幼年期の終り [20世紀イギリス文学]
「幼年期の終り」 アーサー・C・クラーク作 福島正実訳 (ハヤカワ文庫)
エイリアンの管理のもと、人類が幼年期を過ぎ、新たな存在となるまでの物語です。
アーサー・C・クラークの最高傑作であり、SF史上の金字塔です。
私が読んだハヤカワ文庫版は、長い間定番でした。訳は分かりやすかったです。
2007年に、古典新訳文庫から新訳が出ました。読みやすいという評判です。
宇宙時代の幕開けに、突然巨大な宇宙船の群れが、世界の都市の上空を覆いました。
代表は地球総督カレルレン。地球人は彼らを「オーバーロード(上帝)」と呼びます。
オーバーロードは姿を見せず、国連事務総長を通じて、平和的に地球を支配します。
地球からは、戦争も貧困も差別も無くなり、人々の生活は格段に向上しました。
一方で、オーバーロードによる支配に、不審の念を抱く者たちもいます。
彼らはなぜ姿を隠しているのか? 彼らの目的はいったい何なのか?
地球人を見守る存在がいて、なかなかその姿を見せない・・・
その点が、「2001年宇宙の旅」と、少し似ています。
さて、50年後にオーバーロードたちは、ようやく姿を現します。
地球人を導いてきた彼らの姿はなんと・・・(!)
しかし、本当に衝撃的なのは、最後の場面です。
人類は変貌を遂げて・・・壮大というか、荒唐無稽というか・・・
この作品は、深淵なテーマと哲学的な内容を持つため、賛否両論あるようです。
若い頃の私は、オーバーロードのような存在に、反感を持ってしまいました。
ところで、この種の作品で、断然オススメなのはホーガンの「星を継ぐもの」です。
読み出したら止まりません。私にとって、ナンバー1のSF作品です。
さいごに。(金時山)
少し前に、家族3人で金時山に登りました。
山頂からの富士山は、とてもきれいでした。
しかし、すごい人混みで、座る場所を探すのさえ、ひと苦労でした。
追記(2020年5月14日)
投稿から7年たった今、「幼年期の終わり」を古典新訳版で再読しました。
ラストには改めて驚きました。これではSFというよりオカルトではないか!
いったいオーバーマインドとは何か? 宇宙全体を包み込む集合精神なのか?
それは神のような存在か? 第三世代は次元を超えて、神と一体化したのか?
神と一体化したのだと解釈しても、読後、非常にむなしい気持ちになります。
人類にとって、地球にとって、オーバーロードにとって、希望のない結末です。
ところで訳者解説によると、本書は、欧米と日本では、読まれ方が違うのだそうです。
欧米では人類超進化小説として、敗戦国日本では人類家畜化小説として読まれた・・・
エイリアンの管理のもと、人類が幼年期を過ぎ、新たな存在となるまでの物語です。
アーサー・C・クラークの最高傑作であり、SF史上の金字塔です。
私が読んだハヤカワ文庫版は、長い間定番でした。訳は分かりやすかったです。
2007年に、古典新訳文庫から新訳が出ました。読みやすいという評判です。
宇宙時代の幕開けに、突然巨大な宇宙船の群れが、世界の都市の上空を覆いました。
代表は地球総督カレルレン。地球人は彼らを「オーバーロード(上帝)」と呼びます。
オーバーロードは姿を見せず、国連事務総長を通じて、平和的に地球を支配します。
地球からは、戦争も貧困も差別も無くなり、人々の生活は格段に向上しました。
一方で、オーバーロードによる支配に、不審の念を抱く者たちもいます。
彼らはなぜ姿を隠しているのか? 彼らの目的はいったい何なのか?
地球人を見守る存在がいて、なかなかその姿を見せない・・・
その点が、「2001年宇宙の旅」と、少し似ています。
さて、50年後にオーバーロードたちは、ようやく姿を現します。
地球人を導いてきた彼らの姿はなんと・・・(!)
しかし、本当に衝撃的なのは、最後の場面です。
人類は変貌を遂げて・・・壮大というか、荒唐無稽というか・・・
この作品は、深淵なテーマと哲学的な内容を持つため、賛否両論あるようです。
若い頃の私は、オーバーロードのような存在に、反感を持ってしまいました。
ところで、この種の作品で、断然オススメなのはホーガンの「星を継ぐもの」です。
読み出したら止まりません。私にとって、ナンバー1のSF作品です。
さいごに。(金時山)
少し前に、家族3人で金時山に登りました。
山頂からの富士山は、とてもきれいでした。
しかし、すごい人混みで、座る場所を探すのさえ、ひと苦労でした。
追記(2020年5月14日)
投稿から7年たった今、「幼年期の終わり」を古典新訳版で再読しました。
ラストには改めて驚きました。これではSFというよりオカルトではないか!
いったいオーバーマインドとは何か? 宇宙全体を包み込む集合精神なのか?
それは神のような存在か? 第三世代は次元を超えて、神と一体化したのか?
神と一体化したのだと解釈しても、読後、非常にむなしい気持ちになります。
人類にとって、地球にとって、オーバーロードにとって、希望のない結末です。
ところで訳者解説によると、本書は、欧米と日本では、読まれ方が違うのだそうです。
欧米では人類超進化小説として、敗戦国日本では人類家畜化小説として読まれた・・・
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