真珠夫人 [日本の近代文学]
「真珠夫人」 菊池寛 (文春文庫)
男を弄ぶ瑠璃子の奔放な生活と、それと裏腹な純情を描いた、菊池初の通俗小説です。
1920年に新聞連載されて話題となり、菊池寛をいっきに人気作家に押し上げました。
ある日渥美の乗ったタクシーが事故を起こし、同乗していた学生が亡くなりました。
学生は渥美に「時計をるりこに返してくれ」と言い残し、自分のノートを託しました。
死んだ学生は青木男爵の長男でした。渥美は行きがかり上、葬儀に出席しました。
そこで、荘田瑠璃子という、妖艶でとても美しい未亡人を知り、その屋敷を訪ねます。
ノートには何が書かれているのか? 青木と瑠璃子の関係は?
ミステリー小説のように進むので、すぐに小説の世界に入り込めました。
瑠璃子はなぜ男を弄ぶようになったのか? 彼女はどのような半生を歩んで来たか?
瑠璃子の夫はどのように亡くなったのか? そもそもなぜ荘田と結婚したのか?
「妾は女性としての恋を捨て、優しさを捨て慎ましやかさを捨てて、ただ復讐と膺懲
のために、狂奔する化物のような人間になろうとしているのです。」(P200)
悪魔だと思って倒した相手は、死ぬときには人間の姿をしていました。
逆に瑠璃子自身が、意外にも悪魔に近い存在になっていたのです・・・
「敵と戦うために、自分自身心に塗った毒は、いつの間にか、心のうち深く侵み入っ
て消えなかった。」(P300)
新聞連載当時、瑠璃子の生きざまに対して、多くの共感が寄せられたと言います。
次のような言葉に表れているように、彼女はただの毒婦ではありません。
「男性は女性を弄んでよいもの、女性は男性を弄んでは悪いもの、そんな間違った男
性本位の道徳に、妾は一身を賭しても、反抗したいと思っていますの。」(P406)
この作品もまた、ただの通俗小説ではありません。社会問題を取り上げています。
瑠璃子を介して、男性本位の社会を痛烈に批判しています。
さて、「真珠夫人」の前半は、瑠璃子がいかにして毒婦になったかを描いていました。
そして後半、妖女となった瑠璃子が、運命の皮肉によってどうなるか・・・
さいごに。(天気の子)
娘が、部活の友だちと「天気の子」を見に行って、その内容を教えてくれました。
驚いたことに、「君の名は」に続いて、オカルト雑誌「ムー」が登場したそうです。
主人公が最初に従事した仕事が、なんと「ムー」の原稿執筆だったと言います。
新海誠監督は、「ムー」の愛読者だったと言う。親近感が湧いてしまいました。
男を弄ぶ瑠璃子の奔放な生活と、それと裏腹な純情を描いた、菊池初の通俗小説です。
1920年に新聞連載されて話題となり、菊池寛をいっきに人気作家に押し上げました。
ある日渥美の乗ったタクシーが事故を起こし、同乗していた学生が亡くなりました。
学生は渥美に「時計をるりこに返してくれ」と言い残し、自分のノートを託しました。
死んだ学生は青木男爵の長男でした。渥美は行きがかり上、葬儀に出席しました。
そこで、荘田瑠璃子という、妖艶でとても美しい未亡人を知り、その屋敷を訪ねます。
ノートには何が書かれているのか? 青木と瑠璃子の関係は?
ミステリー小説のように進むので、すぐに小説の世界に入り込めました。
瑠璃子はなぜ男を弄ぶようになったのか? 彼女はどのような半生を歩んで来たか?
瑠璃子の夫はどのように亡くなったのか? そもそもなぜ荘田と結婚したのか?
「妾は女性としての恋を捨て、優しさを捨て慎ましやかさを捨てて、ただ復讐と膺懲
のために、狂奔する化物のような人間になろうとしているのです。」(P200)
悪魔だと思って倒した相手は、死ぬときには人間の姿をしていました。
逆に瑠璃子自身が、意外にも悪魔に近い存在になっていたのです・・・
「敵と戦うために、自分自身心に塗った毒は、いつの間にか、心のうち深く侵み入っ
て消えなかった。」(P300)
新聞連載当時、瑠璃子の生きざまに対して、多くの共感が寄せられたと言います。
次のような言葉に表れているように、彼女はただの毒婦ではありません。
「男性は女性を弄んでよいもの、女性は男性を弄んでは悪いもの、そんな間違った男
性本位の道徳に、妾は一身を賭しても、反抗したいと思っていますの。」(P406)
この作品もまた、ただの通俗小説ではありません。社会問題を取り上げています。
瑠璃子を介して、男性本位の社会を痛烈に批判しています。
さて、「真珠夫人」の前半は、瑠璃子がいかにして毒婦になったかを描いていました。
そして後半、妖女となった瑠璃子が、運命の皮肉によってどうなるか・・・
さいごに。(天気の子)
娘が、部活の友だちと「天気の子」を見に行って、その内容を教えてくれました。
驚いたことに、「君の名は」に続いて、オカルト雑誌「ムー」が登場したそうです。
主人公が最初に従事した仕事が、なんと「ムー」の原稿執筆だったと言います。
新海誠監督は、「ムー」の愛読者だったと言う。親近感が湧いてしまいました。
2019-09-25 04:00
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コメント(1)
『天気の子』......来月、サンフランシスコの映画館で上映..
http://www.roxie.com/ai1ec_event/27864/?instance_id=38476
by サンフランシスコ人 (2019-12-24 07:54)