モンテ・クリスト伯(抄訳)2 [19世紀フランス文学]
「モンテ・クリスト伯(下)」 A・デュマ作 大友徳明訳 (偕成社文庫)
無実の罪で捕らわれた男が脱獄し、自分を陥れた者たちに復讐する物語です。
以前、講談社文庫の完訳を読み、今年、偕成社文庫の抄訳を読み直しました。
下巻に入るとモンテ・クリスト伯爵は、いよいよかつての婚約者と再会します。
モルセール伯爵夫人は、早くもモンテ・クリスト伯の正体に気付いています。
「伯爵さま、アラビアには、同じ屋根の下でパンと塩をわかちあった者は、永遠
の友だちとなるという、うるわしい風習がありましたね。」
「それはわたしも知っていますが、ここはフランスで、アラビアではありません。
フランスにはパンと塩をわかちあうことも、永遠の友だちも存在しません。」
この言葉の中に、二人それぞれの思いが全て込められています。
この再会の場面は、物語を通して最も切なかったです。
「エドモン、あなたのところにやってきたのは、モルセール夫人ではなくて、メ
ルセデスなのです。」
「メルセデスは死にました・・・わたしはもう、そういう名の人は知りません。」
「メルセデスは生きています。・・・メルセデスだけは、あなたに会ったとき、
あなただとわかりました。」
この物語は、愛と憎しみの物語でした。
そして、「復讐はむなしい」ということを、教えてくれました。
ダングラールを、フェルナンを、ヴィルフォールを、巧みに陥れていき・・・
しかし、復讐を果たすうちに、自分の行為に迷いが生じるようになって・・・
「ゆるやかな曲がりくねった坂道をたどって、復讐の頂点に達した伯爵は、この
山の反対側に、疑惑の谷があることに気づいたのだ。」(P369)
抄訳を選んだのは、できるだけ簡単にこの大作を味わいたいと思ったからです。
しかし読み終えてから思ったのは、「もう一度完訳を読みたい」ということです。
それは、偕成社文庫版がもの足りないというのではありません。むしろ逆です。
作品がそれだけ魅力的だったので、もう一度しっかり読みたいと思いました。
現在出ている完訳は岩波文庫版です。初訳は1956年と古いのですが、味わい深い。
全7巻です。いつでも読み出せるように、1巻から3巻までは買ってあります。
また、今回改めて感じたことは、これも「ナポレオン物」のひとつだということ。
冒頭部分、百日天下、人々の回想場面など、随所でナポレオンが登場します。
ナポレオンの本も読みたくなりました。
ナポレオンのマイブームの時に買った、鶴見祐輔の書いた本を読んでおきたいです。
さいごに。(今年は余裕でマグロ組)
小学校の水泳の授業が始まりました。今年は最高レベルのマグロ組に入れました。
市民プールで、クロール50mと平泳ぎ50mを、泳げるようにしておいて良かったです。
無実の罪で捕らわれた男が脱獄し、自分を陥れた者たちに復讐する物語です。
以前、講談社文庫の完訳を読み、今年、偕成社文庫の抄訳を読み直しました。
下巻に入るとモンテ・クリスト伯爵は、いよいよかつての婚約者と再会します。
モルセール伯爵夫人は、早くもモンテ・クリスト伯の正体に気付いています。
「伯爵さま、アラビアには、同じ屋根の下でパンと塩をわかちあった者は、永遠
の友だちとなるという、うるわしい風習がありましたね。」
「それはわたしも知っていますが、ここはフランスで、アラビアではありません。
フランスにはパンと塩をわかちあうことも、永遠の友だちも存在しません。」
この言葉の中に、二人それぞれの思いが全て込められています。
この再会の場面は、物語を通して最も切なかったです。
「エドモン、あなたのところにやってきたのは、モルセール夫人ではなくて、メ
ルセデスなのです。」
「メルセデスは死にました・・・わたしはもう、そういう名の人は知りません。」
「メルセデスは生きています。・・・メルセデスだけは、あなたに会ったとき、
あなただとわかりました。」
この物語は、愛と憎しみの物語でした。
そして、「復讐はむなしい」ということを、教えてくれました。
ダングラールを、フェルナンを、ヴィルフォールを、巧みに陥れていき・・・
しかし、復讐を果たすうちに、自分の行為に迷いが生じるようになって・・・
「ゆるやかな曲がりくねった坂道をたどって、復讐の頂点に達した伯爵は、この
山の反対側に、疑惑の谷があることに気づいたのだ。」(P369)
抄訳を選んだのは、できるだけ簡単にこの大作を味わいたいと思ったからです。
しかし読み終えてから思ったのは、「もう一度完訳を読みたい」ということです。
それは、偕成社文庫版がもの足りないというのではありません。むしろ逆です。
作品がそれだけ魅力的だったので、もう一度しっかり読みたいと思いました。
現在出ている完訳は岩波文庫版です。初訳は1956年と古いのですが、味わい深い。
全7巻です。いつでも読み出せるように、1巻から3巻までは買ってあります。
また、今回改めて感じたことは、これも「ナポレオン物」のひとつだということ。
冒頭部分、百日天下、人々の回想場面など、随所でナポレオンが登場します。
ナポレオンの本も読みたくなりました。
ナポレオンのマイブームの時に買った、鶴見祐輔の書いた本を読んでおきたいです。
さいごに。(今年は余裕でマグロ組)
小学校の水泳の授業が始まりました。今年は最高レベルのマグロ組に入れました。
市民プールで、クロール50mと平泳ぎ50mを、泳げるようにしておいて良かったです。
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