すばらしい新世界 [20世紀イギリス文学]
「すばらしい新世界」 ハックスリー作 松村達雄訳 (講談社文庫)
機械文明の発達によって機械的に統制された国家を描いた、アンチユートピア小説です。
この作品とザミャーチンの「われら」は、2冊で1セットでしょう。
現在、講談社文庫で読むことができます。
訳は分かりやすいです。カバーもなかなか味があります。
「すばらしい新世界」は、「われら」英訳の、8年後に出ました。
統率された全体主義的な社会、性に対する規制、価値観の押し付け、高度に発達した文明…
このように、「われら」のパロディーかと思われる箇所が、たくさんあります。
作品全体にみなぎる皮肉なユーモアも、ザミャーチンを思わせます。
さて、冒頭からすごいです。人々はビンの中で人工孵化され、人為的に階級が決められます。
そして、睡眠時教育によって、それぞれの階級にふさわしく洗脳されるのです。
清潔なビンの中で人工的に創造された人々にとって、親というのは、過去の野蛮な遺物です。
母という言葉は、冗談を通り越して、ワイセツな表現。
父という言葉は、ワイセツを通り越して、糞尿に近い表現(!)だと言います。
一番笑えたのは、「フォード様」です。
機械化によって安く大量生産されたT型フォードは、人々に豊かさと快適さをもたらし、
機会至上主義のこの社会では、神格化されています。
T型フォード誕生の年を、フォード紀元元年とし、人々は十字架ならぬT字架を身につけ、
胸に十字ならぬT字を切り、「安自動車なるフォード様!」と口ずさみます。
このバカバカしさ、サイコー。
さて、人工孵化所で働くバーナードは、ある時恋人と二人で、野蛮人保存地区に行きました。
そこで、野蛮人母子と出会い、この母子を連れ帰ることで、人生は一変し…
そして、野蛮人母子の人生もまた…
読後、虚無感に襲われるところも、ザミャーチンの「われら」と同様です。
ところで、「われら」「すばらしい新世界」ときたら、次は「1984」を読むのが王道。
でも、ちょっと、ひるんでしまう。
さいごに。(絵本の内容を覚えていない)
寒くて、眠い日が続きます。
夜、娘に絵本を読み聞かせているうちに、眠気に襲われて、頭が朦朧となってしまいます。
翌朝、娘は本の内容を覚えているのに、私の方が、全く覚えていなかったりします。
このあいだ1ページとばして読んでしまったことを、娘の方が気付いて教えてくれました。
機械文明の発達によって機械的に統制された国家を描いた、アンチユートピア小説です。
この作品とザミャーチンの「われら」は、2冊で1セットでしょう。
現在、講談社文庫で読むことができます。
訳は分かりやすいです。カバーもなかなか味があります。
「すばらしい新世界」は、「われら」英訳の、8年後に出ました。
統率された全体主義的な社会、性に対する規制、価値観の押し付け、高度に発達した文明…
このように、「われら」のパロディーかと思われる箇所が、たくさんあります。
作品全体にみなぎる皮肉なユーモアも、ザミャーチンを思わせます。
さて、冒頭からすごいです。人々はビンの中で人工孵化され、人為的に階級が決められます。
そして、睡眠時教育によって、それぞれの階級にふさわしく洗脳されるのです。
清潔なビンの中で人工的に創造された人々にとって、親というのは、過去の野蛮な遺物です。
母という言葉は、冗談を通り越して、ワイセツな表現。
父という言葉は、ワイセツを通り越して、糞尿に近い表現(!)だと言います。
一番笑えたのは、「フォード様」です。
機械化によって安く大量生産されたT型フォードは、人々に豊かさと快適さをもたらし、
機会至上主義のこの社会では、神格化されています。
T型フォード誕生の年を、フォード紀元元年とし、人々は十字架ならぬT字架を身につけ、
胸に十字ならぬT字を切り、「安自動車なるフォード様!」と口ずさみます。
このバカバカしさ、サイコー。
さて、人工孵化所で働くバーナードは、ある時恋人と二人で、野蛮人保存地区に行きました。
そこで、野蛮人母子と出会い、この母子を連れ帰ることで、人生は一変し…
そして、野蛮人母子の人生もまた…
読後、虚無感に襲われるところも、ザミャーチンの「われら」と同様です。
ところで、「われら」「すばらしい新世界」ときたら、次は「1984」を読むのが王道。
でも、ちょっと、ひるんでしまう。
さいごに。(絵本の内容を覚えていない)
寒くて、眠い日が続きます。
夜、娘に絵本を読み聞かせているうちに、眠気に襲われて、頭が朦朧となってしまいます。
翌朝、娘は本の内容を覚えているのに、私の方が、全く覚えていなかったりします。
このあいだ1ページとばして読んでしまったことを、娘の方が気付いて教えてくれました。
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