました。注文したパフェも、娘がほとんど食べてしまった。
メグ、ジョー、ベス、エイミーの、4姉妹の日常生活を描いた自伝的小説です。
1987年に世界名作劇場で、「愛の若草物語」というタイトルで放映されました。
角川文庫、新潮文庫、ヴィレッジブックスなどで、読むことができます。
私は角川文庫で読みました。1968年の古い訳ですが、違和感はありません。
時は19世紀の南北戦争中。父は従軍して不在です。
女だけの家で、優しい母親のもと、四人姉妹が仲良く暮らしています。
一番上は、美しいメグ。16歳。家計を助けるために家庭教師をしています。
二番目は、男の子っぽいジョー。15歳。小説を書くのが趣味で 、作者の分身。
三番目は、はにかみやのベス。13歳。ピアノを弾くのが得意です。
四番目は、ちょっとわがままなエイミー。12歳。絵を描く才能を持っています。
両親を敬愛し、姉妹は助け合い、慎ましいながらも、楽しく暮らしています。
一家の愛読書は「天路歴程」。模範的なピューリタンです。
父親はほとんど登場しませんが、大きな存在感を持っています。
一家は、遠くにいる父親のことを常に気にかけ、その手紙を待ち望んでいます。
そして、悲しい知らせを受けたとき、ジョーの取った行動は胸を打ちます。
(自分も、このような父親に、なりたいものです)
ところで、うちの妻は4人姉妹の末っ子でした。
そのため、「愛の若草物語」放映中、「エイミー」と呼ば れていました。
妻の姉妹も、とても仲良しです。
年に2~3回は、家族全員が集まって、バーベキューなどをします。
さて「天路歴程」は、17世紀のイギリス人バニヤンの宗教的な寓意物語です。
岩波文庫から出ていましたが、現在は品切れ。私は第一部の途中で挫折。
さいごに。(娘とカラオケにいく)
娘が「アナ雪」の歌を歌いたいというので、2人でカラオケに行きました。
娘は初めてのカラオケ。1時間だけでしたが、とても喜んでくれました。
私は数年ぶり。機械が昔とずいぶん変わっていて、戸惑いました。
娘がほとんど歌いました。注文したパフェも、娘がほとんど食べてしまった。
シズター・キャリー2 [19世紀アメリカ文学]
「シスター・キャリー」 ドライサー作 村山淳彦(きよひこ)訳 (岩波文庫)
物質文明に魅了された田舎娘キャリーの、波乱の人生を描いた都会小説です。
現在、岩波文庫から出ています。初版は1997年。訳は分かりやすかったです。
前回の続きです。この小説で、ちょっと気になるのが、エイムズ青年。
所々でちらっと登場するだけですが、キャリーへの影響力は大きい。
高級レストランで、豪華な食事を取るヴァンス家の人々とキャリー。
それは夢に描いていたきらびやかな世界。キャリーは幸せを感じます。
しかし、エイムズは言います。「ぼくは金持ちになりたいとは思いませんね」と。
「人間が幸せになるには、こんなものはな くてもいいんですよ」(P133~)と。
エイムズは、さっと現れ、さっと消えていきました。
しかし彼は、キャリーの心に、忘れられないほどの強烈な印象を残しました。
もしキャリーが、ドルーエやハーストウッドより前に、エイムズに会っていたら・・・
彼女の生き方は、全く違っていたはず。(小説としてはつまらなくなりそうですが)
エイムズは、この物語の中で、唯一のまっとうな考えを持っている男です。
彼の言葉の中に、作者ドライサーの主張が代弁されているように思います。
解説によると、作者ドライサーは、10人兄弟の下から2番目として生まれました。
貧しい家庭に育ったため、その多くが不良にな ったのだそうです。
特に次姉エマは、キャリーと似たような形で、ニューヨークへ駆け落ちしました。
「シスター・キャリー」の「シスター」には、姉への思い入れがあるのだとか。
なるほど。キャリーが悲惨な運命に陥らない理由が分かりました。
それに比べて、ハーストウッドの運命は・・・
ハーストウッドは、私が最も感情移入してしまった人物です。
私は、この男がかわいそうでかわいそうで・・・
物質文明の魅力。物質文明の魔力。都会生活に人は魅了され、振り回されてしまう。
それでも一度は、ニューヨークに行ってみたいと、思ってしまいました。
さて、次には、ぜひドライサーの代表作「アメリカの悲劇」が読みたいです。
以前は新潮文庫で出ていましたが、現在は品切れ。新訳を出してほしい。
さいごに。(水イボにはこれ)
プールのシーズンを前に、水いぼに悩まされているお子さんは多いと思います。
うちの娘は、いろいろ試した結果、「ヨクイニン」で治しました。
高いものではありません。1500円ほどで手に入ります。
娘の場合、飲んで数日で水イボは消えたので、プールに入れました。
ただし、飲み続けなければ、また出てきます。
水いぼは完治するまでに、どうしても1年以上はかかるようです。(娘は今年完治)
新しいブログを追加しました。本以外の商品の紹介ブログです。
「ike-pyonの本気でオススメ」 → http://ike-pyon-2.blog.so-net.ne.jp/
物質文明に魅了された田舎娘キャリーの、波乱の人生を描いた都会小説です。
現在、岩波文庫から出ています。初版は1997年。訳は分かりやすかったです。
前回の続きです。この小説で、ちょっと気になるのが、エイムズ青年。
所々でちらっと登場するだけですが、キャリーへの影響力は大きい。
高級レストランで、豪華な食事を取るヴァンス家の人々とキャリー。
それは夢に描いていたきらびやかな世界。キャリーは幸せを感じます。
しかし、エイムズは言います。「ぼくは金持ちになりたいとは思いませんね」と。
「人間が幸せになるには、こんなものはな くてもいいんですよ」(P133~)と。
エイムズは、さっと現れ、さっと消えていきました。
しかし彼は、キャリーの心に、忘れられないほどの強烈な印象を残しました。
もしキャリーが、ドルーエやハーストウッドより前に、エイムズに会っていたら・・・
彼女の生き方は、全く違っていたはず。(小説としてはつまらなくなりそうですが)
エイムズは、この物語の中で、唯一のまっとうな考えを持っている男です。
彼の言葉の中に、作者ドライサーの主張が代弁されているように思います。
解説によると、作者ドライサーは、10人兄弟の下から2番目として生まれました。
貧しい家庭に育ったため、その多くが不良にな ったのだそうです。
特に次姉エマは、キャリーと似たような形で、ニューヨークへ駆け落ちしました。
「シスター・キャリー」の「シスター」には、姉への思い入れがあるのだとか。
なるほど。キャリーが悲惨な運命に陥らない理由が分かりました。
それに比べて、ハーストウッドの運命は・・・
ハーストウッドは、私が最も感情移入してしまった人物です。
私は、この男がかわいそうでかわいそうで・・・
物質文明の魅力。物質文明の魔力。都会生活に人は魅了され、振り回されてしまう。
それでも一度は、ニューヨークに行ってみたいと、思ってしまいました。
さて、次には、ぜひドライサーの代表作「アメリカの悲劇」が読みたいです。
以前は新潮文庫で出ていましたが、現在は品切れ。新訳を出してほしい。
さいごに。(水イボにはこれ)
プールのシーズンを前に、水いぼに悩まされているお子さんは多いと思います。
うちの娘は、いろいろ試した結果、「ヨクイニン」で治しました。
高いものではありません。1500円ほどで手に入ります。
娘の場合、飲んで数日で水イボは消えたので、プールに入れました。
ただし、飲み続けなければ、また出てきます。
水いぼは完治するまでに、どうしても1年以上はかかるようです。(娘は今年完治)
新しいブログを追加しました。本以外の商品の紹介ブログです。
「ike-pyonの本気でオススメ」 → http://ike-pyon-2.blog.so-net.ne.jp/
シスター・キャリー1 [19世紀アメリカ文学]
「シスター・キャリー」 ドライサー作 村山淳彦(きよひこ)訳 (岩波文庫)
物質文明に魅了された田舎娘キャリーの、波乱の人生を描いた都会小説です。
ドライサーのデビュー作で、「アメリカの悲劇」と並ぶ代表作です。
現在、岩波文庫から出ています。初版は1997年。
ドライサーは文体にクセがありますが、訳はとても分かりやすいです。
アメリカの中西部の田舎から、姉を頼ってシカゴに出てきた18歳のキャリー。
列車の中で、羽振りのいい会社員ドルーエと知り合い、希望が膨らみます。
しかし、仕事はきつく、姉夫婦は退屈。早くも都会生活に失望を感じます。
ところが、ドルーエと再会して、状況は一転。彼の援助を得ることに。(援交)
キャリーは、ドルーエによって、たちまち物質文明のきらめきに魅了されました。
しかし皮肉にも、そのきらめきによって、ドルーエが色あせて見えてくるのです。
そこに登場したのが、高級なバーの支配人ハーストウッド・・・
彼は成功者だが所帯持ち。しかし、状況は二転三転して・・・
とても面白い小説です。展開が速くて、まったく飽きませんでした。
また、ストーリーは、良い意味で私の予想を裏切ってくれました。
キャリーは都会生活で堕落します。普通なら、その先にあるのは破滅です。
ぼろぼろになって捨てられるキャリーを想像していましたが、ところが・・・
確かにキャリーは、男どもによって堕落させられます。
しかしキャリーは、その堕落の過程で磨かれ、鍛えられていきます。
男どもはズルい。しかし、女たちもなかなかズルい。
出版当時、キャリーの生き方は、道徳的な批判を浴びたといいます。
余談ですが、もっともズルいのは、ハーストウッド夫人。
この女ときたら・・・
一方、エイムズというまっとうな青年も、ちらっと登場します。
彼は、意外に大きな役割を果たしているのですが・・・それはまた次回に。
さいごに。(父の日にはロールケーキ)
父の日には、懲りずにまた、家族でロールケーキを食べる予定です。
おいしいロールケーキ屋を見つけたので。ただし、今度は普通サイズ。
物質文明に魅了された田舎娘キャリーの、波乱の人生を描いた都会小説です。
ドライサーのデビュー作で、「アメリカの悲劇」と並ぶ代表作です。
現在、岩波文庫から出ています。初版は1997年。
ドライサーは文体にクセがありますが、訳はとても分かりやすいです。
アメリカの中西部の田舎から、姉を頼ってシカゴに出てきた18歳のキャリー。
列車の中で、羽振りのいい会社員ドルーエと知り合い、希望が膨らみます。
しかし、仕事はきつく、姉夫婦は退屈。早くも都会生活に失望を感じます。
ところが、ドルーエと再会して、状況は一転。彼の援助を得ることに。(援交)
キャリーは、ドルーエによって、たちまち物質文明のきらめきに魅了されました。
しかし皮肉にも、そのきらめきによって、ドルーエが色あせて見えてくるのです。
そこに登場したのが、高級なバーの支配人ハーストウッド・・・
彼は成功者だが所帯持ち。しかし、状況は二転三転して・・・
とても面白い小説です。展開が速くて、まったく飽きませんでした。
また、ストーリーは、良い意味で私の予想を裏切ってくれました。
キャリーは都会生活で堕落します。普通なら、その先にあるのは破滅です。
ぼろぼろになって捨てられるキャリーを想像していましたが、ところが・・・
確かにキャリーは、男どもによって堕落させられます。
しかしキャリーは、その堕落の過程で磨かれ、鍛えられていきます。
男どもはズルい。しかし、女たちもなかなかズルい。
出版当時、キャリーの生き方は、道徳的な批判を浴びたといいます。
余談ですが、もっともズルいのは、ハーストウッド夫人。
この女ときたら・・・
一方、エイムズというまっとうな青年も、ちらっと登場します。
彼は、意外に大きな役割を果たしているのですが・・・それはまた次回に。
さいごに。(父の日にはロールケーキ)
父の日には、懲りずにまた、家族でロールケーキを食べる予定です。
おいしいロールケーキ屋を見つけたので。ただし、今度は普通サイズ。
ホーソーン短篇小説集 [19世紀アメリカ文学]
「ホーソーン短篇小説集」 坂下昇編訳 (岩波文庫)
「緋文字」で有名なホーソーンの、初期の短編小説集です。
ボルヘスが激賞した「ウェイクフィールド」等を収録しています。
先月5月に、岩波文庫から復刊されました。13編を収録しています。
初版は1993年ですが、訳はいつのものか? 少し読みにくかったです。
不思議な話、怖い話、不気味な話など、色とりどりです。
個人的には、ポーやホフマンの短編小説を連想しました。
「ヤング・グッドマン・ブラウン」は、魔女の集いを扱う怪奇小説です。
ホーソーンの特徴をよく表した作品だと、言われています。
若いブラ ウンが、妻を残して、連れと一緒に、夜の夜の森に入ります。
どんな目的があるのか? どこへ向かっているのか?
森で出合った意外な人々・・・ 集いの場で見た驚くべき光景・・・
あれは夢だったのでしょうか。今でも私はよく分かりません。
「牧師の黒ベール」もまた、ホーソーンらしい心理小説の傑作です。
「緋文字」の原型となる要素が見られて、興味深い作品です。
ある日を境に、突然黒いベールを付けるようになった牧師。
彼に何があったのか? なぜベールを付けるのか?
人々の様々な憶測・・・ 牧師の謎めいた言葉・・・
牧師に何があったのか。今でも私はよく分かりません。
そして、私のイチオシ の作品が、「ウェークフィールド」です。
人間心理の不可解さを感じる物語で、ボルヘスも絶賛しました。
「金曜日の夕方の食事には待っていていい」
ある日、妻にそう告げて、ウェークフィールド氏はふらっと出かけました。
そして、そのまま20年間戻らず・・・ その間彼が住んでいたのは・・・
私にとっては、他の怪奇小説よりも不気味でした。
その他、ある彫刻師を描いた「ドゥラウンの木像」も、印象的な作品です。
「石の心の男」「大いなる岩の顔」なども、捨てがたい作品です。
ところで、この本の訳は、言葉遣いが古すぎる部分がありました。
「弥終(いやはて)」とか「漆黒(ぬばたま)」とか。(P66~P67)
古典新訳文 庫の小川訳「緋文字」は、とても分かりやすかったです。
ホーソーンの短編集も、小川訳を出してもらえたらありがたいです。
さて、ホーソーンを、誰よりも賛美したのが、ヘンリー・ジェイムズです。
ジェイムズは、ホーソーンの評伝も書いていますが、文庫では読めません。
さいごに。(驚愕のパケット代。ああ、おそろしや)
どんな怪奇小説よりも怖かった。
なんと、ケータイのパケット代が7500円。
私はケータイを二日に一度ぐらいしか使いません。それも、eメールだけ。
利用料は月に2000円ほどですが、それでも高いと思っています。
「たまにはケータイで写真を撮ってみよう」そう思ったのが間違いでした。
撮った写真10枚を、2度に分けて、自分のパソコンに送ったのですが・・・
「パケット代が高額になる可能性があります」みたいな警告が出ました。
「ひょっとしたら、500円くらいになるかな」と、私は思いました。
普段、パケット代がほぼ0円の私にとって、500円は高額なので。
それが、7500円とは! もちろん、悪いのは自分です。
でも、どこかで、こう思ってしまう。「罠にかかってしまった」と。
自分のケータイが、得体の知れぬ不可解なモノに、見えてきました。
「緋文字」で有名なホーソーンの、初期の短編小説集です。
ボルヘスが激賞した「ウェイクフィールド」等を収録しています。
先月5月に、岩波文庫から復刊されました。13編を収録しています。
初版は1993年ですが、訳はいつのものか? 少し読みにくかったです。
不思議な話、怖い話、不気味な話など、色とりどりです。
個人的には、ポーやホフマンの短編小説を連想しました。
「ヤング・グッドマン・ブラウン」は、魔女の集いを扱う怪奇小説です。
ホーソーンの特徴をよく表した作品だと、言われています。
若いブラ ウンが、妻を残して、連れと一緒に、夜の夜の森に入ります。
どんな目的があるのか? どこへ向かっているのか?
森で出合った意外な人々・・・ 集いの場で見た驚くべき光景・・・
あれは夢だったのでしょうか。今でも私はよく分かりません。
「牧師の黒ベール」もまた、ホーソーンらしい心理小説の傑作です。
「緋文字」の原型となる要素が見られて、興味深い作品です。
ある日を境に、突然黒いベールを付けるようになった牧師。
彼に何があったのか? なぜベールを付けるのか?
人々の様々な憶測・・・ 牧師の謎めいた言葉・・・
牧師に何があったのか。今でも私はよく分かりません。
そして、私のイチオシ の作品が、「ウェークフィールド」です。
人間心理の不可解さを感じる物語で、ボルヘスも絶賛しました。
「金曜日の夕方の食事には待っていていい」
ある日、妻にそう告げて、ウェークフィールド氏はふらっと出かけました。
そして、そのまま20年間戻らず・・・ その間彼が住んでいたのは・・・
私にとっては、他の怪奇小説よりも不気味でした。
その他、ある彫刻師を描いた「ドゥラウンの木像」も、印象的な作品です。
「石の心の男」「大いなる岩の顔」なども、捨てがたい作品です。
ところで、この本の訳は、言葉遣いが古すぎる部分がありました。
「弥終(いやはて)」とか「漆黒(ぬばたま)」とか。(P66~P67)
古典新訳文 庫の小川訳「緋文字」は、とても分かりやすかったです。
ホーソーンの短編集も、小川訳を出してもらえたらありがたいです。
さて、ホーソーンを、誰よりも賛美したのが、ヘンリー・ジェイムズです。
ジェイムズは、ホーソーンの評伝も書いていますが、文庫では読めません。
さいごに。(驚愕のパケット代。ああ、おそろしや)
どんな怪奇小説よりも怖かった。
なんと、ケータイのパケット代が7500円。
私はケータイを二日に一度ぐらいしか使いません。それも、eメールだけ。
利用料は月に2000円ほどですが、それでも高いと思っています。
「たまにはケータイで写真を撮ってみよう」そう思ったのが間違いでした。
撮った写真10枚を、2度に分けて、自分のパソコンに送ったのですが・・・
「パケット代が高額になる可能性があります」みたいな警告が出ました。
「ひょっとしたら、500円くらいになるかな」と、私は思いました。
普段、パケット代がほぼ0円の私にとって、500円は高額なので。
それが、7500円とは! もちろん、悪いのは自分です。
でも、どこかで、こう思ってしまう。「罠にかかってしまった」と。
自分のケータイが、得体の知れぬ不可解なモノに、見えてきました。