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透明人間 [19世紀イギリス文学]

 「透明人間」 H・G・ウェルズ作 橋本槙矩訳 (岩波文庫)


 透明人間となった科学者が巻き起こす、数々の事件を描いた物語です。
 「タイムマシン」「宇宙戦争」と並ぶ、ウェルズのSF小説の代表作です。


透明人間 (岩波文庫)

透明人間 (岩波文庫)

  • 作者: H.G. ウエルズ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1992/06/16
  • メディア: 文庫



 ある寒い日、ロンドン郊外のアイピング村の宿屋に、外套を着た男が泊まりました。 
 その男は体中に包帯を巻いていて、なぜか人々が近づくことを嫌がっていました。

 部屋に実験道具を運び込み、何やらやっている男のことは、やがて噂になりました。
 多くの人々の注目が集まる中、とうとう男は宿屋で正体を現します。

 男が顔の包帯を外すと、そこには何もなく・・・
 巡査も来て男を捕まえようとするが、男が服を脱ぐと何も見えなくなり・・・

 ところで、「透明人間」という技術は、実際に可能なのでしょうか?
 この小説では、一応次のように説明されていますが、よく分かりません。

 「研究の肝心のポイントは、ある種のエーテル波動の二つの発光中心点の中間に、
 その屈折率が低くなるような透明な物質を置くことなのだ。」(P152)

 研究を重ねてようやく透明人間になったものの、彼は孤独でつらいことばかり・・・
 われわれ読者が透明人間に同情し始めたとき、彼は恐ろしい考えを打ち明けて・・・

 小学生のころは透明人間になってみたかった。「透明人間」なんて歌も流行ったし。
 しかしこの小説を読むと、透明人間に対する憧れなんかは吹き飛んでしまいます。

 でもよく考えてみると、元に戻る薬を発明できなかった点に、彼の不幸があります。
 「天狗の隠れ蓑」があって、自由自在に姿を消せるのなら、きっと楽しいでしょう。

 さて、セイントの「透明人間の告白」という小説もあり、椎名誠が押しています。
 科学研究所の事故によって透明になってしまう、という話のようです。


透明人間の告白 上 (河出文庫)

透明人間の告白 上 (河出文庫)

  • 作者: H・F・セイント
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2011/12/03
  • メディア: 文庫



 さいごに。(年末年始)

 年末年始は6日間、仕事を完全に休みました。
 年末は大掃除と読書。年始は親戚周りと読書。充実した読書時間を過ごせました。

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