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豹頭の仮面 グイン・サーガ① [日本の現代文学]

 「豹頭の仮面 グイン・サーガ①」 栗本薫 (ハヤカワ文庫)


 亡国の世継ぎレムスと双子の姉リンダが、豹の仮面戦士グインと冒険する物語です。
 1979年に刊行され、外伝を合わせ150巻以上続いた、グイン・サーガの第一巻です。


豹頭の仮面―Guin saga 1 (1979年) (ハヤカワ文庫―JA)

豹頭の仮面―Guin saga 1 (1979年) (ハヤカワ文庫―JA)

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  • メディア: 文庫



 中原で最も豊かで美しい王国パロは、突然モンゴール兵に攻められ滅亡しました。
 城が落ちるとき、双子の遺児レムスとリンダは、不思議な力で脱出させられました。

 弟のレムスは聖王アルドロスの世継ぎです。姉のリンダは予知能力を備えています。
 ふたりは辺境の森をさまよっているとき、ゴーラ国の兵たちに捕らえられました。

 しかしふたりは、見知らぬ戦士に助けられました。戦士は、豹の頭をしていました。
 豹頭の戦士はグインと名乗りましたが、なぜかそのほかの記憶が無かったのです。

 「俺は何者だ――グイン? それが俺の名なのか? 俺は誰と戦い、なぜこの森にい
 る? なぜこんなーーこんなものをかぶせられ、どんな呪いでとることさえできない
 のだろう」(P45)

 ただ「アウラ」という言葉だけが頭に鳴り響きますが、その意味も分かりません。
 グインは自分の記憶を求めて、そして双子を守りながら、冒険の旅に出るのです。

 その夜三人は、森の中でグール(食屍鬼)たちに襲われて・・・
 モンゴール兵に捕らえられ、黒死病の黒伯爵によって塔に幽閉され・・・

 グインは、レムスとリンダを安全なところへ導くことができるのか?
 グインは何者なのか? なぜ豹頭の仮面をつけていたのか?

 150巻以上も続く「グイン・サーガ」の第1巻です。読み出したら止まりません。
 私は一話完結だと思っていましたが、この巻は物語の途中で終わってしまいました。

 先が気になりますが、第2巻「荒野の戦士」もまた途中までで終わるらしいのです。
 続きを読み始めたら全巻読むことになりそうです。続きは退職後の楽しみにします。

 さて、この物語の魅力は次々に現れる化け物たちでしょう。特にドール(食屍鬼)!
 ドールは、死肉を食ってその死体に乗り移ります。いわゆるゾンビですね。

 「首のない屍。背中から腰まで、真二つに割られ、血を吹き出させたままの者。ちぎ
 れた腕が指先で歩き、重い武器でおしつぶされて、人間の奇怪でいやらしい戯画のよ
 うなすがたになった死体につきしたがっている。」(P63)

 しかもこのゾンビたちは、斬っても斬っても死にません。
 それどころか、二つに斬れば二つに分かれ、数を増やして襲ってくるのです。

 三人は、この絶体絶命のピンチを、いかにして脱したか?
 いいですね。こういうおどろおどろしい描写が、物語をスリリングにしてくれます。

 ところで、読書仲間からは、第5巻まで読めとアドバイスされました。
 というのも、第1巻に始まる「辺境篇」が完結するのが、第5巻だからだそうです。

 さいごに。(土日も出勤)

 先週もそうでした。今週も土日に出勤して、なんとか仕事に間に合わせています。
 これほど多忙なのは、年度初めの4月だけだと信じたい!

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