鷲は舞い降りた [20世紀イギリス文学]
「鷲は舞い降りた」 ジャック・ヒギンズ作 菊池光訳 (ハヤカワ文庫)
第二次大戦中に行われた、ドイツ落下傘部隊による、恐るべき作戦を描いた物語です。
1975年に出てベストセラーとなり、冒険小説の大傑作と言われています。
現在、ハヤカワ文庫から「完全版」が出ています。
シンプルでとてもテンポの良い訳です。セリフがカッコイイです。
作者ヒギンズは、17世紀の人物の墓を探して、英国の小さな村の教会を訪ねました。
目的の墓は無かったのですが、意外なものを見つけました。
それは、1943年に戦死した、シュタイナ中佐らドイツ落下傘部隊の墓でした。
こんな田舎になぜ? いったい、ここで何があったのか?
1年の取材の後、闇に葬られていた一大作戦を、再構成したのがこの小説です。
主人公は、落下傘部隊の勇士シュタイナと、アイルランド共和国軍の戦士デヴリン。
二人は思いがけず、ある壮大な作戦に関わることになりますが…
シュタイナとデヴリン。
全く違う性格の二人ですが、最高のコンビでした。
シュタイナは、歴戦の勇士で部下思い。理想的な上官です。
「非常に頭がよくて、勇気があって、冷静で、卓越した軍人
―そして、ロマンティックな愚か者だ。」(P116)
デヴリンは、怖いもの知らずで皮肉屋。実に面白い男です。
「人生は不運な笑い草であったことを知り、それを笑う以外に
なすすべがないと決めた男の顔であった。」(P138)
また、第3の主役、軍情報局課長ラードルも、いい味を出しています。
軍の幹部でありながら、上と下との板ばさみに苦しんでいます。
ラードルの次の言葉が、この小説のテーマなのかもしれません。
「この戦争では勝者はいないのだ。犠牲者しかいない。
わたしたちみんなが犠牲者なのだよ」(P458)
さて、物語は思いがけない展開をします。最後まで目が離せません。
しかも、最後の最後に、大ドンデン返しが…
読み終わった後も、いつまでも余韻に浸っていたくなります。
幸い続編があります。その名も、「鷲は飛び立った」。(未読)
「鷲は舞い降りた」は評判が良かったため、翌年には映画が上映されました。
この映画もまた、傑作なのだそうです。レンタルされていたら、見てみたい。
さいごに。(100分de名著)
Eテレ「100分de名著」で、トルストイの「戦争と平和」が取り上げられています。
毎回楽しみに見ています。といっても、わずか4回。あと2回ですが。
「戦争と平和」トルストイ
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-07-07
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-07-28
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-08-01
第二次大戦中に行われた、ドイツ落下傘部隊による、恐るべき作戦を描いた物語です。
1975年に出てベストセラーとなり、冒険小説の大傑作と言われています。
現在、ハヤカワ文庫から「完全版」が出ています。
シンプルでとてもテンポの良い訳です。セリフがカッコイイです。
作者ヒギンズは、17世紀の人物の墓を探して、英国の小さな村の教会を訪ねました。
目的の墓は無かったのですが、意外なものを見つけました。
それは、1943年に戦死した、シュタイナ中佐らドイツ落下傘部隊の墓でした。
こんな田舎になぜ? いったい、ここで何があったのか?
1年の取材の後、闇に葬られていた一大作戦を、再構成したのがこの小説です。
主人公は、落下傘部隊の勇士シュタイナと、アイルランド共和国軍の戦士デヴリン。
二人は思いがけず、ある壮大な作戦に関わることになりますが…
シュタイナとデヴリン。
全く違う性格の二人ですが、最高のコンビでした。
シュタイナは、歴戦の勇士で部下思い。理想的な上官です。
「非常に頭がよくて、勇気があって、冷静で、卓越した軍人
―そして、ロマンティックな愚か者だ。」(P116)
デヴリンは、怖いもの知らずで皮肉屋。実に面白い男です。
「人生は不運な笑い草であったことを知り、それを笑う以外に
なすすべがないと決めた男の顔であった。」(P138)
また、第3の主役、軍情報局課長ラードルも、いい味を出しています。
軍の幹部でありながら、上と下との板ばさみに苦しんでいます。
ラードルの次の言葉が、この小説のテーマなのかもしれません。
「この戦争では勝者はいないのだ。犠牲者しかいない。
わたしたちみんなが犠牲者なのだよ」(P458)
さて、物語は思いがけない展開をします。最後まで目が離せません。
しかも、最後の最後に、大ドンデン返しが…
読み終わった後も、いつまでも余韻に浸っていたくなります。
幸い続編があります。その名も、「鷲は飛び立った」。(未読)
「鷲は舞い降りた」は評判が良かったため、翌年には映画が上映されました。
この映画もまた、傑作なのだそうです。レンタルされていたら、見てみたい。
さいごに。(100分de名著)
Eテレ「100分de名著」で、トルストイの「戦争と平和」が取り上げられています。
毎回楽しみに見ています。といっても、わずか4回。あと2回ですが。
「戦争と平和」トルストイ
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-07-07
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-07-28
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-08-01
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