SSブログ

紅楼夢1 [18世紀文学]

 「紅楼夢」 曹雪芹作 伊藤漱平訳 (平凡社ライブラリー)


 口に玉を含んで生まれた賈宝玉と、二人の美女黛玉と宝釵を巡る長編小説です。
 18世紀の中頃、清朝の中期に書かれて、大いにもてはやされた作品です。

 平凡社ライブラリーから出ています。挿絵があります。文庫ではありません。
 伊藤氏が訳したのは1958年ですが、3度改訳されているため、読みやすいです。


紅楼夢 (1) (平凡社ライブラリー (162))

紅楼夢 (1) (平凡社ライブラリー (162))

  • 作者: 曹 雪芹
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 1996/09
  • メディア: 新書



 主人公の賈宝玉(かほうぎょく)は、名高い賈家の栄国邸の美しい若君です。
 宝玉は不思議なことに、口中に玉を含んで生まれてきました。

 美しい少女の林黛玉(りんたいぎょく)は、母を亡くし栄国邸に送られました。
 そこで、初めて賈宝玉と顔を合わせました。

 「どこかでお会いした人みたい」と、黛玉は思います。
 「この姫さんなら、お会いしたことがありますよ」と宝玉も言いますが・・・

 もう一人の美少女の薛宝釵(せつほうさ)は、賈家と姻戚関係にあります。
 彼女は、美しい玉の首飾りを持っていましたが、それは宝玉の玉と対で・・・

 宝玉、黛玉、宝釵。
 3人にはどのような因縁があるのか? 3人はどのような運命をたどるのか?

 ほかにも、賈家・史家・王家・薛家・林家などの人物が、わんさと出てきます。
 次から次に似たような名前が出てきて、なかなか覚えられません。

 物語の舞台は、地上界だけでなく、天界にまで及んでいます。
 また、現実世界の中に幻が不意に入り込んできます。

 特に第五回、宝玉が夢の中で離魂天に遊び、仙女に出会う場面は印象的です。
 ここで宝玉は、歌姫から仙曲「紅楼夢」を聞くのですが・・・

 不思議で、奇怪で、面白くて、スケールがでっかい物語です。
 さすが、大きな国土と多くの人口を抱えている中国の文学ですね。

 実際この小説は長大で、平凡社ライブラリー版は全12巻です。
 私は第1巻を読み終わったところ。物語はまだ始まったばかりです。

 さて、2013年に岩波書店から新訳が出ました。
 単行本で、1冊3500円ほど。文庫化を期待しています。


新訳 紅楼夢 第1冊〈第1~16回〉

新訳 紅楼夢 第1冊〈第1~16回〉

  • 作者: 曹 雪芹
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2013/09/26
  • メディア: 単行本



 かつて岩波文庫から旧訳が出ていました。現在は品切れです。


紅楼夢 1 (岩波文庫 赤 18-1)

紅楼夢 1 (岩波文庫 赤 18-1)

  • 作者: 曹 雪芹
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1972/05/16
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ぽっちゃり系がタイプ?)

 うちの娘が好きな芸能人は、クマムシのボケ担当(歌う方)と、チャンカワイ。
 ふっくらした感じが良いのだとか。

 しかし、どうやら娘はこの2人を、小動物のように見ているようです。
 「育ててみたい」と、言っていたので。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。