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古代エジプト [古代文学]

 「古代エジプト 失われた世界の解読」 笈川博一 (講談社学術文庫)


 古代エジプトの2700年ほどの歴史と文化を、ざっくりと概観した入門書です。
 地理・歴史・宗教・死生観・言葉・文学などについて解説されています。

 25年前に中公新書から出た本で、一昨年講談社学術文庫から復刊されました。
 復刊のさい、「シヌヘ」などが加えられました。


古代エジプト 失われた世界の解読 (講談社学術文庫)

古代エジプト 失われた世界の解読 (講談社学術文庫)

  • 作者: 笈川 博一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/09/11
  • メディア: 文庫



 エジプトの歴史は、紀元前3000年に始まります。
 アレクサンドロス大王によって中断されるまで、2700年ほど続きます。

 この雄大な国家について、わずか250ページで述べるなんてとても無理です。
 もし、充実した内容のものを求めるのなら、吉村作治氏の本がいいでしょう。

 現在出ている「世界一面白い古代エジプトの謎」(全2巻)はオススメです。
 1996年に出た「吉村作治の古代エジプト講義録」(全2巻)と同じ内容です。


世界一面白い 古代エジプトの謎【ピラミッド/太陽の船篇】 (中経の文庫)

世界一面白い 古代エジプトの謎【ピラミッド/太陽の船篇】 (中経の文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 中経出版
  • 発売日: 2014/09/19
  • メディア: Kindle版



世界一面白い 古代エジプトの謎【ツタンカーメン/クレオパトラ篇】 (中経の文庫)

世界一面白い 古代エジプトの謎【ツタンカーメン/クレオパトラ篇】 (中経の文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 中経出版
  • 発売日: 2014/09/19
  • メディア: Kindle版



 と、いきなりほかの本の紹介になってしまいました。
 では、本書「古代エジプト 失われた世界の解読」を紹介する理由は何か?

 それは、ズバリ、「シヌヘ(サアネヘト)」が読めるからです。
 「シヌヘ」は、紀元前2000年ごろに書かれた、古代エジプトの冒険文学です。

 エジプトの高官だったシヌヘは、皇太子に付いて、遠征に出ていました。
 そこで王が死に、シヌヘは策謀に巻き込まれ、国を脱出して・・・ 

 今から4000年ほど前の物語を、読むことができるとは!
 それだけでワク ワクしてしまう。パピルスで読める学者が、うらやましい。

 わずか16ページ。しかしこれまで、なかなか読めなかったのです。
 私は、ネットに出ている要約を読むだけで、我慢してきました。

 かつて出ていた中公新書版にも、「シヌヘ」は入っていませんでした。
 その「シヌヘ」が、復刊のタイミングで収録されました。ありがたや。

 ほかにも、「二人兄弟物語」「ホルスとセツの争い」などが読めます。
 また、神話、宗教、死生観、文字など、精神世界の解説が充実しています。

 エジプトの神話は他にも、ちくま文庫の「エジプトの神話」があります。
 著者の矢島文夫は、ちくま学芸文庫「ギルガメシュ叙事詩」の著者です。


エジプトの神話―兄弟神のあらそい (ちくま文庫―世界の神話)

エジプトの神話―兄弟神のあらそい (ちくま文庫―世界の神話)

  • 作者: 矢島 文夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1997/08
  • メディア: 文庫



 さいごに。(レザークラフト)

 レザークラフトの講座に通い始めました。コインケースを作っています。
 自分で使うものを、時間をかけて自分で作るのは、とても楽しいです。

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