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イエスの生涯 [日本の現代文学]

 「イエスの生涯」 遠藤周作 (新潮文庫)


 カトリック信者の著者が、様々な資料をもとに、イエスの生涯をたどった作品です。
 歴史小説というよりも、評伝に近いです。

 現在、新潮文庫から出ています。

 
イエスの生涯 (新潮文庫)

イエスの生涯 (新潮文庫)

  • 作者: 遠藤 周作
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1982/05/27
  • メディア: 文庫



 イエスが目指したものは、神による愛を人々に示すことでした。
 しかし人々が期待したのは、解放者としての現実的な役割でした。

 愛を語るのは易しい。しかし、愛を実践するのは難しい。
 なぜなら愛は、現実世界において、まったく無力だから。

 民族解放を夢見る人々に、「敵を愛せ」というメッセージは届きません。
 そこにイエスの悲劇がありました・・・

 さて、前半は、資料の分析やら、言葉の解釈やら、まるで学術書のよう。
 しかし、後半の「受難物語」に入ると、いっきに盛り上がりました。

 「受難物語」は、遠藤独特のイエス観によって、描かれています。
 イエスは、いかにして愛を伝えたか!

 続編「キリストの誕生」も読みたい。
 弟子たちは、いかにして立ち直ったか!


キリストの誕生 (新潮文庫)

キリストの誕生 (新潮文庫)

  • 作者: 遠藤 周作
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1982/12/28
  • メディア: 文庫



 イエスが処刑された一方で、恩赦によって解放された男がいた。バラバです。
 ラーゲルクヴィストの「バラバ」も、読んでみたい作品です。


バラバ (岩波文庫)

バラバ (岩波文庫)

  • 作者: ラーゲルクヴィスト
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1975/12/16
  • メディア: 文庫



 本当は、モーリヤックの「イエスの生涯」を読みたかったのです。
 しかし、品切れ。古くて読みにくいので、改版を期待します。


イエスの生涯 (新潮文庫)

イエスの生涯 (新潮文庫)

  • 作者: モーリヤック
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1952/10
  • メディア: 文庫



 さいごに。(最近気になること)

 娘には、近所に仲の良い男の子がいて、よくいっしょに遊んでいます。
 そのためか、最近の娘の遊びは、とても男の子っぽい。まあいいのですが。

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